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マリア
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ロリータ 官能小説   
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1:マリア
投稿者: 貴史
マリア 《遠》


その年も あと何日かで終わろうとしていたその日は、少しばかり雪が降っていた。
一人の老人が、ゆっくりと階段を登り やがて一つの墓の前で長い間、手を合わせた。
少し風が吹き、雪が強くなった。
老人が空を見上げ何か呟いた時、強く風が吹き墓石に置かれていた 何かが コロンと落ち、老人は静かに立ち上がり、それを拾おうとして足を滑らせたようにヨロヨロと墓に抱きつくようにして倒れていった。
老人は笑みを浮かべたまま動かなくなり、強くなってきた雪が老人の体を優しく抱きしめる様に降り積もっていった。




マリア 《輪》


男は苛立つように車を運転していた。
膝を擦りながら、強引に左に寄り角を曲がり路地へと入っていき車を止めた。

派手な格好をした女の子が、邪魔くさそうに道を歩いていた。


「ちっ、今日はやけに膝が痛みやがる」
昔、痛めた膝だが 最近はすっかり痛みも無かったというのに寒さのせいか痛みがひどかった。
俺はとりあえず車を止め痛みが引くのを待った。
そうして3本目の煙草を口にくわえ火をつけようとした時、視界に人影が入ってきた。
派手な格好をしているが、まだ高校生らしい女の子が足早に歩いていた。
俺は今年最後に、いい女でもナンパしようと車を走らせていた。
  あんな子供に
  興味はねぇ
俺は もう一度ライターに火をつけ煙草に近づけた時、また視界に人影が入ってきた。
チャラチャラした男が、女の子の後ろを追っていた。
チャラチャラした
男には更に
 興味がねぇ
煙草に火をつけ煙を吐き出した。

「なぁ、なぁ、遊ぼうや~」
「暇やろ?カラオケいかん?」
「どこ行くん?送ったるで」

俺は もう一度 吸い込み、煙を外に吐き出した。

「なんやぁ、しつこいなぁ、うち興味ない言うてるやろ」
「ええやん、ええやん暇やろ?」
チャラチャラした男の一人が、女の子の肩に手をやった。
すかさず女の子は手を払いのけ強い口調で言った。
「ほんま、しつこいやつらやなぁ ええかげんにしぃやぁ うち、あんたらみたいなん大嫌いなんや」
男の一人が女の子の頬に手をやり
「俺、お前みたいな 気が強い女 だ~い好き」
と頬を撫でだした。

 ちっ ガキだな
 女を知らんな

パチーン
女の子が男の頬をぶった。
言わんこっちゃ
  ねぇ
 
2014/12/06 02:37:59(40WOJ2E5)
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