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1:可愛い弟子28
投稿者:
タカ
◆mqLBnu30U
『・・・・お客様のおかけになった電話番号は、現在・・・。』
ちきしょう・・なぜ出ない! よりによって、こんな時にどうして電源を切ってるんだ!? 何度コールしたところで、虚しい音声が返ってくるだけだった。 待ち望む声は、何度試したところでスピーカーから聞こえてこなかった。 それでも、諦めきれずにケータイの番号を押し続けた。 「シンドウ係長、そろそろ捜査会議が始まりますよ。」 「わかってる!」 廊下の隅で、ひとり慌てふためく姿は、すでに数人の部下を持つ身となった男にして は、醜態と言えただろう。 だが、形振りなどかまってはいられなかった。 10分ほど前に、突然、掛かってきた一本の電話。 『シンドウさんかい?・・・』 受付の女の子から電話を告げられ、受け取った受話器を耳に当てると、聞き覚えのない男 の声が、そう訊ねてきた。 『ああ、そうだが、君は?』 『誰だっていい・・・。あんた重丸って男を知ってるな。』 低い声で、重丸の名を告げられ、にわかに緊張した。 『ああ、よく存じ上げているが・・それが、何か?』 『いいか、よく聞くんだ。これからその重丸の関係者が襲われる。今夜だ。重丸に教えて やれ。』 今夜!?重丸さんの関係者が襲われる!? 咄嗟に、脳裏にひとりの女性の顔が浮かんだ。 長い黒髪の美しい才女。 舞うような華麗な太刀筋は、彼女を「天女」として、知らしめた。 『それは、いったい何のことだ?』 ただの脅しではない。落ち着き払った声で、それはわかった。 すぐにでも、電話を切りたい衝動に駆られた。 だが、デカの本能が、少しでも情報を得ようと試みさせた。 『言いたいのはそれだけだ。後は、あんたの好きにすればいい・・。』 しかし、電話はあっさりと切られた。 やはり脅しではない。愉快犯なら、相手の反応を見て楽しむ。 シンドウは、慌てて受話器を戻すと、自分のケータイを開いて、かつての師匠、重丸先生 の文字を探した。 シンドウが崇拝してやまない「春雷重丸」から倖田組を見張るように頼まれたのは、も う、4年も前のことだ。 「見張る・・って、倖田組をですか?」 本町署の目の前にある喫茶店の中だった。 「ああ、すまんが頼まれてくれるか?」 年長者であり、師匠でもある重丸は、申し訳なさそうな顔をしながら、そう言ってシンド ウに頭を下げた。 「おわっ!重丸先生、頭なんか下げないでください!もちろん、重丸先生の頼みなら、な んだってやります!・・・けど・・・。」 しかし、解せないことがある。 「でも僕は、少年課ですよ。マルジー(暴力団)相手なら、強行班(捜査一課強行班 係)かマル暴(組織犯罪対策班)の人の方が良いんじゃないですか?」 確かに少年課でも、マルソウ(暴走族)の奴らを検挙するにあたり、マル暴と合同で捜査 をすることもある。 暴力団が、ヤクやシンナーをさばくのに、少年たちを使うことが多いからだ。 だが、それはもっぱらマル暴側から要請されることが多く、少年課はそのおこぼれを頂い ているに過ぎない。 女性警察官も多く、日頃から未成年者の窃盗や恐喝、売春など、生ぬるい事件ばかりを 扱っている少年課ごときが、暴力団相手に喧嘩を売ることなど、まずないのだ。 それに、なんと言ってもマル暴ならば、マルジーに対する情報量が違う。 日頃から、ヤクザ相手に目を光らせているだけあって、組織犯罪対策班は、対象のイロど ころか、子供の友人関係から、遊び先、果ては、飼っている犬の散歩道まで握っていたり する。 だから、暴力団を見張るなら、マル暴の人間に頼んだほうが、遥かに効率は良いはず。 そして、マル暴の中には、目の前の男を、神のごとく崇拝する人間も多い。 「いや、それほど切羽詰まったことじゃないんだ。それに、あまり大袈裟にしたくな い。実を言うと、すでに組対班の人間には、すでに頼んでいるんだ。君以外にも、他に3 人ほど、同じことを頼んでいる。」 「そうなんですか!?」 「ああ、だから、無用な気遣いをする必要はない。君を信用してないようで申し訳ないん だが・・・。」 「そう・・ですか・・・。」 重丸の頼みであるならば、シンドウには、どんな事でもする覚悟はある。 それだけ、シンドウは、この重丸という男に惚れているし、尊敬もしている。 だが、てっきり頼られていると思っていただけに、他にも似たような頼みをしている人間 が3人もいると聞かされて、わずかではあるが、シンドウは、信頼を得ていないような気 持ちにもなって、少しだけ落ち込んだ。 気持ちが顔に出るのが、この青年の悪い癖だった。 重丸は、シンドウの表情から、機敏に察したらしい。 「ああ!でも、一番頼りにしているのは君なんだ。少年課ではあるが、君の捜査能力には 並々ならぬものがある、と君のところの課長も話していた。だから、君には絶対にお願い したいんだ。それに・・・。」 シンドウが優秀だというのは事実であり、数年後に彼は、重丸の言葉を出世頭の昇任とい う形で証明することになる。 だが、もうひとつ。 重丸には、彼だからこそ頼みたい理由があった。 しかし、それを口には出さなかった。 「それに・・なんですか?」 ついさっきまでは、しょげた顔をしていたくせに、重丸の言葉に期待を掛けて、もう瞳を 輝かせたりしている。 本当に現金なものだと、苦笑いを浮かべながら、この若い捜査員を見やったりもした が、彼の剣の筋は、なかなかたいしたもので、重丸がシンドウを可愛がっていたのも、ま た事実だった。 「君なら、俺の頼みを必ず聞いてくれると思ってね。それだけ、君を信頼してるんだ。」 重丸がそう言ってやると、シンドウの顔に満面の笑みが浮かんだ。 「まかせてください!先生の頼みなら、どんな事でもします!倖田組どころか、阿宗会全 部だって見張ってやりますよ!」 たったひとりで、そんなことができるわけがない。 お調子者は、相変わらずだ。 勇んで、よく俺に小手返しを食らっていたよな。 「気持ちは、嬉しいがそこまでしなくて良いよ。倖田組だけを見張ってくれればい い・・・。」 「はぁ、わかりました。・・・しかし、なぜ倖田組を見張る必要があるんですか?」 もっともな疑問だ。 真正直に答えてやることはできないが、それらしい答えがないと、彼にも励み甲斐がない だろう。 「実は、私がお世話になった先生が、どうやら、倖田組の奴に脅されているらしいん だ。それほど大したことではないらしいんだが、やはり、お世話になった身としては、少 しでも恩返しがしたい。それで、倖田組に不穏な動きや噂を聞いたら、それを俺に教えて もらいたい。」 「その先生を守りたいってことですね?」 「そうだ。」 「相手の名前は、わかっているんですか?」 「ああ、『トリヤマ』という男らしい。」 「トリヤマ・・・。よくわかりました。特にそのトリヤマという男に、目を光らせておけ ば良いんですね?」 「ああ、そうしてもらえると、助かる。」 「まかせてください!必ず先生のお役に立って見せます!」 「頼むよ。」 シンドウは、気持ちの良い青年だった。 それに、正義漢でもある。 あの事件が起きて、真っ先に、ツグミの現場に立ち会ったのは、彼だ。 彼がツグミを確保して、警察署へと連れて行った。 ツグミの取り調べをしたのも、主に彼だった。 「シンドウさんは、元気?」 ツグミは、時々、重丸の前でも、彼のことを口にした。 シンドウの真摯な態度が、ツグミの心にも、わずかではあるが届いていたのかもしれな い。 あの娘の心を、多少でも開かせるほどに、シンドウには、実直な優しさがある。 重丸の前で、シンドウの名を口にしたのと同じように、ツグミは、奴らの前でもシンドウ の名を口にしたかもしれなかった。 だとすれば、奴らはツグミの足取りを追って、シンドウに接触を図るかもしれない。 それは漠然とした感でしかなかったが、少しでも可能性は潰しておきたかった。 シンドウに、真実を告げることはできない。 信頼はしているが、秘密を握る人間は、ひとりでも少ない方が良いからだ。 だが、トリヤマたちの動きは、できる限り掌握しておきたい。 奴らを見張るためには、シンドウは最も適したキーマンのひとりだった。 シンドウは、勘も鋭い。 それは、彼の太刀筋によく現れている。 どのような形になるかわからないが、おそらくシンドウは、接触を図られれば、それを重 丸に伝えてくるだろう。 彼には、不本意な役目になるかもしれないが、そうなってくれれば、トリヤマたちの動き を子細に掴むことができるようになる。 重丸は、ちょっとした罠を仕掛けてみるつもりだった。 「ところで、先生・・・」 正義漢の好青年が、不意に自信なさげな顔になった。 「ん?」 「あの、私からも、ひとつお願いがあるんですが・・・。」 そう言ったシンドウの表情を見て、重丸は、苦笑いを浮かべた。 彼の願うことなどすぐにわかった。 道場の中で、娘に向ける眼差しには、羨望と期待の入り交じったものが、いつだって滲み 出していた。 「今度、聞いておいてあげるよ。」 重丸は、シンドウがすべてを言う前に、笑いながら、答えを返していた。 これから、この青年には苦労をかけるかもしれない。 そう思えば、愛すべき娘を、わずかの間シンドウに預けたところで、それを憂う気持ちに もならなれない。 それに、あの娘の身持ちは固いことは、親である自分がよく知っている。 およそ浮いた話を、シノには聞いたことがない。 であるから、まず安心して大丈夫だろう。 後日重丸は、シノとシンドウのデートの段取りをしてやって、当日は、神童の車に乗り込 んでいくシノを見送ってまでやったのだ・・・。 たった一度だったが、夢のようなデートだった。 彼女は、まだ高校1年生でしかなかったが、とても大人びていて、そのウィットに富んだ 会話は、歳の差など、まるっきり感じさせはしなかった。 シノが、もうすぐ、この地を離れることは知っていたから、ひどく彼女が愛しくてならな かったし、同時に、切ないほどに寂しくもあった。 夕方になり、彼女との別れの時間が迫ってくると、自分でも落ち着かなかった。 夕暮れ時の河川敷を、何も話さずに、ふたりで、ただ黙々と歩いた。 こんな時に気の利いた会話のひとつも思い浮かばない自分が情けなかった。 前を歩いていたシノが、不意に立ち止まり、振り返って笑顔を向けたときには、その意味 がわからなかった。 「もうすぐ、お別れですね。」 彼女は、楽しそうに笑っていた。 ゆっくりと近づいてきて、すぐ目の前に立った彼女は、澄んだ瞳でじっと見上げてきた。 「記念に、何か欲しいです・・・。」 甘えるようにそう言って、顔を上向かせ、静かに瞳を閉じた。 突然のことに足は震え、夢か現実化もわかりもしない中で、そっと、彼女に口付けた。 わずかに触れただけの、それは頼りないキスだったが、それだけで十分だった。 シノは、嬉しそうに笑っていた。 そして「私も、シンドウさんに記念品をあげます・・・。」と、言った彼女は、つま先で 立つと、首に腕を絡ませながら熱い口付けを交わしてくれたのだ。 夢中で細い背中を抱いて、折れるほどに抱きしめた。 もう、これだけで思い残すことはなかった。 あれほど、焦がれていた天使がキスをしてくれたのだ。 それ以上など、望むべきもない。 だが、それだけでは、終わらなかった。 「まだ、足りないです・・・。全然、足りないです・・・。だから、全部あげま す・・・。」 耳元で熱い吐息と一緒に囁いた彼女は、「あそこに行きましょう。」と、東の空を指さし た。 そこには、煌煌とネオンの瞬くホテルが、丘の上に誇らしげに建っていた・・・。 シノは、初めてだった。 「浮気しちゃダメですよ。」 数日後、彼女は、笑いながらそう言って、列車に乗って旅立った。 重丸先生は、知らない。 と言うか、言えない・・・。 春雷重丸の娘に手を出したなどと、知られたら、それこそ先生のみならず、周りの奴らに まで殺される。 だから、ひっそりとふたりで愛を育んできた。 今度、一緒にディズニーランドに行く約束もしている。 その日付を教えるのが、今日だった。 それを、唐突にシンドウは、思い出した。 何をしている!?彼女に伝えれば、それで済む話じゃないか! シンドウは、まだ理解していなかった。 それが、シノではなく、もうひとりの娘を狙っているのだということを。 シンドウは、ケータイの中に「天女」の文字を探した。 見つけて、すぐにボタンを押した。 数回のコールの後に、愛しい天女の声が返ってきた。 「もしもし・・。」 「シノ!すぐに逃げろ!!」 「えっ?・・」 「今すぐに、逃げるんだ!!」 「えっ、どうして?」 「何でもいい!!今すぐ君は安全な場所に隠れるんだ!!そして、すぐに重丸先生を呼ぶ んだ!!」 「お父さんを?・・・」 「そうだ!!重丸先生に伝えろ!!シンドウがすぐに連絡を欲しがっていると!!」 「お父さんに、そう伝えればいいの?」 「そうだ!!!」 「じゃあ、お父さんに替わるね。」 えっ?
レスを見る(2)
2010/11/19 00:16:32(L20zI4Xg)
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