郊外のドライブインで遅い昼食を取った二人は、近くのA山へ車を走らせた。山頂は
人影もなく、涼しい風が吹いて、心地よかった。草叢に寝転がっていると冴子の顔に
ようやく笑みが出て来た。小母さんの事で機嫌が悪かったのだが、俺もほっとした。
暫くすると、どちらからともなく自然と抱き合っていた。お互いの服を脱がせあい、
全裸で絡み合う。自然の中の開放感を満喫しながら自由奔放に求め合う。今までで一番のセックスだった。冴子も大満足のようで二人は抱き合ったまま、草叢で眠った。
目が覚めると、辺りは暗くなっていた。慌てて身支度をすると家へと帰る事にした。
さすがに一緒に帰る訳にも行かず、途中で降りて、バスで帰る事にした。バス停に向かっていると、脇道からくるまが出て来た。母の車で、横には雄一が乗っていた。
楽しそうなえ顔の二人を見て、またもや言いようのない怒りがこみ上げて来た。