トクン、トクン、トクン
　
自分の鼓動が聞こえ出す。
頭に血が上ってくる…。　
　
「見られない様にしますから、どうか僕に任せて下さい。」
　
頷く代わりに目を見つめた…、微笑みかけてくる優しい顔に、
間違った感情さえ湧いてきそうになる。
　
　
「カチッ！ヴィ～ン」　
　
　
手元にはローター…。
　
スカートの中、下着の上から、軽くクリトリスに触れる。
その位置のまま、ローターを動かしたりせずに、
腫れあがる部分にだけ、密かに、そして確実に快感を与えられる。
　
ガクガクっと膝が震え、倒れそうになってしまった
「イク」と意識した瞬間、ローターが離されていく…。
　
「まだです。何回もイクのも良いですが、
　　今日は我慢の限界まで耐えてもらいますよ。」
　
段々と振動を強くしながら、それでもイク直前には表情を読まれ、
スッと手が離れていく…。
　
うっすらと汗ばみ、耐え続ける苦痛…、気が狂いそうな感覚に、
いつしか、彼が手を離さない様に押さえつけていた…。
　
「駄目ですよ。」
　
彼はローターのスイッチを切ると、ポケットに入れてしまった。
　
「あんな事しなければ、もうすぐイカせてあげようと
　　思ってたんですよ。でも、気が変わりました。」
　
と言い、屈みながら両手でショーツを脱がせ始めた。
膝上まて下ろした所までで手を止める。
　
「これじゃ、人が来ても動けないじゃないですか！」
　
いくら私が自主的にここに来たとは言え、こんなに辱められた事に、
多少腹立たしく思い、小さく抵抗してみた。
　
しかし彼は、口の端に馬鹿にしたような笑いを浮かべただけで、
取り合おうとしない。
それどころか
　
「止めるタイミングは向井さんにお任せしますよ？」
　
と意地悪く聞いてくる。
　
「かなわない」
　
そう思った私は、彼に従おうと諦めた…。
スカートの中には熱気がこもり、かつて流したことがないくらいの
愛液が溢れていた。
　
彼は注意深く周りを見渡すと、身長差を縮めるように歩幅を広く取り
後ろから私を抱きしめた。
そして髪に顔を埋めながら、スカートをかなり上まで捲ってきた…。
　
左手でスカートを押さえ、愛しむように陰毛を撫でると、
右手の中指で私の塗れ具合を確かめる。
ひとすくいで、光るほどに濡れた指を確認させるかの様に
私の目の前に持ってくる。
　
俯いて視線をそらすと「チュプっ」という音を立てて
指をしゃぶっている。
　
「あぁ…。」
　
低い声を出しながら、荒くなってきた息を耳の辺りにかけてくる。
　
「ゃ！！」
　
耳が性感帯の私には、胸を揉まれるより「ヤバい」…。
　
その事に気付かれてしまった…。
　
舌で、耳を舐めながら、右手でクリトリスを擦られた時には、
声が我慢出来なかった。
　
かなり大きな声で「ぁあっ！！」と言ってしまった。
　
すると、彼の左手が私の口を押さえた…。
レイプのような感覚に、更に溢れ、流れてゆく…。
　
「声は出さないで！出来ないならイカせませんよ？」
　
そう言われ、深く二度頷く。
彼の手が口から離れ、もう一度、後ろから抱きしめられる。
　
きつく…。
　
彼はポケットからローターを取り出すと左手に持ち、
　
「ヴィ～ン」
　
右手の中指は、…奥のほうに出し入れされながら…、
　
「くちゅっくちゅっ」
　
耳まで愛撫されて、お尻には彼の熱く硬い…を感じ……。
　
「あ…んっ！あ……ダメ…っ！！」
　
「駄目？なにが？」
　
「ちがっ…、いいッ！いいのぉ…イっちゃうよ…。イってい？」
　
「見ててあげるよ。」
　
　
「はぁっ、くっ…、イクぅぅ…。」
　
　
肩で息をする私の髪に、二、三回軽くキスをした後、
服を整えてくれると「有難う。」と言って彼は出て行った。
　
それから私は、何もなかった結城を迎えに行って家に帰り、
家族で食卓を囲み、結城の活躍を夫に報告した。
　
また、明日からは平凡な毎日が始まる…。
　
　
　
１、２、３とこんなにも長い文章を読んで下さった方、
感想をメールして下さった方々、本当に有難うございました。
　
○っちゃん♪満足頂けましたか？笑　
　
　
★姫島 樹里★
　

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