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カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:M
投稿者: 先生
よくもって半年と癌の余命宣告を受けた。もともと医者嫌いな俺は、身体の違和感を放置して半年、いよいよ背中の疼痛に耐えきれず、受診しての検査結果は膵臓がんだった。
今年古稀を迎える俺は、ある意味その事実を素直に受け入れた。ただし、この命の最後に臨んで、痛みさえ緩和処置さえしてもらえれば、それでよかった。

女房に検査結果を告げた時、意外にもあっさりと受け入れられ、拍子抜けしたものだった。女房はある程度予期していたことだったのかもしれない。俺が自分から検査を申し出た事実から。

俺は脱サラをして、呑気に整体業を営んできた。近頃では、自分の飲み代だけ稼ぐつもりでの整体稼業だが、信用、信頼だけでそれなりの固定の患者さんが、支えてくれて生計が成り立っていた。

その中に10年来の腰痛患者のMさんがいる。歳は来年55歳になるという女性だが、趣味はテニスを若いころから続けているとの事で、スタイルに大きな崩れもない美熟女だ。彼女は2ケ月に1回ぐらいの来訪だが、俺の施術には絶対の信頼を置いてくれていた。

「Mさん、残念だけどこれが最後の施術になるかもしれないと思う。せっかく長い間ここに通ってくれたんだけど」
俺がそう切り出すと『えっ?』と驚いた顔で、Mさんはまじまじと俺をみた。
「どうしたんですか?何があったんですか?・・ダメ、そんなの私、困ります!・・」

「実は・・」
俺が癌である事と、余命宣告されたことを打ち明けると、Mさんはポカンと口を開けて驚いていたが、突然大粒の涙をぽろぽろと流し出した。
まさかのMさんの反応に俺の方が狼狽えてしまった。

「ダメです!、そんなの絶対だめ!、私、本当に困ります!・・」
イヤイヤと首を振り続けるMさんに、俺はなだめるように言った。
「私の患者さんの事は、○○君の整体院に引継ぎを頼んだから・・Mさんの腰痛の今後の事も、申し送りするから大丈夫だよ、心配しないで・・」
「そんなんじゃないんです、私は先生でなくちゃダメなんです・・」
「そう言ってくれるのは有難いんだけれど、こればっかりは神様の決めた事だから・・、本当に済まない・・・」

何故、俺が謝らねばならないのかと、理不尽さに戸惑いながらも、Mさんを取り合えずなだめ、落ち着かせて涙をふかせるために、備え付けのタオルを差し出した。
Mさんは受け取ったタオルを顔に押し当てて、しばらくそのままの姿勢でいた。そしてタオルを握り締めながら、おもむろに話し出した。

「私は10年前、先生に持病の腰痛を治してもらいました。どこの整形外科でも、接骨、整体院でもサジを投げられた、私の腰痛だったのに。
おかげで大好きなテニスも続けられたし、普段の生活も、支障なく送ることができようになりました。
どれだけ感謝してもしきれないくらい、本当に先生に感謝しています。
いつでもここに来れば私の身体は楽になった。先生は恩人であり、私の心のよりどころなんです。
それなのに、そんな先生が私の前からいなくなってしまうなんて、私にはどうしても信じられません・・」
一言一言を考えながらゆっくり喋ベり終えると、新たにあふれ出した涙を手にしたタオルで拭った。

そんな状態を俺は何も言い出せずに、そのままの姿勢でMさんを見つめ続けた。

「先生、私のこの後の、患者さんの予約は大丈夫ですか?・・もしお時間がおありなら、少し私の話を聞いてもらえますか?・・」
Mさんは目にタオルを押し当てたまま、とつとつと話し始めた。

「私が小学校6年生の時、病気で父を亡くしました。先生と同じく癌でした。
父が亡くなった後は、母が女手一つで私を育ててくれました。
その母も一昨年亡くなったのは、先生はみんなご存じですよね?・・
友達の紹介で、私が初めてここを訪れたのは、ちょうど10年前だったかしら、その時初めて先生を見てびっくりしたんです。
先生の目元や口元が亡くなった父の面影そのまんまだったから。
優しい声もそっくり。
その時私、直感したんです。この先生なら私の腰痛から解放してくれるって。
案の定、どこの病院でも、治療院でもお手上げだった私の腰痛を、先生は治してくれました。本当に有難かったし、嬉しかった。
それからはここへ、先生の所へ、通ってくるのが楽しみでした。父に会えるような気がして。
先生は腰の治療だけでなく、私の生活の悩みや色んなことを聞いて、色んなアドバイスをくれましたね。それがどれだけ今まで、私の心の支えになってきたか・・・
私はここへ通って来るのが、先生の顔を拝見するのが、どれだけ楽しみだったか・・
だから、今の先生の突然のお話に、気が動転してしまって・・見苦しいところをお見せしてしまいました・・本当にごめんなさい・・・」

顔に当てていたタオルを両手で握りしめて、両ひざの上に落とすと、しばらく考えこむように目を閉じていたが、何かを思い出したような素振りでゆっくりと話をつないだ。

「いいえ、本当は違うかも・・ここに通い始めていつからか、父を慕うというより、私は先生を一人の男性としてみていました。
ずっと好きでした、一人の女として・・」

Mさんの唐突な打ち明け話は、俺にとってまったく意外なものではなかった。Mさんが時折見せる俺への視線は、患者としてのそれではなく、女としての感情がこもっているのを、うすうす気づいていた。
実は俺もMさんを初めて見た時から、彼女に心を捕らわれていたのだ、恥ずかしながら、年甲斐もなく一目ぼれだった。

しかしMさんは整体の患者、しかも俺との年齢の差は15歳以上。どうにもならない岡惚れだと胸の奥にしまい込んでいた。
それが今こうしてMさんから心を打ち明けられたのだ。
自分の死をはっきりと自覚した俺へのMさんの告白は、言いようのない切ない、そして残酷なものだった。

「先生、私、先生に何かできることありませんか?・・
今まで先生にして頂いたべてに、少しでも恩返しをしたい。
なんでもおっしゃってください。私にできることなら何でもします・・」

Mさんは涙の止まった真剣なまなざしで、俺に訴えかけてきた。

「Mさん有難う、まさか君がそんな風に、私の事を思ってくれていたなんて、夢にも思わなかった。Mさんのその気持ちだけで本当にうれしい・・、数か月後に、Mさんのいるこの世界から、自分がいなくなることが、今、本当に悔しい・・・」

こう言い放った瞬間、俺は数か月後には訪れるであろう、俺の確実な“死”を実感し、初めて身震いした。
『そうだ、俺はもうじき死ぬんだ・・・』

医者に癌と余命を宣告された時も、女房にそれを告げた時も、一度も感じたことのなかった恐怖が、今更ながらに頭の中に、湧き上がってきた。

「Mさん、良ければ私の最後の女の人になってもらえないだろうか?」

唐突にそんなセリフをMさんに向かって吐き出していた。
俺は物事を深く考えていなかった。ただ自然と俺の口をついて出てきたのだ。
この瞬間、無性にMさんが欲しかった、抱きたいと思った。

そんな俺の申し出の意味を図りかねて、一瞬『きょとん』とした表情を見せたMさんだったが、言葉の意味を解釈したのか、小さく顔をプルプルと振って、拒否の反応を示した。
ただし両方の瞳は、寂し気に揺れていた。

二人の間に、気まずい沈黙の時間が流れた。

俺の吐いた申し出のとんでもなさに気づいて、急いで否定の言葉を続けた。
「ゴメン、ごめん、悪い冗談だ・・すまん、今の私のセリフは聞かなかったことにして、聞き流してくれ・・折角、長い時間で築いてきたMさんとの信頼関係をこんなことで壊すなんてとんでもない、この通り謝る・・・、済まなかった・・・」
そう言って頭を下げた俺に対して、Mさんは一言も言葉を発せず、ただ黙って俺の顔を見つめていた。

俺は二人の間の気まずさをとりなすように、無理やり話題を変えた。
「医者のいう事には、これから俺は体力も衰えて、徐々に味覚も低下し、食事の消化も悪化して、満足に食べ物を食べられなくなるらしい。
だから今のうちに、目いっぱいうまいもの、食っておこうと思うんだ。
Mさん、もしよかったら一度食事に付き合ってほしい、それならいいかな?・・」

Mさんは無理やり片頬に、寂しげな笑顔を浮かべた。
「はい、こんな私でよかったら喜んでお供します・・」と答えた。

次週、俺たちは町のショッピングセンターの、屋上駐車場で待ち合わせた。
Mさんの車と思しき赤の軽自動車に近づくと、白のニットのざっくりとしたTシャツと、少しだけひざ上丈のデニムのスカートに、身を包んだMさんが車から降りてきた。
シャツの胸の部分はブラの形に押し上げられ、スカートは腰から太ももにかけての身体のラインを際立たせている。とても55歳目前の女性とは思えない若々しさだ。トートバッグを胸に抱えて俺の車に乗り込んだ。

「待った?・・」
「いいえ、今来たところです・・・」
予め調べておいた、ランチの旨いレストランを目指して、車を発進させた。

 
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2025/07/24 16:45:51(1Ki9/7pr)
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