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1:扉の向こう側
投稿者:
玲子
午前8時、とうに朝ご飯を終え、甘えを求めようと愛猫が私の足元に擦り寄っていた。
数年前、薄汚れた段ボール箱に捨てられていたのを、見かねて拾ってきたのだ。 満腹になると毛繕いをし、縄張りである部屋中を忙しく見回りをするのだ。それも終えると私の元にやってくる。 甘えることにも飽きると、さっさとお気に入りの出窓に飛びのってそのまま陣取る。 私は着替えと簡単なメイクを終えると玄関をでた。 電車に揺られ一時間後には、郊外の寂れた駅に降り立っていた。 私は電車に乗って旅にでるのが好きなのだ。 車窓から移り変わる景色を眺めていると、日頃のストレスも溶けていく。 泊まり掛けの旅行には中々行けなくなったが、休日は時間の許すかぎり出掛ける。 行き先は決まって静かな田舎町である。 その地で雰囲気の良さそうな喫茶店を見つけ、お茶を飲むと心が落ち着く。 ここは最近見つけたお気に入りのお店のひとつだ。 観光地が近いからなのだろう、敷地の大部分を駐車所が占めている。 お昼まではまだ時間があるせいか、お客もまばらである。 やがて店内が賑やかになってくるとお店をでた。 神社でお参りをし、辺りを散策。お土産屋やさんで手頃なお皿を購入した頃には程よい時間になっていたので、駅に向かった。 駅校舎が見えてきた。 駅前には小さなコンビニがあり、ほかには八百屋、ドラッグストアー。 構内は無駄に広く、改札手前には売店、反対にはトイレといったどこにでもありそうな田舎の駅。 人の行き来は電車の到着時以外はあまり見かけないのも好きだった。 思いついたように尿意を覚えたのでトイレに入った。 あまり利用者はいないであろうこのトイレは意外にも清掃がいき届いており、洒落た造りであることも発見だった。 外へでた所で高校生だろうか、学生服の男の子が困惑した様子でそこにいた。 お財布でも落としたのだろうか、しきりに地面に視線を向けている。 どうしたものかと足を止めたのが災いした。 私の後ろ急に回ったと思ったら口を塞がれ、男子トイレに引きずり込まれたのだ。 この一連の場面はトイレ前にある衝立の役目の壁に遮られ、人目に晒されることはない。 「なんだよ、おばさんかよ。まぁいいや」 自分がどんな事態に巻き込まれたかを飲み込むまでに時間は掛からず、目の前が急に暗くなった。 海外ならいざ知らず国内のこんな田舎町の駅のトイレで、まさかだった。 10代の男の子にしては今風の華奢な体つきだったが、やはり力では圧倒的に敵うことはなく、片手で首を締められブラウスのボタンをを乱暴に引きチギろうとし、生まれて初めて生命の危機を感じた。 私は精一杯、震えた声をだして 「わかったから、乱暴にしないで」 を伝えるのがやっとだった。 カチャカチャとベルトとファスナーを降ろす音に心臓が萎縮した。 壁に向かい合わせに立たされ、ショーツを膝まで引き下げられた。 焦っいるのか、入口に当てがわれたモノが何度も行き過ぎる。 極度の緊張状態だからか、不思議なくらいぺニスの感触や硬度がリアルに感じられる。 準備の出来ていない膣に無理矢理入ってこようとするのだ、辛かった。 すべてがめり込むまで歯を喰いしばり、痛みに耐えた。 子宮口に当たる先端がびくびくしている。 おもむろに腰を動かされる度に痛みが走る。 不意に苦痛から解き放たれ、リズムカルな動きに変化する。 相手はこちらの反応など気にもせず、ただ己れの欲望を発散させようと規則正しく腰を動かしていく。 何も思考が働かない。 煙草臭い息が不快だった。 そうこうしているうちに、呆れるほどなんの前兆もないままに、まったく不意に絶頂感が訪れた。 どこまでも深くて鋭い、形容し難い快感だった。 身体が硬直し、耐えがたいく、せつない波に幾度も襲われてその場にへたりこんでしまった。 行為がはじまって数分と経っていないはずなのに、自分の身体に起こった反応がショックだった。 久しぶりのセックスだったとはいえ経験上、過去にも数える程しかないはずだ。 だが、この過敏さ、快感の深度もレベルが違っていた。 身体を引き起こされ、だらしなく膝の辺りに絡まったショーツを取り去られた。そのまま腕を引かれ個室に入った。 便座に座った男の子は顔に期待張りつかせ、艶々としたぺニスの上に腰を降ろさせた。 まるで喉から内臓が出でくるような圧迫感の直後、やんわりと私の中どこかでのスイッチが入った。 直ぐに身体の奥底で沸き上がるような、甘く堪らない快感に包まれはじめる。 気づくと男の子は私の胸に顔埋め、虚ろな目をしている。 つるるんとしたぺニスの先端が子宮口をノックする度に、例えようのないせつなさが押し寄せる。 私の絶頂を前に男の子が果てらしい。 結合部から不快な音が響く。 不意に、おしっこが流れでた。 かまわなかった。 呆けてしまっている彼を抱きしめて、私は貪りはじめた。 自分の中で、歯車が狂いはじめるのを感じる。 ただ、ただ、まだ、もっと欲しかった。 自分が女であるがゆえに、もう、とっくに錆び付いてしまっていたはずの、深い部分の激しい欲求が扉の向こう側へ飛び出そうと暴れていた。
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2016/08/06 07:00:13(Pi6R1lT7)
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