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平静を装っていたが、カウンターの下ではチャックが全開にされ、硬くなったペニスが顔を出していた。終電もう終わっているだろうか。
側から見れば年の差のあるカップルに、いや、どう見ても釣り合いはない気がする。杏子はこちらを向き右手で頬づえ付きながら、左指先で俺の尿道から溢れる透明な液体を弄んでいる。 「こんな所でこんなにして、いやらしいね」黒目がちな視線。口元は笑っている。見られて興奮するような趣味はなかったはずなのに、杏子に反応されるともっと弄られたい、可愛がって貰いたい、そういう思いと劣情が心に帳を落とした。 この立ち飲み屋に入店したのは二時間ほど前だ。ふらりと入った。すぐ、出るつもりだった。カウンター、数組の客があった。角奥の隅、そこが空いており自発的にそこへ向かった。横にいたのが杏子である。 スーツスタイル、緩やかにウェーブしたロングヘア、仄かなコロンの匂い、近寄りがたいことこの上なかった。 なるべく邪魔しないよう、軽く会釈をしスペースに入った。生とオススメ小鉢。そう告げると店主はボソリと「あいよう」とこちらも見ないで言った。 届いたビール、グラスも冷やしてあり一気に呷る。やりきれない思いや重圧がフワリと軽くなる。 「お疲れ様」グラスを軽くあげた杏子がこちらに話しかけて来た。右を見遣る、杏子の微笑みがあった。「あっ」咄嗟に三分の一程になったグラスを上げ、お疲れ様ですと言いながらグラスを合わせた。 「おつかれみたいね。仕事帰り?」会話は杏子がイニシアチブを握ったままポツポツと進んだ。一人で来ているようだった。昨年独り身に戻ってからは自由に過ごしているらしい。綺麗にしているが、ほどほどに齢を重ねているのが分かる。もうじき50が見えてきたと悲しそうに、笑った。 「彼女はいないの」と言われウソもつけずしばらくいない事を白状した。「こんな可愛いのに、もったいない」言いながら手を握られた。 店内の騒めきが遠のいた気がした。変わるように心の中が静かに騒ついた。優しい手先。目を見れず俯きながら質問に答えた。 話は夜の話に移行していた。「君はサァ、ご奉仕が好きそうな感じよね」簡単に見破られ気恥ずかしくなった。相手が悦ぶ様を見て、ペニスを硬くさせるようなタイプである。 「そんなカレシ欲しいナア」猫撫で声に変わる。いや、女豹か。そんな気がした。 話しながら絡めた指を解くと、杏子は服の上から鎖骨あたり、指先が徐々に上半身を這った。「どこが性感帯かなぁ~」ニコニコと遊ぶように試すようにあちらこちらへジワジワと指先が揺れる。頬づえしたまま、顔を少し傾けた杏子が小悪魔のように見えた。湧き上がる可愛がられたいという気持ち。この先に期待しているのだ。ズボンの前は膨らみを隠せずにいた。 不意に、カリカリカリ、と爪先で乳首を引っ掛かれピクンと反応してしまった。見つかった、と思った。内心早くと思っていた。 「ここね、ふふ」 カリカリと乳首を服の上から弄られ、堪らなくなり、反応しないようにしていた。もどかしさが、より一層の興奮を誘う。 「生追加で」杏子がカウンター奥に声を掛けた。指先が離れ、残念に思った。 目の前にグラスが置かれる。一瞬、店主がこちらを検分するような目線。見られている、そんな気がした。 我々以外の最後の客が店を出た。そろそろ店仕舞いか。残念に思いながら手元の時計を見る。「まだ、お楽しみの途中でしょ」杏子が俺の尻を優しく撫で回した。期待が高まる。 すぐにズボンの前に手が回ってくる。早く、早く触って欲しい。それのことしか考えられなくなっていた。 ジジジ…とファスナーが下され、指先が布一枚上からペニスをさすった。カウンターの上、片手はグラスを持ち、ただの酔った客のフリに徹した。 「パンツはち切れそうよ。それに沁みてきてる。」わざと小さな声で囁いている杏子は、それはとても嬉しそうだった。窮屈極まりないパンツもめくられ、ついにペニスが外気に顔を出した。 店主が「ちょっと片付けするから席を外す」と言い、勝手口から出て行く。絶好のチャンス。 「おちんちんの先、ヌルヌルが止まらないね。」我慢汁を尿道付近に塗りたくり、溢れた分を裏筋にも伸ばした。片手でシャツのボタンを外され、服の中に杏子の手が侵入してくると、硬くなったままの乳首を弾き出した。 頭が、真っ白になる。恥ずかしさと状況の興奮と酔いで、上り詰めて良いのかという気持ちと絶頂を得たい気持ちが綯い交ぜになった。何より杏子に見られ、弄られることが何よりも興奮材料になっていた。 人差し指と親指で輪にした指先が、かり首辺りを行ったり来たりしている。「ここ?ここね?いいわあ」そんな言葉をかけられる。 限界がすぐそばまで来ていた。イキソ、と思わず漏らす。「いいよ、良い子はいっぱい出して」そういうと手の動きが早まった。 しゅっ、しゅっ、しゅっ、シコシコシコシコ…来る! 腰を中心に体全体を震わせ、杏子の優しい手のひらに大量の精液が飛び出した。何度も何度も伸縮をしながらドクリドクリと白濁液が杏子を汚す。 「溜まってたのね。すごい量」手のひらを目の前に差し出すと、嬉しそうに見せびらかしてきた。俺は気恥ずかしさと、どうして良いのかを掴めず俯いた。 「杏子こそ興奮したんじゃないのか?」声の主は店主だった。勝手口が開きながら下衆た表情の店主が現れる。 訳がわからなかった。動揺しながらも、咄嗟に居住まいを正す。 「りょうちゃんこそ、私の動きで気が気じゃなかったんじゃない?」「まあな」ニヤニヤとやりとりをする二人。 「ごめんね、私達の趣味に付き合わせちゃって」 趣味、と言った。 「こうして知らない人とオアソビするのが私達の趣味。興奮してくれた?よければまた、三人で遊びましょうよ」 頭がズンと重くなる。それが状況によるのか射精から来るのか、俺にはもう分からなかった。
2019/11/14 13:19:26(hMy75z2R)
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