母は安心したようににっこりすると僕を抱きしめて「可愛がっていただくんですよ」と言いました。そして玄関から入り「ごめんください」と声をかけたら中年過ぎの女性が顔を出し母が「○○です」と答えたら左手の勝手口に回りなさいと言われ玄関を出て勝手口に行くと女中さんが二人いて上がり框からいらっしゃいませ言って迎えてくださいました。
　庭の見える廊下を通り客間に案内されゆったりとしたソファに座っていると先ほどの勝手口に回りなさいと言った女性が現れ女中さんに「冷たいものをお出ししなさい」と言いました。　そして母に今日来ていただいたのはここの奥様は大変おさびしい方でお話し相手、それも若い男の子を望んでおいでになられます、とのことでした。　母は「うちの子でいいんでしょうか？」というと「これから謁見の場を設けますがその前にお昼食をお召し上がりくださいと言われ運ばれてきた冷たく甘いジュースを美味しくいただきながら、奥様の現在の状況、だんな様も子供もいないとか、左足がちょっと悪いのでゆっくりとしか歩けないとかの説明を受けました。　そして一番大事なことですと念を押され言われたことは「どんなことでもハイ奥様と言い絶対逆らってはいけません」とのこと、先ほど母からも言われていたので「ハイ判りました」と言ったらいい子ねと言われました。　そして女性がこのお屋敷の執事ですべてを取り仕切っているので私のことももちろん女中さんや奥様の介助の女性の言うこともよく聞いて絶対逆らわないよう厳命され私がハイとうなずくと母にいい子に育てましたね、といい母は涙を流していました。
　食堂に移動し椅子に座ると見たこともないお皿に卵焼きで包まれ赤いソースの垂れた（今ではオムライスですが）食事が出てきました、初めて食べた美味しい料理で感激したことを今でも覚えています。　そしてジュースとお茶どちらがいいかと聞かれ私はジュース、母はお茶をお願いし飲んでいると女中さんが来てここの奥様はとても厳しい方だけどとてもお優しいところもある方だからもしここに住むようになったらよろしくね、そしてやはり逆らわないことが一番大事だと教えてくれました。
　食堂で休んでいると執事の女性が呼びに来たので母について行くと明るい庭に面した部屋に通されました。
　背もたれの高い立派な椅子で母と待っていると女性に付き添われた小柄で顔のぽっちゃりした母より少し年上くらいに見える女性がゆっくりと入ってきて一段高いところにあったやはり背もたれが高く飾りのついた立派な椅子に座りました。　その間そこにいた執事の女性、女中さんは気をつけの姿勢で頭を下げたままでしたので母も僕も促されて同じ姿勢で立っていました。

　凛としたお直りの声で頭を上げ声の女性を見ました。　その女性が奥様でした。　奥様は僕に名前と年をお尋ねになりました。　僕が答えると満足されたようにうなずいておられました。　次に付き添いの女性が今まで何か病気をしたことがあるかお尋ねになりましたので母が病気はしたことがなくいたって健康ですと答えました。　それも奥様はうなずいて満足そうでしたがでは体を見せなさいと言いました。　母はすぐさまハイといい「奥様に体を見ていただきましょうね」と言って僕の服を脱がしに掛かりました、僕を奥様に向けたままズボンを下ろし足から抜き取り開襟シャツ、肌シャツを取り去り、最後は前空きのブリーフパンツを下げて足から抜き取り真っ裸にされました。　僕は女湯にいつも入っていたので平気でしたが奥様の隣にいた付き添いの女性はちょっと恥ずかしそうでした。　奥様からもっと近くに来るように言われたので母に背中を押されながらすぐ近くまで行くと若い子は肌もきれいで可愛いねと言ってくださいました。
　そしてこれからここでお母さんと離れて暮らすことになるけど寂しくない？と聞かれましたが母が背中の手に力を込めながら大丈夫よねえと言ったので僕もええ、大丈夫です、と答えました。
　奥様はすぐ執事の女性にこの子の部屋と洋服や下着を用意するようにと命ずると、お部屋は奥様の隣のお部屋をご用意いたします、洋服はすぐ寸法を採りますとの返答があり、それを聞いた母は裸の私を抱きしめると「皆さんに可愛がっていただくのよ」と言い残し部屋を出て行きました。

Tweet