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密かな楽しみ17~孝史と香奈~
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:痴漢 官能小説   
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1:密かな楽しみ17~孝史と香奈~
投稿者: 瀬名
「おはよう紗耶香。」
香奈は、家の近くの公園で自転車を停めベンチに座って待っていた紗耶香に声をかけた。
「あ・・おはよう・・。」
紗耶香は香奈の方を見ると、すぐに目をそらして返事をした。
その紗耶香の不自然な態度を疑問に思った香奈は、何か居心地の悪さを感じながら尋ねた。
「どうしたの?なんか・・・いつもと違うよ。」
「え?・・あ・・うん?何でもないよ!まだ眠たいみたい。」
紗耶香は笑って答えたが心なしか頬は赤く、目が泳いでいる。
『なんか・・へん。』
怪訝な顔をして紗耶香を見ていると、紗耶香は立ち上がって自転車に跨り、
「早く行こ!遅れるよ?」
と言ってさっさと自転車を漕ぎ始めた。
ワケの解らない香奈は黙って紗耶香の後ろをついて行く。
今日は朝から天気が良い。陽気で暖かい日差しが気持ちいい。時折吹く風は冷たいが、過ごしやすい日になりそうだ。
香奈は紗耶香の後ろにピタリとついて自転車を走らせた。
紗耶香のスカートが風に揺れパタパタと靡いている。
短いスカートから伸びた白い足が、朝の日差しを受けて尚更白く見える。

右の角にスーパーがある交差点に近づいた。横断歩道を渡った所で由美が待っているはずだが姿が見えない。
二人は歩道の端に自転車を停め、跨ったままで由美が来るのを待った。

「由美、おそいね。」
香奈は由美が来る方向を見ながら呟いた。
「ホントだね。いつもだったら先に来て待ってるのに。」
紗耶香も香奈と同じ方向を眺めながら答えた。
「由美ってさ、なんか不思議な感じがするよね。何て言うかさ、つかみ所がないって言うか・・そんな感じ。」
香奈は、由美の事を思い浮かべて言った。
「そうねぇ。アイツさ、喋り方は何か不器用な感じだけど、喋り出したらとまんないし。でも、ぜんぜん喋らないで自分の世界に入り込んでる事もあるし。」
紗耶香は前屈みになりハンドルに腕を載せ、その腕に顎をついた姿勢で答え、それから香奈の方を上目使いに見ると続けて口を開いた。。
「でもさ、香奈は由実と同じ中学だよね?アタシより由実とつき合い長いんじゃない?」
「う~ん。話すようになったのは高校に入ってからだから。中学の時は同じクラスになった事も無かったし、由実はテニス部だったし。」
「ふ~ん。」
あくびをする猫のように目を細めて前方をぼんやり眺めながら頷いた紗耶香の表情からは、先程の居心地の悪さは消えていた。

「来ないねぇ・・。」
「来ないね。」
そろそろ行かなければ遅刻してしまう時間だ。
「先に行こっか。遅刻しちゃうもん。」
そう言って紗耶香はペダルに足を乗せると自転車を進ませ始めた。
「メールくらいくれてもいいのにね。」
そう言いながら香奈は、また紗耶香の後ろについてペダルを漕ぎ始めた。


午前中の授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。クラスメート達は机をひっつけたり購買部に向かったり、各々が昼食の用意を始めている。
いつもなら香奈は隣の席の子達と昼食を共にするのだが、教室の窓から見える空があまりにも青く、秋の太陽がポカポカと地面を照らしていたので、紗耶香と由美を誘って中庭に行く事にした。
弁当の入ったバッグを持ち紗耶香と由美のクラスに向かい、廊下から紗耶香達の教室を覗いてみると、紗耶香は既にクラスメート達と談笑しながら昼食を始めていた。
由美の姿を探してみるが見当たらない。
「しかたないや。」
そう呟くと香奈は一人で中庭に向かった。


何人かの生徒が花壇の縁や芝生の上に座って昼食をとっている。
銀杏の木の下にあるベンチが空いていたので、香奈はそこに座ってバッグから小さな弁当箱を取り出して膝の上に置き、手を合わせてから食べ始めた。
空気は冷たいが、柔らかい日差しがポカポカと照りつけて気持ちがいい。
香奈は毎朝母が作ってくれる弁当の味を噛み締めながらゆっくりと箸を口に運んだ。

「よぉ、岡本!一人で昼飯?」

声を掛けられた香奈は弁当から視線を前方に移す。日差しを背にし、にこやかに笑みを浮かべた中村がいた。
その隣には黒い縁の眼鏡を掛けた長髪の男子。
香奈のクラスメートで住田という男子だ。無表情であまり活発に見えないが中村と同じサッカー部。この二人は仲がいいらしく何時も一緒にいる。

「ここ、座っていい?」
中村は香奈の隣を指差しながら聞いた。
「え・・あ・・あの・・うん・・。」
戸惑いながら小さい声で返事をする香奈の両脇に中村と住田はストンと腰を降ろすとカバンからサッサと弁当を取り出し勢い良くムシャムシャと食べ始めた。
両隣を男子に挟まれた香奈は慣れない状態に恥ずかしくなって、なかなか箸がすすまない。
そんな香奈の事など気にかける様子もなく、二人はモグモグと口を動かしあっと言う間に弁当を平らげてしまった。
香奈は顔を赤くし、左手で口元を隠しながら少しずつ箸を口に運んだ。
その間、中村と住田は香奈を通り越して会話をしていた。
香奈が食べ終わり、空になった弁当箱をバッグになおしていると中村が話しかけてきた。
「なぁ岡本、今日は何で一人?クラスのヤツらとケンカでもしたん?」
「あ・・いや・・天気いいし・・外が気持ちよさそうだったから・・・。」
「へぇー、そうなん。あのさ、岡本ってさ、何かこう・・独特の雰囲気あるじゃん?クラスのバカ女子とは違ってさ。あ、バカって言ったの内緒ね。だからさ、馴染めないのかなぁって。」
「そんなことないよ。それにあたしは普通だよ。」
相変わらず明け透けに話をする中村に感心しつつも、自分が中村からそういう風に見られていることを知って驚いた。
「普通かぁ。何が普通なのかはよくわからんけど、岡本はやっぱり特別だよ。なんだろな、惹きつけるっていうか・・・。岡本は気付いて無いかも知れんけど、クラスの男どもはみんなオマエの事が気になってるんだぜ?」
「え・・ええっ!?うそっ!!・・って、そんなワケ無いよ。からかわないでよ。」
思いもよらない中村の言葉に顔を赤くし、一瞬驚いた香奈は、からかわれていると思い、少しムッとして答えた。
「何怒ってんだよ。俺、嘘は言ってねーよ。まぁ聞けよ。オレはさ、岡本がさ、いつもつまんなそうにしてるしさ、何か自分を低く見過ぎてるっていうか、自信なさそうに見えるし、それに、最近小出がオマエんとこに来なくなってからさ・・まぁそれは多分オレのせいだけど・・・寂しそうに見えたんでさ、元気出るかなって思って言ったんだよ。」
中村は、前屈みになって膝に肘をつき首を曲げて顔を香奈の方に向けながら、諭すように言った。
『・・うそばっかり。でも、あたしの事気遣ってくれてるんだ。』
香奈は中村が言った男子達の話には何ら信憑性を感じなかったものの、自分を心配してくれる気持ちが嬉しくて、心の中が晴れていくような気持ちになった。

「中村君、ありがと。でも元気ないわけじゃないし、あたしは自分の事よく解るから・・。」
「オマエ解ってないよ。だってさ、コイツとかいつもオマエばっか見てんだぜ?コイツお前のコト好きなんだって!」
中村は急に立ち上がると香奈の前でニヤケながら住田を指差して言った。
「バカ!おまえ!いきなり・・なに言ってんだよ!?言うなよ!!」
それまでずっと黙って香奈の隣に座ったままだった住田は、中村の思いもよらない言葉に驚き、立ち上がると真っ赤な顔をして香奈をちらりと見ると中村に掴みかかろうとした。
中村は住田の手をヒョイとかわし、
「あ!ゴメーン住田君。バラしちゃったー。」
と言って走り出した。
「まてコラ!オマエ!」
住田はそう叫んでからバッグを拾い上げ中村を追いかけようとしたが、香奈の前で立ち止まり普段のポーカーフェイスを崩して、
「岡本!今の冗談なんだ!アイツの冗談!!本気にしなくていいから!!」
と慌てながら言った。
「ははっ。うん、解ってるよ。」
香奈は二人のやりとりが可笑しくて、笑いながら答えた。
住田は香奈の笑顔を見て照れ笑いを浮かべながら、しかし一瞬寂しげな顔をすると中村を追って走り去っていった。

紗耶香や由美と話す意外でこんなに気持ちよく笑えたのは初めてかもしれない。そう思い、香奈は口元を緩めながらベンチに座ったまま目を閉じて背伸びをした。
両腕を上に向けて背伸びをしたまま目を開けると校舎の窓からこちらを見ている紗耶香が見えた。
香奈は紗耶香に向かって大きく手を振ったが、紗耶香は手を胸の前で小さく少しだけ振ってから窓から離れ見えなくなった。

『どうしたんだろ?今日は朝から変だな。』

香奈は立ち上がるとカバンを肩にかけ教室へ戻っていった・・・。
 
2009/02/24 23:52:07(i4IhWdjv)
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