当時大学2年の親友の真由は、
とある高級クラブで週に3日バイトをし学生ながら
いい生活を送っていた。
ある日のランチの場で真由は私を軽く誘い・・・
私も同じ町の高級クラブで面接を受けることになった。
履歴書を片手にクラブのドアを開くと、ホールには
弾いてもらうのを手招きするように光沢に満ちた
グランドピアノが飾られてあった。
奥のソファから品のいい、穏やかそうな女性がこちらを
向いた。
「お電話いただいた 郁美さん?」
歳のころは40代前半だろうか・・・
そういうと彼女は優しく微笑んだ。
「はい、少し遅れて申し訳ありません。」
同性としての品格に圧倒されていた郁美は、緊張のあまり
笑顔を作ることだけで精一杯であった。。。
「お入んなさい、どうぞ」
・・・長い歓談の末、郁身の緊張もほぐれ
「一目で気に入っていたの 入店してほしいわ」
その一言で郁美はもうすぐ来る夏休みを前に
ここでのバイトを決めたのである。