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1:密かな楽しみ25~孝史と香奈~
投稿者:
瀬名
『いや・・やめて・・お願い・・紗耶香・・やめて!』
香奈は心の中で叫び、紗耶香の肩に手を掛け、力を込めて体を引き離すと仰向けのまま横を向き紗耶香の唇から逃れた。 「やめて・・おかしいよ・・こんな・・あたし・・・。」 香奈は紗耶香の肩から手を下ろすと、布団の表面の布地を握り締め、横を向いたまま小さな声で呟いた。 一瞬の沈黙の後、香奈の顔の両側に手をつき馬乗りになっている紗耶香が抑揚のない小さな声で喋り始めた。 「・・好きなの・・ねぇ香奈・・好きなの・・ほんとに・・ほんとに・・ほんとに・・好きなの・・・ツラくあたったのも・・具合が悪かったんじゃない・・生理なんかじゃなかった・・ほんとに・・好きでたまらないの・・・こんなに・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・・。」 まるで、壊れた機械の様に同じ言葉を繰り返す紗耶香を香奈は横目で見た。 その顔は、感情をどこかに忘れてきたように表情が無く、目は虚ろで焦点が合っていない。淡い色の僅かに塗れた唇が規則的な動きをしながら、白い頬の両側を涙がつうっと走り、途中で水滴を作ったかと思うと、香奈の左の頬に落ちてきている。 ふいに紗耶香の目尻が少しだけ下がり、虚ろなままの目に笑みが浮かんだ。 紗耶香は、香奈の耳に僅かに触れるくらいに顔を近づけると、無表情な、しかし小さく優しい声で囁いた。 「アタシ・・知ってるんだよ・・香奈が・・教室でしてたこと・・。」 耳に僅かに紗耶香の唇の感触を感じながら、その言葉を聞いた香奈は絶句した。 『見られた!?見られてた!!』 香奈は、あの時の行為、誰にも見つかるはずのなかった教室での甘美で背徳の自慰行為を紗耶香に見られていたことを知り、血の気が引くような感覚と共に全身がこわばっていくのを感じ、恥ずかしさのあまり両手で顔を覆った。 『恥ずかしい!・・見られてたなんて・・そんな・・あんなとこを・・ヒドい・・言わないで・・!』 横を向いたままの香奈の目からは涙が溢れ、目の縁を通ってこめかみにつたい、布団を濡らしていく。 「・・アタシ・・香奈が何をしてても・・どんなことをしてても・・好き・・・好きなの。香奈の為だったら何だってする・・何だってしてあげられる・・・ねぇ香奈・・好きなの・・誰よりも・・だから・・あんなこと・・しなくったっていいんだよ・・・アタシが・・してあげるから・・。」 紗耶香は、香奈の両腕を掴み香奈の頭上に押さえつけ、首筋に唇を這わせた。 その湿った唇は、香奈の首筋から胸元へ僅かな唾液の跡をつけながら移動していき、はだけたパジャマから覗く肌に到達した。 香奈は、体を這う紗耶香の唇の感触に鳥肌がたつような感覚を覚え、しかし、その柔らかな感触は無意識に香奈の体を熱くしていく。 抵抗しなければいけないのだが、先程の紗耶香の言葉に激しい恥辱を感じ、まだ頭が混乱して体が動かない。 乳房にに柔らかい感触を感じた。 下を向くと、パジャマのボタンは外され、下着を取られようとしていた。 紗耶香の手は、既に香奈の腕から離され、左手で香奈の乳房を愛撫しながら、右手は背中に回りホックを外そうとしている。 『やめて・・紗耶香・・やめて・・お願い・・もう止めて。』 香奈は必死に心の中で懇願するが、声は出ず体は硬直したように動かない。 ホックが外され乳房が露わになった。 紗耶香はその先端に唇を這わせ、吸い付き、口の中で舌を動かし刺激する。 左手はもう片方の乳房を撫でるように動かし、時折固くなった先端に触れている。 その唇と手の動きに、香奈の体は静かに反応し、柔らかな布団の布地を握り締め、僅かに足を動かし始めた。 快感など感じていない。 感じるわけがない。 香奈は紗耶香の愛撫に嫌悪感すら抱いていた。 だが、体は意識とは関係なく感じ始め、股間から熱いものが溢れてくるのが解る。 紗耶香は抵抗をみせない香奈の体を愛撫し続けた。 一心不乱に乳房や腋の下、腰、腹部を舐めまわし、手は上半身をまさぐり続けている。 香奈は、ずり上げられたブラジャーで視界を半分遮られながら、自分の腹部に唇を這わせる紗耶香を見た。 髪で隠れて表情は見えないが、顔が紅潮しているのが解る。 『!!』 下腹部に手の平の感触を感じた。 と同時に、パジャマのズボンに手が掛かり、するすると下ろされ始めた。 『いやっ!!いやっ!!』 香奈は飛び起きてズボンを掴もうと手を伸ばした。 しかし、伸ばした手は紗耶香に掴まれ、肩を突き飛ばされてベッドに転がされると、信じられない程の力で片足を持ち上げられ、ズボンを引き抜かれた。 香奈は、驚きと恐怖に両手で顔を覆った。 紗耶香は香奈の足の間に体を入れ、右手で股間を触り始めた。 下着の上から指で陰部をなぞり上げられ、その指がクリトリスにあたる。 香奈の股間は既に濡れていて、指が割れ目をなぞる度にヌメヌメとした感触と陰部がこすれあう湿った音がした。 気持ち良くなんかない。 なのに、股間は刺激される度に濡れそぼり、白い飾り気のない下着を汚していく。 太ももに唇の感触がする。その感触は段々と内側に移動し、登ってくる。 『もういや!!もうやめて!!触らないで!!そんなとこに口をつけないで!!』 足の付け根に吐息を感じた瞬間、紗耶香の唇は股間に到達し、柔らかい唇が下着の上から陰部を這い、固く尖らせた舌がクリトリスを刺激した。 香奈はその刺激に一瞬腰を浮かせた。 その時、香奈の脳裏に昨日の出来事が蘇った。 無理やりに体を弄られ、固く反り返った性器で股間を擦られ、精液をかけられた忌まわしい記憶。 「やだ!!もうやめて!!触らないで!!」 香奈は大きな声で叫ぶと、体を起こし、股間に顔を埋めていた紗耶香の肩を蹴り飛ばした。 紗耶香はベッドから跳ね飛ばされ、床に尻餅をついた。 「いやっ!!いやなの!!あたしに触らないで!!」 香奈はベッドの上で両腕で乳房を隠しながらうずくまり叫んだ。 紗耶香は座り込んだままずるずると壁の方へ後ずさりすると、壁にもたれかかりアンティーク人形のように無表情に両手両足を投げ出し香奈を見つめた。 部屋の中は静まり返り、香奈の泣きじゃくる声だけが響いている。 時折嗚咽を漏らし、大粒の涙を流す香奈を、ただ呆然と眺める紗耶香。 髪はクシャクシャに乱れて顔の半分を隠し、制服のブレザーは右肩がずれ落ち、短いスカートは半分ほど捲れ、足の付け根から下着が覗いている。 「あ・・あ・・アタ・・シ・・ごめ・・こんな・・また・・また・・またこんな・・こと・・・。」 紗耶香はゆっくりと立ち上がると怯えるように急いで鞄を拾い上げ、香奈の方を見ながら後ずさりした。 紗耶香の左足が下の部屋への階段にかかる。 「いや・・いや・・アタシ・・こんなことするつもりじゃ・・・いや・・・・イヤァァアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」 甲高い叫び声を上げながら、紗耶香は階段を駆け下り、香奈の家を飛び出していった。 香奈は、ベッドの上にうずくまったまま泣きながら叫んだ。 「なんで!?なんであたしばっかりこんな目に遭うの!?なんで!!なんでよ!!・・・なんでよぉ・・・。」 天窓からは夕日が差し込み、乱れたベッドを照らしていた・・・。
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2009/03/03 14:39:13(v9vLINoS)
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