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密かな楽しみ10~孝史と香奈~
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:痴漢 官能小説   
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1:密かな楽しみ10~孝史と香奈~
投稿者: 瀬名
香奈は無我夢中で自転車を走らせた。
夜の冷たい空気が頬にあたるが香奈には何も感じない。
ただ夢中でペダルを漕ぐが足に上手く力が入らない。
とても悪い事をした後の罪悪感、取り返しのつかない事をした時の後悔、そして求めていたものが手には入ったような達成感と背徳感が胸の中で渦巻き、複雑に絡み合う感情が顔の皮膚をジンジンと焼き、手足を震えさせていた。

そんなつもりは無かった。
ただゆっくりと通り過ぎる刹那に車内を覗き、行われている行為を確かめるだけのつもりだった。
しかし香奈の体はそれを許さず、無意識ではあるが、大胆にも立ち止まり、車内を、その男の行為を、反り返ったペニスを凝視していた。

『あたし何であんな・・・見つかっちゃったよぅ・・・目が合っちゃったよぅ・・・。』

今はただ、自慰行為をしていた男に見つかってしまった恐怖の為、一刻も早くあの車から遠ざかりたかった。


どれくらい走ったろうか、香奈は後ろを振り返った。
あの車はもう見えない。
追い掛けてくる気配も無い。
香奈はスピードを緩めた。
「・・・はぁっ・・!」緊張から解放され、安堵の溜め息をついた。
それ程走った訳では無いが、軽い疲労感が襲ってきた。
鼓動は相変わらず速い。
頭皮と腋の下がヒンヤリとする。大分汗をかいているようだ。

ふと前方を見ると、交差点の横断歩道脇にある信号機のそばで紗耶香と由美が待っている。
「香奈ぁ~!お~そぉ~い~よぉぅ!」
相変わらずの口調で由美が叫んでいる。
『そう、これが私の現実。さっきの事が夢みたい。』
香奈は友人達の顔を見るとほっとした。
「なぁんで遅いのよぉ。て言うか後ろ見たらいないし~。」
「ご・・ゴメン!あの・・鞄・・落としちゃって。拾おうと思ったら転んじゃって・・それで・・遅くなっちゃって・・・。」
香奈は、まさか先程の出来事を話す訳にもいかず、思いつく精一杯の言い訳をした。
「大丈夫?ケガしてない?」
紗耶香が心配そうに香奈の顔を覗き込んだ。
「え・・あ・・うん!大丈夫だよ。ケガも無いみたい。」
慌てながらも紗耶香に笑顔で答えた。
「そう?なら良かった。・・・でも香奈、顔真っ赤だよ?」
紗耶香にそう言われて、香奈は自分の頬を触ってみた。
熱い。
先程の興奮がまだ冷めていない。
香奈の頭の中にさっきの出来事の一部始終が蘇る。
下半身を露出し、勃起して反り返ったペニスを自らの手で上下に扱き、射精を迎えた男性の自慰行為。
振り返った男の顔。

「どうしたの?ボーっとして?ホントに大丈夫?」
紗耶香の声で我に返った香奈は
「あ、ゴメン。考えごとしてた。」
と返すが、友人の前で淫靡な回想をしていた恥ずかしさから、まともに紗耶香の顔を見ることが出来なかった。

「じゃあアタシ帰るねぇ~。バァイバァ~イ。」由美はこちらを振り向かず手だけを降りながら走り出した。

この交差点で由美とは帰り道が別れる。
紗耶香と香奈は横断歩道を渡り自転車を走らせた。
「ねぇ香奈。具合悪いんだったら今日はもういいよ。」
その一言で、紗耶香の相談の事を思い出した。
「大丈夫だよ。ゴメンね、心配かけて。」
香奈は平静を振る舞い笑顔で紗耶香に答えた。
「ホントに?じゃあ、香奈ん家に寄るね!」
嬉しそうに紗耶香が答えた。

香奈の家は、住宅街の外れの新興住宅地にある。
香奈が小学校の時に両親が購入した。
決して大きくは無いが、二階建てで小さな庭があり、香奈の部屋にはロフトもついている。
「うわぁ。いいなぁ。一戸建て。アタシんちなんかアパートの狭~い部屋だかんね~。うらやましいわ~。」
「・・・なんか、話し方がオバサンみたいだよ。」
紗耶香の言葉に香奈が返すと二人して笑った。

出迎えた母親が、香奈が初めて友達を連れてきたと大喜びして紗耶香にひっついてきたので、二人は早々に香奈の部屋に向かった。

「へぇ~ここが香奈の部屋かぁ~。カワい・・・て言うか・・・シンプルな・・・部屋ですなぁ・・・。」
確かに香奈の部屋は、飾り気も無く、おおよそ年頃の女の子の部屋には見えなかった。
部屋の隅に勉強机があり、その隣にパソコンを置いたOA机、備え付けのクローゼット、二人が座れるくらいのソファー、そして全身が辛うじて映るくらいの鏡。
壁にはカレンダーが貼ってあるだけで装飾のためのモノは何一つない。
六畳くらいの部屋だが何もないので広く感じる。
素直な紗耶香の感想を聞いた香奈は笑いながら、「あたしそういうの無頓着だからね。紗耶香の言うとおりだよね。」
と言った。
紗耶香はハッとして慌ててフォローした。
「あ・・あのね、そんな意味じゃなくてね・・ほら・・なんつーの・・そう、カッコいいって言ったの!」
慌てる紗耶香に香奈は寂しそうな顔をして言った。
「そんなに気を使って話さないでよ。あたし、紗耶香や由美とは何も気にせずに話し合いたいの。そんな友達いままで出来なかったから。だから、遠慮なんかしないでよ、ね?」
紗耶香は香奈の顔を見つめた。どこか影のありそうな知的で端正な顔だち、うつむいた瞼から今にも涙が零れそうに見える。堅く閉ざされた淡い色をした唇を見たとき、紗耶香は思わず呟いてしまった。


「好きだよ。香奈。」
 
2009/02/11 00:53:13(a4v834sX)
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