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想い出 オレとユミ 3
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ロリータ 官能小説   
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1:想い出 オレとユミ 3
投稿者: 亜里沙能理子
そろそろ寝なさい


 母親が言う。 
 
 時計は十時を指していた。 


  明日もあるでしょ?
 

 不満そうな弟たちに母親が言う。
 
 渋々と弟たちはパジャマに着替える。
 オレも着替える。
 

  あら、ユミちゃん、かわいいわねえ。


 母親の声がする。
 
 見ると、ユミはピンクのネグリジェを着ていた。


  女の子はいろいろ着せることができていいわねえ…… 
 

 うらやましそうに母親は言う。

 トイレと歯磨きを終え、オレたちは二階へと上がる。

 廊下を挟んで向かい合ったドア。
 オレとオレの弟が寝ている部屋、そして、ユミとユミの弟が寝る客用の部屋。


  じゃあ、また明日!

  おやすみ! 


 弟たちは互いにあいさつをし合う。

 オレはユミを見た。

 ユミもオレを見ていた。

 言葉は交わさなかった。


 互いの部屋のドアが閉まる。


 電気を消して布団に転がる。

 弟は何度も寝返りを打っている。


 オレは目を見開いて天井を見つめていた。

 薄暗い天井に、ユミの姿が浮かぶ。
 ピンクのネグリジェを着たユミ。
 しかし、それは一瞬だった。

 しっかりと浮かんだのは風呂場でのユミの姿だった。
 
 何も身に着けていないユミ。
 オレに抱きついてきたユミ。
 キスをしてきたユミ。
 からめあった舌の感触。
 手に残るユミの溝の感触。
 握られたオレの感触。

 もし、母親が戻ってくるのがもう少し遅かったら、何をしていたのか……

 
 オレの下半身が反応する。
 
 ユミはどうなんだろうか。
 オレとのことを思い出しているんだろうか。



 不意にドアがノックされた。



 オレは布団から起き上がる。


 ひょっとして……


 弟も起き上った。
 夜闇の中でオレは弟をにらみつける。
 弟は気が付きはしない。

   兄ちゃん、誰だろう……

 弟が不安そうな声を出す。
 オレは無言のまま立ち上がり、ドアの前に立つ。
 ドアノブのつまみを回し鍵を開け、一気にドアを開ける。

 立っていたのは、ユミの弟だった。

  おおっ!

 オレの弟が声を上げ、立ち上がり、部屋の灯りをつける。

  おおっ!

 まぶしさに目をくらませながらもユミの弟も声を上げる。
 
 ユミの弟はオレに構わず、部屋に入ってきた。
 弟同士肩をたたきあっている。


  どうしたんだ、こんな夜中に?
 
 
 オレは聞いた。


  ボクがいつまでも寝られないでいるから、あっちの部屋に遊びに行きなさいって姉ちゃんに言われたんだ。寝られなくって困るからって……


  兄ちゃん、いいだろう? 静かに遊んでるからさ。


  ……ああ、いいだろう……
  

 灯りを消し、オレは再び布団に転がる。

 しばらくすると、弟たちのこそこそ話と忍び笑いが聞こえた。


  うるさいなあ…… 眠れないじゃないか。


 オレは言う。


  じゃあさ、ユミちゃんの部屋へ行って寝ればいいじゃないか。


 弟が言う。


  戻ってきてもいいようにって鍵はかけていないはずだよ。


 ユミの弟が言う。


  ……しようがない奴らだなあ……


 オレは言いながら起き上る。


  ……部屋には鍵をかけておくんだぞ。それに、あまりうるさくしていると、ママが飛んでくるからな。


  うん、わかった。

  静かに騒いでいるよ。

  おやすみなさい。

 弟たちは言う。


 オレはうなずくと部屋を出た。



 廊下に立つ。

 ユミの弟の話を聞いてオレは直感した。


 ユミはオレを呼んでいる……


 正面にユミがいる部屋へ通じるドアがある。

 一跨ぎの廊下がもどかしい。

 しかし、急にとても長いものに感じた。


 オレの思い込みかもしれない……


 本当に眠くて言ったのかもしれない……


 オレは自分の部屋のドアノブに手をかけてを回す。

 動かなかった。

 言われたとおりに弟たちは鍵をかけたようだ。


 ……オレは深呼吸をして一歩進む。


 目の前にドア。


 ユミのいる部屋。


 ノブに手をかける。

 ノブは抵抗なく回った。

 ノブを押す。

 ドアは静かに開いた。


 部屋の中は薄明るかった。
 蛍光灯のオレンジ色の小球が灯っていたからだ。

 撥ね退けられた掛布団の方は、ユミの弟が寝ていたのだろう。

 その隣は、ぴっちりと掛布団がかかっている。


 オレはそっと近づく。


 ユミは向こうを向いたまま、静かな寝息を立てていた。


 ……オレの考えすぎだったか……


 ユミがオレを待っていると思い込んでやってきた自分が、愚かに思えた。


 ……ま、いいか。ユミの隣で寝られれば……


 朝、ユミが目を覚まし、隣にオレがいることに気が付いたら、どんな顔をするだろう。


 ……抱きしめるなら、その時でいいな……


 ……からだが反応し始めた。


 オレはユミの横顔を見つめる。

 その頬に薄くキスをした。

 それから、ユミの弟の布団に転がる。


 ……ちょっと明るすぎるな……


 オレは天井のオレンジ色の小球を見て思った。

 消そうと思い、起き上がった。

 ユミが寝返りを打った。
 
 オレの方に顔を向けた。
 

 その顔をじっとオレは見つめる。
 


  ……消さないで……


 そうささやくように言うと、ユミが目を開け、オレの顔をじっと見つめ返していた。



 
2021/11/30 06:20:08(bd/bR.jy)
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