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1:真昼の幻夢
奇妙なメールだった。
普段のくだけた感じとはまったく違う、 待ち合わせ場所と時間だけのメール。 その場所と時間も、全く意外なところだった。 初めて知美と出逢う。。。 真昼の幻夢のようなその日は、 こうして始まった。 知美と出会ったのは、或る無料のアダルトサイトだった。 巨大なそのサイトの官能小説投稿欄で、 僕はいくつかの痴漢体験をもとに、拙い短編小説をアップしていた。 そこに感想を寄せてきたのが知美だった。 アドレスが載っていたので、僕が返信したのをきっかけに、 メールのやり取りが始まった。 22歳の家事手伝いという境遇、 秘めた痴漢願望や露出願望がありながら、 表に出ることの余りない生活。 そんな彼女のプロフや願望から、 彼女を主人公にした、陵辱的痴漢小説を僕が書いたり・・・、 メールだけとは言え、結構濃密な関係が続いていた・・・。 川崎市と横浜市の境付近、 臨海部の埋立地には、戦前から巨大な工業地帯が広がっていた。 財閥が資金を出資し、その臨港地区の交通手段として施設した鉄道。 それは後に国有化され、さらに国有鉄道の分割民営化を受けて、今日に至っている。 もっとも今日では、送迎バス等の手段もすっかり確立した上に、 工場の無人化も進められた結果、 平日朝夕の一部の列車を除いては、 ほとんど数えるほどの乗客しかいない、 大都会の中のローカル線となって、 無人駅化や列車のワンマン化など、 合理化も行き着くところまで進められていた。 その中の某駅。 支線のまた更に枝線の突端、 海に面した岸壁の上に張り付くような駅が、 知美の指定した場所だった。 8月、お盆休みの最中の日曜日。 昼を少し過ぎた時間だった。 晴れ渡るでもなく、重く雲が立ち込めるでもない、 中途半端な空の蒸し暑い夏の午後。 全てが休止し、廃墟のようになった臨港地帯。 やたら音ばかり大きく、効いているのかどうかもわからないような、 かえって暑苦しい冷房のうなる旧式な電車には、 ワンマンの運転手以外、僕しか乗客はいなかった。 電車を降りた僕を待っていたのは、 数日の操業休止では取り戻せない、 まだ澱のように淀んだ工業地帯の匂いを残した、 纏わりつくような湿った空気だった。 薄曇りの空には、太陽が輪郭だけを見せて、 雲に包まれた下界の空気を、暑くむせかえらせようとしている。 ホームの柵に手をかけると、下はすぐに海だった。 半分死んだような海の、腐臭の混ざったような潮の香り。 水はまるで、ヌルリと粘度を持っているかのように、 重たそうに濁っている。 風が吹かない・・・この場所は今、死んでいるのだ。 折り返しまでの間、乗ってきた電車が冷房を切ると、 一層「虚無」を感じさせる静寂があたりを包む。 運転手はけだるそうに、まるで僕が見えないかのように、 無関心に横を通り過ぎて、反対側の乗務員室へ消えていく。 周囲を見回しても、どこにも彼女の姿は見えなかった。 僕は途方に暮れていた。 駅を出ても、そこはいきなり巨大な電機メーカーの工場敷地。 時間を潰せるコンビニや本屋はおろか、 人の営みを感じさせるものは皆無の場所で、 その海に面したホーム以外、 僕の居場所はなかった。 やがて、静寂を破るように再び電車の冷房がうなりだす。 僕をホームに残したまま、かすれた警笛をならすと、 1人の乗客もいない電車は、ゆっくりと走り去ってしまった。 汗が噴出してくる。 そのとき・・・微かな風。 ・・・そして、 人間の匂いがした。 腋臭のような、汗ばんだ、 しかしエロティックな匂い。 微かに、風にのって、僕の鼻腔に感じたのだ。 ふと、改札の方向に目を向けると、 1人の女性が立っていた。 どこから現れたのだろう? まだ少女の面影を残したような端正な顔。 無彩色な辺りの風景に不似合いな、 淡いレモンイエローのミニワンピース。 少し肉感的な二の腕と、ワンピースの裾から覗く張りのある太腿。 清楚な顔立ちや衣服と、その肉体とのアンバランスが、 どこか官能的な女性・・・。 それが知美だった。 ゆっくりと、何もいわず、表情も変えず、 僕に近づいてくる。 僕のすぐ横までくると、 向きを変え、並んで海を見る。 また風が吹いた。 知美の髪の毛が滑らかにそよぎ、 いい香りが鼻に入ってくる。 でも、しかし・・・、 風が止むと、あの「人間の匂い」が、 残り香となって僕を妖しい気持ちへと誘い始めた。 無言のまま・・・時間が過ぎる。 何を話せばいいのか、何から切り出せばいいのか、 それがわからなかった。 だから無言のまま・・・時間が過ぎていった。 知美が手すりに腕を乗せて、 海のほうに身を乗り出す。 腋が開くと、煽情的なあの匂いが、 強まったような気がした。 やがて、彼方からかすれた警笛の音。 ホーム下の線路に微かな振動が伝わってくると、 遠くから電車が車体をゆっくり左右に揺らしながら、 陽炎の中を近付いてくるのが見えた。 鈍い金属音を伴って列車が停車する。 空気の漏れる音と共にドアが開くと、 知美はゆっくりと向きを変え、 電車の中へと乗り込んでいく。 後に続く僕・・・。 無言のままの知美に、どうしたらいいのか戸惑う僕。 知美が腰をおろした席の隣に、僕は座る。 すると知美は、それを拒否するように立ち上がった。 ゆっくりと、僕の向かいの席に移る。 僕の目を、妖しい光をたたえた眼で見つめたまま、 正面に腰を下ろした。 相変わらずうなるだけで、 涼しいのかどうかもよくわからない車内の冷房の音、 不快な空気をかき混ぜるように、 枠の歪んだ古びた扇風機が回っている。 どうやら乗客がいれば、折り返し時間も冷房は止めないらしい。 扇風機の首振りに合わせて規則的に、 知美の髪が微かにそよぐ。 規則的に・・・、 運ばれてくる匂い・・・。 知美は僕の向かいで、 両手をダラリと体の横に弛緩させたまま、 健康的な張りのある太腿を座席から投げだしている。 明るい車内、ワンピースの奥は、 陰になりきらずに、否応なく僕の目に飛び込んでくる。 肉付きのいい両腿が合わさるむっちりとした姿態。 合わさった肉に隠されたその奥は・・・? そう夢想したとき、それを見透かしたかのように、 知美は少しだけ脚を開いた・・・。 白い布地の一部が僕の目を射る。 それはまだほんの少ししか見えてはいなかったが、 僕の鼓動は急に高まり、 下半身にむず痒い感覚が膨らんでいく。 不意に、何の合図もなくドアが閉まり、 ゴトリ・・・と電車が動き出した。 車窓の工業地帯が、少しずつ流れを速めていく。 とは言え整備の行き届かない線路に旧型の車両、 出せる速度はたかが知れていた。 それでも車内は大きく揺れ始める。 誰にも握られる事の無いつり革が、 大きく左右に揺れている。 その揺れに合わせて・・・。 少しずつ、知美の脚が開いていった。 合わさっていた両腿の間が開かれていく。 純白だった。 縁にささやかなレースをあしらっただけの、 純白の素朴なショーツが露わになっていく。 知美の眼が、僕に命令していた。 「目を、、、逸らすな」・・・と。 一つ目の駅。 誰も乗ってこない。 知美の両脚は大きく開いている。 ショーツに包まれた股間。 その中心部に・・・、 小さな染みが広がり始めた。 知美は両手で座席の前端を掴むようにして、 少し腰を浮かせるような姿勢になった。 脚を開いたまま、 臍の下辺りの筋肉がヒクヒクと動くのがわかる。 知美は自ら蠢いているのだ。 濡れた瞳で僕を捕らえたまま、 秘所をヒクつかせる妖しい女・・・。 一見した印象からは意外なその嗜好が、 より一層エロティックな気配を高めていく。 そしてあの・・・匂い・・・。 今では確かに、 知美の身体から発せられていると確信できた。 彼女の高ぶりと相乗して、その匂いは濃密になっていったからだ。 知美の中心の染みは、 見る見るうちに大きくなって、 やがて染みが全体に広がり、 境界を曖昧にしてしまう程に濡れていく。 電車は臨港地帯を抜け、街中に入ってくる。 駅から幾人かの客が乗車してくる。 半ばスラム化したような街から乗ってくる、粗野な気配の男達。 無論ガラガラの車内で、誰も知美や僕の近くに来るものはいなかった。 しかし、ミニのワンピースから太腿を露わに開いた知美は、 離れてはいても、他の乗客の好奇の目に晒されていた。 蒸し暑い昼下がり、壊れかけた街・・・。 男達の弄るような視線・・・。 知美は一層・・・発情した。 終点の一駅手前、 国道を跨ぐ小さな高架駅で知美は席を立った。 慌てて後を追う僕。 アーチ型の架線柱が架かる、緩くカーブしたホーム。 下りたのは僕と知美、二人だけだった。 階段を下りていくと・・・。 かつての臨港鉄道の栄華を偲ばせるような、 高架下のアーケードが現れた。 とはいえ、開いている店は、 なにやら怪しげな煮込みを食わせるような赤提灯が一軒、 表にテーブルを出し、昼間から労務者風の男たちが、 コップで焼酎をあおっているだけで、 あとは正にゴーストタウンのように、 煤けた扉を閉ざした廃店舗が並んでいるだけだった。 先に立ってアーケードを奥に進む知美、 引き込まれるように続く僕。 酒を飲む男たちの視線が、後ろから刺さってくるのがわかる。 奥に進むにつれ、薄暗く、知美の輪郭が曖昧になる。 それに反比例するように、排泄物と黴臭の混じったような匂いが強まる。 水銀灯の照明は明るいはずなのに、 指向性の強い光は真下ばかりを強烈に照らし、 周囲に澱んだ闇を創りだしていた。 アーケードの中程、一軒の廃店舗の前で、 知美は足を止めた。 バッグから古びた鍵を取り出し、扉に差し込む知美。 軋んだ音とともに扉が開き、知美が中に消えていく。 遠くの男たちが興味深そうにこちらを注視している。 知美の消えた扉の前に立ち、 そっと取っ手を押し込んでみる。 再び、辺りを憚るような軋み音とともに、 中の様子が目に入ってきた。 薄暗い室内、 何脚かの椅子の前に、 鏡と洗面台が並んでいる。 どうやら理髪店のようだった。 時が止まったように、埃を被り、 人間の営みが消えてからの、 長い時間の経過を物語っていた。 だが・・・、不思議なことに・・・。 一番奥の一脚だけが、何故かきれいに埃を払われたいた。 その前の洗面台と鏡も、 そこだけが磨かれていた。 そして、 その横に、知美が立っていた。 先程の、電車の時と同じように、 妖しい視線で僕を捕らえたまま、 知美はその椅子に腰をおろす。 一歩一歩、確かめるように薄暗い中を近づいていく僕。 知美の座った椅子の後ろに立つ。 鏡の中に映る僕と知美・・・。 奇妙な違和感があった。 その一枚だけ磨かれていた鏡。 他の鏡は、ガラスの裏に塗られた反射材が、 隅のほうから剥げかかって、 時代を物語っているのに、 知美の前の鏡だけは、 濁り一つなく、新品のように、 僕たちを映し出している。 他の鏡よりも深く黒っぽい反射・・・。 その奥に、別の漆黒の空間が、広がっているような、 そんな感じがしたのだ。 僕は想像した。 知美は誰かに調教されている。 僕を誘い、この場所で、 鏡の向こう側の自分の飼い主に、 淫らな自分を見てもらうために、 こうしてここに座っているのではないか? いや・・・きっとそうに違いない。 あらかじめ清められていた一人分の理髪台、 知美が持っているとは思えない、こんな場所の鍵。 そうなら全て納得がいく。 そして・・・それを確信に変えるものが目に留まった。 洗面台の上に、今、用意されたばかりのような、 真新しい剃刀、そしてシェービングクリームのスプレー缶。 鏡の前で、僕が知美に何をして欲しいかを、 それは訴えかけていた。 ならば・・・。 僕は少しサディスティックな気持ちになった。 もう今さら、知美と言葉を交わす気もなかった。 鏡の横、古ぼけたスイッチが見える。 電気は生きているのか? 黒いスイッチのつまみを上へカチリ、と上げると、 まるで知美にスポットをあてるように、 鏡の上の照明に灯が点った。 無言のまま、鏡の向こう側に挑発するように、 知美の脚を広げさせる。 傍らに放置されていた古タオルを拾い上げ、 二つに裂いて細く撚ると、 知美の両手を肘掛に縛り付けて拘束した。 椅子の下、砲金製の取っ手のついた丸いハンドルを回すと、 座面がゆっくりと上がっていく。 向こう側によく見えるように・・・。 高い位置まで・・・。 それから椅子の横のレバーを引くと、 背もたれが後ろに倒れていく。 一杯までリクライニングさせる。 仰け反るような姿勢になり、顎を突き出す知美・・・。 投げ出された脚が、いっそう強調される。 微かに知美が震えているのがわかった。 剃刀の刃を、知美のショーツと素肌の隙間に滑り込ませる。 ビクリ・・・と一瞬震えを止める知美。 腰骨の、ショーツの生地が一番狭くなった箇所で、 刃を跳ね上げる。 右側・・・左側・・・。 ブツッという音を伴って、 知美のショーツはその機能を失った。 正面から、めくるように、その布地を開いていく。 先程からの露出の興奮で重く濡れた布地・・・。 股間の中心から剥がれるときに、体液が糸を引いた。 強まる淫臭。 この官能的な匂いは、向こう側に伝わらない。 全ては向こう側の思い通りかもしれなくても、 その事実が、僕の優越感をくすぐる。 洗面台の上のシェービングクリームを取る。 掌にスプレーし泡を取ると、 知美の陰毛に塗りつけていく。 一本残らず剃り上げるために、 更に大きく脚を開かせる。 両手を縛った肘掛のその上に、 両足を跨らせるように・・・。 知美の中心に滴が光っている。 剃刀の刃を陰毛に当てると、 知美の膣が一瞬収縮し、 更に奥から透明な粘液が溢れた。 滴が肛門のほうまで垂れ落ちていく。 少しずつ、少しずつ・・・、 長いままの陰毛は、剃りにくかった。 残さぬように、傷つけぬように、 知美の局部が、幼子のような状態へと戻っていく。 たっぷり15分はかかったと思う。 プロ用の剃刀の刃はよく切れた。 知美の局部は、本当にきれいに、 一本の陰毛もない、生まれたままの姿になっていた。 乱れやはみ出しのない縦筋は、 ほんのりと褐色がかっているだけで美しく整っている。 ただ子供の其処と異なるのは、 肥大して顔を覗かせているピンクの真珠粒と、 溢れ落ちている淫靡な香りの粘液・・・。 それを、鏡の向こうで見ている誰か・・・。 次はどうする? お前は何が見たいんだ? 知美はどんな命令を受けているのか? 僕はとりあえず、 洗面台の横の引き出しを開けてみた。 そこに・・・。 髭剃り用の石鹸を泡立てて塗るための、 「あの」刷毛が転がっていた。 引き出しの中で時間を止められていたからか、 その刷毛は、埃一つなく、しなやかな獣毛の毛先を保っている。 それで知美を責める事にした。 鏡の向こうからよくわかるように、 ワンピースは下からめくり上げていく。 整った臍の窪み、 やがてブラのアンダーバストからトップへ・・・露わになっていく。 大きすぎず、でも量感のある、 かたちの良さそうな乳房だった。 ブラのホックはフロントではなかった。 再び剃刀で、フロントのセンターを切り開く。 カップが弾けるように左右に分かれ、 柔らかな乳房が飛び出した。 刷毛を手に持ち、 知美の可憐な乳首に近づける。 それだけで震えを増し、肩で息をする知美。 それだけで・・・匂いを増す知美・・・。 乳首の先端と刷毛の先端・・・、 ほんの僅かに接触した。 その瞬間、知美はまるで電気椅子に通電されたかのように、 拘束されたまま跳ね上がった。 そのまま、毛先だけで、 円を描くように知美の乳首をいたぶる。 ガクガクと、何度も弾ける知美。 股間の下、レザーの椅子の表皮には、 はっきりと見える大きな染みが、光り、広がっていく。 僕は段々と、円の径を大きくしながら、 乳房の裾野へと下りていき、 また、反対側の乳房の裾野から、 その頂点へと・・・、 何度も繰り返していく。 仰け反るほどに倒した知美の顔に、 手を沿え口を開かせる。 僕はわざと見えるように舌を出し、涎を垂らしながら、 知美の口の中をかき回していく。 喘ぎ声さえも我慢している知美の呼吸は、 甘さと獣臭の入り混じった匂いがした。 溢れる唾液を、容赦なく流し込んでいく僕。 突き出した顎から喉をゴクリと鳴らし、嚥下する知美。 刷毛は乳房を離れ、鳩尾から臍、 そして剃り上げられた下半身へと、 ゆっくりと進んでいく。 知美に変化が見られた。 今までの、快楽に打ち震えるような状態とは明らかに違う、 臍の下あたりを小刻みに上下させながら、 何かに耐えるような表情。 訴えかけるような視線・・・。 店の奥の暗がりに消え入りそうな、小さな扉に目をやり、 また僕に視線を戻して、瞳で懇願している。 おそらくは、洗面所の扉だった。 そう・・・尿意に違いなかった。 「排泄したいのか?」 と聞くように、僕も視線で扉を指し、目を戻すと、 知美は切羽詰った様子で二度頷いた。 ・・・でも、 僕はわざと・・・、首を横に振る。 小さな絶望が、知美の顔に走る。 顎で、鏡を示し、向こうに見せればいい・・・と僕。 知美の眉間に深い皺。 引導を渡すために僕はゆっくりと、 一番長い右手の中指を、知美の膣に挿入していく。 粘液を溢れさせていたそこは、何の抵抗もなく指を受け入れていった。 知美がガタガタと、連続して大きく震え出す。 膣に入れた指を、知美の膀胱に向けて・・・一気に押し込む。 声無き叫び、部屋の空気が震えた。 手にかかる暖かい湯。 椅子から床に落ち、弾ける水音・・・。 知美の閉じた瞼からひと筋、涙がこぼれる。 排泄物のむせる匂いが辺りに立ち込めた・・・。 向こう側・・・。 全部見えたはずだ。 僕は初めて、鏡に向かって意地悪く笑みを投げつける。 そして、それが合図のように僕はズボンと下着を脱ぎ、 充分に充血したその分身を、 知美の胎内に撃ち込もうとした。 腰の高さにまで座面を上げた椅子に、 仰向けの状態で開脚している知美・・・。 挿入には、何の苦労も無かった。 しかし・・・知美の膣内は激しく抵抗していた。 今までに体験したことのないような収縮。 腰を強く打ちつけていないと、 知美の力によって外へ搾り出されてしまうような、 熱く官能的な性器だった。 汗が流れ落ちてきた。 打ちつける腰のリズムに合わせるように、 ぽたぽたと知美の腹に落ちて臍の窪みに溜まっていく。 激しい締め付けと、緩める事の出来ない抽送に、 たちまち限界が襲ってくる。 僕は堪らず腰を引き、知美から抜け出した。 そして、知美の仰け反ったままの顔に、 その肉棒を近づける。 知美が不自由な姿勢のまま、 顔を横に向け、僕のほうに迎えに来るように近づいてくる。 僕の先端を咥え・・・大きく吸い込む。 まるで腰ごと吸い寄せられるように強く吸引され、 僕のそれは、根元までずっぽりと知美の口の中に収まった。 先端が喉の奥を突く感触。 軟体生物のように纏わりつく舌・・・。 既に臨界点にいた僕は、もう耐え切れなかった・・・。 知美の喉の一番奥。 充血したペニスの中を、激しい勢いで精液が迸る感触。 大きな脈動が襲う。 大量の放出・・・。 知美は、何度も、何度も、喉を鳴らし、 その可憐で、しかし妖しい瞳を潤ませながら、 僕を飲み下し・・・強い匂いを発した・・・。 幻のような時間が終わり、 僕は縛っていた知美の手を解いた。 捲り上げていたワンピースを元に戻し、 背もたれを起こしてやる。 急にいとおしい気持ちになって、 知美の髪を優しく撫でてやると、 初めて彼女は笑顔になって、 もう淫靡な炎の気配はすっかり消えた透き通った瞳で、 僕の顔を見た。 ゆっくりと立ち上がる知美。 店の奥へと歩いていく。 ちょうど鏡の裏手に回りこむ辺り、 客の待合スペースを仕切るつい立の所で、 知美はこちらを振り返り、 お別れです、、、と言うように、手を小さく振った。 そしてつい立の向こう側、なにか扉を開けるような音を最後に、 知美は消えていった。 理髪台には、切り離された知美の下着が、 あの白昼夢のような時間が、 確かな現実だった事を物語っている。 大きくひとつ溜息を吐き出すと、 僕は入り口のドアを開けて、その店を出た。 アーケードを改札口とは反対側に抜けて表に出る。 いつのまにか夕間暮れの気配が迫っていた。 高架駅を見上げると、そこには戦時中の機銃掃射の跡が・・・。 今は・・・何時(いつ)なのか? 何故僕は・・・ここにいるのか? 不意に大きな眩暈に襲われて、 僕はその場にしゃがみこんでしまった・・・。
2004/11/07 18:07:26(v3B/bh2A)
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