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密かな楽しみ38~孝史と香奈~
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:痴漢 官能小説   
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1:密かな楽しみ38~孝史と香奈~
投稿者: 瀬名
───携帯の鳴る音がする。

机の上に置いていた白い携帯は青いランプを点滅させている。

また・・あの男だ・・。
アイツからのメールだ・・・。


香奈は無表情に手に取ると、受信されたメールを確認した。


送信者の名前は無い。
・・・・アイツだ。


──from ──

明日も迎えに行くから。
校門で待ってろ。




香奈は浮かび上がる文字をただ無表情に眺めた。


神村は、あれから毎日のようにメールしてくる。
香奈の携帯から必要な情報は全て手に入れていた。
名前・電話番号・メールアドレス・友人達の情報・・・。

この二週間ほど、香奈は何度となく呼び出され、待ち伏せされ、体を弄ばれた。

もう抵抗もしなくなった。
抵抗したところで、事態が変わることは無いと悟ったからだ。

身を任せた。
神村の言うことに従順に応じた。
生まれて初めて男性器を口に含んだ。
精液の味を知った。
何回も絶頂を強いられた。

神村に体を許している間、香奈は何も考えないようにしていた。
ただ押し寄せてくる快楽に身を任せた。


『・・また・・明日も・・・。』

軽い目眩を感じて、香奈はソファーに座り込んだ。


・・・もう・・いや・・・。
・・・誰か・・助けて・・・。


香奈の脳裏に中村の顔が浮かび上がった。

あの日以来、中村と会話することは無くなった。
時々目が合うと中村はすぐに目を逸らした。


きっと軽蔑してるんだ・・・あんな男についていったあたしを・・・。



・・助けて・・中村君・・・由美・・聡美・・・・・・紗耶香・・。


香奈は膝を抱え、うずくまって、この惨めな状況を嘆き涙を流した。


ふと、顔を上げる。

『・・・そうだ・・あの人に・・・。』


香奈は立ち上がってクローゼットを開けると、赤い革製の鞄の中を探った。

「あった・・。」

四角い厚手の紙切れを取り出す。

卓上灯を点けて書いてある文字を確認する。
携帯の番号が記されていた。


あわてて携帯を手に取ると、記された番号を押して耳にあてた。


呼び出し音が鳴る。

二回・・三回・・五回・・・。

『お願い・・出て・・・。』


十回目のコールの後、留守番電話の音声が流れ出した。

香奈は落胆の溜め息をつき、電話を切ろうとしたが、思い直し携帯に向かって喋り出した。


「岡本です・・・あの・・・お願いがあるんです・・何でもするって言いましたよね?・・・助けて欲しいんです・・明日・・4時半に学校の校門前に来て下さい!お願いします!お願い・・・。」

そう言って香奈は携帯を切り、ソファーに倒れ込んだ。

もう、頼れるのはあの人しかいない・・・。

だけど・・来てくれるだろうか?

もし・・来てくれなければ、もう誰に頼って良いか解らない。

・・・警察・・後は・・それしかない・・・。

そう考えながら、香奈は深い泥沼の底に沈んでいくように微睡み始め、そのまま眠ってしまった。




「ゴメン、聡美。今日さ・・用事があってさ・・部活休むから。」

「うん・・先輩に言っとく・・けどさ・・最近休み多いじゃん?先輩も先生も目ぇつけてるよ?ヤバいんじゃない?そんなに大事な用事なの?」

「・・うん・・でも、今日で終わるはずだから・・・ゴメン・・。」

「アタシは別に何とも思わないけど・・。ねぇ?何かあったの?おかしいよ香奈。ずっと元気ないし・・。」

「ホントにゴメン。もう・・行かなくちゃ・・。」

「・・・香奈・・。」


不安げな顔をする聡美に背を向け、香奈は校門に向かった。


午後4時27分。

校門を出て下り坂を降りていく。
神村の黒いワゴン車が止まっているのが見える。
その周囲に人気は無い。

『・・来てない・・。』

不安に駆られつつ神村の車に近付いていく。

助手席の窓が開いて、神村が運転席から手招きをした。
香奈はドアの前で立ち止まり、周囲を見渡した。
数人の生徒達が歩いている以外は他に人はいない。

『・・やっぱり・・来ない・・・。』

目の前が暗くなる。
最後の望みは絶たれた。
度重なる絶望。


香奈は助手席のドアを開け車に乗り込んだ。



「遅かったじゃん。もう帰ったのかって思ったよ。」

神村は車を発進させながら、まるで恋人に話しかけるような調子で喋る。

『・・帰れるわけ無いって解ってて・・・。』

香奈は、神村の矛盾した言葉に苛立ちを覚え、同時に決して逆らえない自分の惨めな境遇を改めて実感し、そして諦めた。


神村は市街を走り抜けると川沿いの道路に出た。

あぁ・・またあそこに行くのか・・・。

この先にはラブホテルがある。
これで三度目だ。


香奈は窓の外を見た。

日が暮れていくのが早い。
まだ五時になったばかりなのに、日は遠くに見える山陰に入ろうとしている。



もう12月の終わりだもんな・・・もうすぐ冬休みだ・・・紗耶香は・・ずっと学校に来ないな・・・あたしが悪いのかな・・・部活・・辞めようかな・・どうせ・・あたしはこのまま・・・どうでもいい・・・や。



車はホテルの屋内駐車場へ入っていった。

神村はエンジンを切ると車を降りた。
香奈もドアを開け車から出る。
冷たい空気と排気ガスの匂いが体を包む。


地響きのようなうるさいエンジン音が聞こえた。
一台の黒いバイクが目の前で止まり、スーツを着た男がバイクから降りてヘルメットを脱いだ。

「電話くれたろ?学校の前で君が車に乗るのが見えたんで、ついてきてたんだ。」


驚いた顔をする香奈を見て、男は不安げな表情で言った。


「なんだよアンタ?なに?オレの女になんか用?」

神村は、男を睨みつけ近付きながら威圧するように言った。

「どういう・・事なんだ?」

男は神村を無視して香奈に問い掛けた。

神村は男の胸ぐらを掴み、顔を近づけて睨み付けた後、香奈の方へ振り返り大声を出した。

「香奈!誰だよコイツ!オマエが呼んだのか!何とか言えよ!!」

その声に怯えた香奈は、両手で顔を覆い、震えながら俯いた。


「オッサン!何か勘違いしてねぇか?アイツはオレのオンナだ。アンタには関係ねぇだろ!」
神村は男の額に自分の額を擦り付けるように顔を近付け威圧した。


「・・・そうなのか?」
男は冷静な口調で香奈に問い掛ける。




「・・・て・・・けて・・・すけて・・・・・・助けて!!」

香奈は涙をボロボロと流しながらありったけの勇気を振り絞り声を上げた。

神村は驚いて香奈を見た。

その瞬間、神村の体は男から弾かれたように離れ、固いコンクリートの地面に倒れ込んだ。

男は手に持ったヘルメットを振り上げ、尚も神村の顔面を殴打する。

神村の額がパックリと割れて血が吹き出る。

男は手をゆるめず、倒れている神村の腹を蹴り飛ばす。

苦痛に顔を歪め、涙を流し咳き込む神村の長い髪を鷲掴みにすると、男は駐車場の車の影に引きずり込んだ。

「・・いてぇ・・わかった・・やめてくれ・・悪かった・・。」

地面に足を投げ出し、車にもたれ掛かった神村は、すがるような目で男を見ながら懇願した。

しかし、男はすかさず神村の顔面を蹴り上げた。

神村が悲鳴をあげる。

男の拳が神村の鼻を捉えた。

神村の耳には何かが潰れたような鈍い音が聞こえ、それと同時に呼吸が出来なくなった。

必死に息を吸おうとする神村の大きく開けた口からは赤く滲んだ涎がだらだらと滴り落ちている。

男はようやく手を止めると香奈の方へ振り返った。

香奈は目を見開きガタガタと震えている。


男は神村の上着のポケットを探ると携帯を取り出し自分のポケットに押し込んだ。
そして、血と涙と涎で汚れた神村の顔を見て言った。

「もう彼女に近付くな。」

神村は潰れた瞼と鼻を手で押さえ、ゆっくりと頷いた。



「これで・・いいかい?」

男はもう一度香奈を振り返り問い掛けた。

香奈の涙は止まっていた。
しかし、体の震えは止まらず、唇を噛み締め、必死に何かをこらえているようだった。


男は香奈に持っていたヘルメットを差し出し、呟くように言った。

「気が済むまでやればいい。」


香奈はヘルメットを掴むと奇声を上げて神村に駆け寄り、顔面を殴打した。
何回も、何回も・・・。

振り回したヘルメットが神村の頬骨を打つ度に鈍い音がした。


香奈の手が止まる。
肩で息をしている。
止め処なく涙が溢れてくる。


「・・も・・う・・やめ・・て・・。」

両腕で顔を覆い、うずくまって泣きじゃくる神村の弱々しい声を聞いた香奈は、激しい怒りを感じ、その白く細い足を振り上げ顔面を蹴り飛ばした。
神村は地面に倒れ込み、丸まって嗚咽を漏らし始めた。





「・・・ありがとう・・・御座います・・・本田さん・・・。」

「約束したからね・・・。留守電を聞いてびっくりしたよ。」


孝史と香奈は、川沿いの歩道に設置されたベンチに座り、目の前の澱んだ水面を見ていた。


「僕は仕事に戻るよ。また、何かあったら電話をくれ。それが僕の罪滅ぼしだから・・。」


隆史はそう言うと止めていたバイクに跨りヘルメットをかぶった。


「あの・・・さっきの人・・・神村って言う人で・・本田さんの奥さんの・・・。」

香奈は言うべきか迷っていたが、もし警察沙汰になることがあった場合を考え、隆史に知らせた。

「・・・そう。」

孝史は一瞬俯くと、香奈を見てにっこりと笑い、エンジンをかけ、うるさい音と共に遠ざかっていった。

吐く息は白く、体の芯まで凍えるような冷気が吹き抜ける。
街灯の灯りがチラチラと漂う物を映し出している。

香奈は手の平を上に向け、落ちてくる白い粒を受け止めた・・・。
 
2009/06/20 12:51:20(iXaxc4M6)
12
投稿者: りりこ ◆dV1mQWt44k
私も続きを楽しみにしています 最低1日に2回は、続きが投稿されていないかチェックに来てしまいます 頑張って書いてくださいね
09/07/02 09:38 (lgsZ7XAi)
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