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密かな楽しみ27~孝史と香奈~
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:痴漢 官能小説   
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1:密かな楽しみ27~孝史と香奈~
投稿者: 瀬名
「香奈!どうしたの!何があったの!ここを開けて!」
「何でもないったら!ほっといてよ!!」
「何でもないワケ無いでしょ!いいからここを開けて!!」
「もう!うるさい!!ほっといてって言ってるでしょ!!」
「・・・ホントに・・もう。」
そう呟いた母親は溜め息をつき、諦めて階段を降りると、居間でテレビを見てニヤニヤしている父親に向かって怒ったように言った。
「あなた!テレビなんか見てる場合じゃないでしょう!?今日で三日目よ!絶対に学校で何かあったのよ!」

「・・まあ、何だ・・アイツも年頃だし、そりゃあ色々あるだろ。友達と喧嘩したかもしれないし、振られたのかもしれない。今まで反抗期もなく真面目でいい子でいたんだ。少しくらい鬱憤が溜まってたっておかしくない。そっとしといてやれ。明日、まだ部屋から出て来ないようなら俺が話をするから。」
ソファーに座って晩酌をしながらテレビを見ていた父親は、面倒臭そうに姿勢を正し母親の方を向いて冷静な口調で言うと、またテレビの画面へ向き直りビールに口をつけた。

「何だよ。香奈の奴、まだ部屋に閉じこもってんの?」
風呂から出てきた兄が冷蔵庫からビールを取り出しながら言った。
「そうなのよ。あたしたちがいない時にご飯は食べてるみたいだけど・・。ねぇ、お兄ちゃんからも何か言ってよ。」
父親が頼りにならないと感じたのか、母親は台所から居間に向かう兄の後をついて回りながら言った。
「どうせ男に振られたか何かだろ?ほっときゃいいんじゃない?俺らが騒いだって逆効果だろ。」
「それくらいの事ならいいけど・・。」
テーブルにビールを置いて床に座りながら投げやりに言う兄に、母親はまた溜め息をつきながら呟いた。



紗耶香との事があった後、香奈は部屋に籠もり鍵をかけて家族とも会おうとしなかった。
家族が出掛けた後、昼間に食事をとってシャワーを浴び、あとは部屋で本を読んだりネットをしたりして過ごしていた。
なるべくあの忌まわしい痴漢の事や紗耶香の事を考えないようにしていたが、気を緩めると頭の中にそれらの事が浮かび、香奈を苦しめた。

『はぁ・・いつまでもこうしてる訳にはいかないよね・・。』
部屋にある本を片っ端から読んでいた香奈は、最後に残しておいた「海辺のカフカ」を読んでしまうと、ベッドの上で体を起こし呟いた。
『少し気持ちを整理してみよう。』
そう思った香奈は、逃避していた心を現実に引き戻そうと試みた。


あの夜、痴漢に遭った事。
それは恐怖と不快感を体に刻み込んだが、今はそれほどショックは残っていない。
犯された訳でも無く、純潔は保たれている。
時間がたてば忘れる事が出来たはずだった。
しかし、その翌日に紗耶香から受けた陵辱とも言うべき行為が、香奈の傷口を広げ、さらにその紗耶香から自分の恥ずかしい行為、教室での自慰を見られていた事を告げられ、それらの事実が絡み合わさり、結果として他人から性的な行為を受ける事への嫌悪感を抱かせ、香奈の心を深い闇に閉じこめようとしている。
その深い闇は、香奈に自分以外の人間との接触さえ拒ませていた。

何よりも紗耶香に会いたくなかった。
決して紗耶香が憎いわけではないし、恨みなど無い。
客観的に見ればタイミングが悪すぎたのだ。
勿論、香奈には紗耶香に対して恋愛感情など持っていない。
だから同性でのそういう関係には、なれるはずは無いのだが、あの痴漢にさえ遭っていなければ、もっと違う結果になることだって出来たのかもしれない。
しかし、最悪のタイミングでの紗耶香からの告白は、その紗耶香から受けた陵辱により、香奈の心に傷をつけただけだった。
それに自分に恋愛感情を抱いている事を知ってしまった以上、紗耶香を今までと同じように親友として見る事は困難に思えた。


香奈は考えるのを中断した。
いくら考えてみても、気持ちを整理する事が出来ない。
深い闇は香奈の足に絡みつき、この暗い部屋に閉じ込めておこうとする。

香奈はベッドから立ち上がりロフトの階段を降りるとパソコンのモニターの電源を入れ、テレビをつけてソファーに座った。
暗闇の中でモニターが光っている。
画面の中でよく知らないタレントが口を開けて笑いながら何か喋っている。

つまらない・・・。

香奈は立ち上がりモニターの電源を落とすと暗い部屋の中を見回した。

机の上に携帯がある。
二日前に電源を切っておいた。
香奈は携帯を手に取ると電源を入れ、メールの問い合わせをしてみた。

一件のメールを受信した。

『聡美からだ・・。』


-from聡美-

どうしたの?三日も学校休んで。
風邪?
由美も紗耶香も来ないし・・。
アンタたちなんかあったの?
みんな心配してるよ?

あ、そう言えば今日ね、部活が終わった後、中村君と住田君から話しかけられちゃった。
(☆▽☆ )

ヤッターって思ってたらアンタのメアド教えてだって・・。
ぐやじいぃぃぃぃ!!
°・(ノД`)・°・

とりあえずさ、教えちゃったw

メールあるかもよ?

じゃ、早く学校出てきてね!




『・・みんな・・心配してくれてるのかな・・。』

香奈は携帯を閉じると学校の事を思い浮かべた。

日常を取り戻したい。
この鬱屈した気持ちを晴らして、またいつものように学校に行きたい。

そう思い始めた香奈は、一つの決断をした。
『もう・・今までの事をリセットして、変わろう。済んだことを悔やんでも仕方ない。前に進まなきゃ。あたし・・変わろう。そしたら、なるようになるよ。』


香奈は携帯を開くと聡美に返信した。



-from香奈-

心配かけてゴメンね。
明日までは休むけど、明後日から学校に来ます。


メールありがとう。
 
2009/03/12 12:20:06(MKvA/G1J)
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