人妻寝取らせ倶楽部⋯
パソコンでネットを検索すると、
そのタイトルに目が止まる。
それをクリックしてみると、
⋯貴男の知らない奥様の一面を見てみませんか？⋯
俺が知らない妻の一面…
そんなものがあるのだろうか？
妻はおっとりとした性格で、夫に尽くす女性。
男好きの感じは全くない。
そういう女性に限って…
という事もあるかもしれない。
でも、あの妻が…そんな事はない。
そう思いながらも、
男は続けて読んでいく。
⋯これを見ている貴男は
　今の性生活に満足していないのでしょう
　寝取らせとは妻を他の男性に抱かせる事です
　奥様が貴男以外の男に溺れ、
　貴男には見せた事がない一面を見て、
　貴男は興奮が冷めないでしょう
　嫉妬を感じるかもしれません
　その嫉妬も奥様の喜ばしい表情を見れば、
　深い愛情へと変わっていきます
　精力絶倫の若者が貴男の奥様を天国に導きます
　貴男にこの興奮を味わっていただきたい
　気になる方はご連絡下さい⋯
男は悩んだが、連絡してみる事に。　
　湧山幸一は35歳になる会社員。
三つ年下の妻がいる。
妻の名は由香里。
由香里は専業主婦で、
おっとりとした控えめな女性。
家事をバリバリとこなすできた妻だと
幸一は思っている。
だが、悩みはある。
それは夫婦の営みがうまくいっていない事。
由香里はあまり満足そうではないのだ。
痛くて、気持ちよくない。
セックスが好きではないらしい。
しかも、セックスをしている時に
幸一が汗をかくと
それも苦手だという。
妻は潔癖症なのだ。
もしかしたら、
男がいるのではないかと思った事もある。
しかし、男はいなかった。
ネットで検索した人妻寝取らせ倶楽部
というサイトで
⋯貴男の知らない奥様の一面を見てみませんか？⋯
という文章が気になって仕方がない。
見られるものなら、見てみたいと思う。
⋯精力絶倫の若者が貴男の奥様を天国に導きます⋯
そんな事があるのだろうか？
痛くて気持ちよくない妻が天国に…
散々悩んだ挙句、
幸一は人妻寝取らせ倶楽部に連絡する事にした。
　幸一は人妻寝取らせ倶楽部のある事務所を
訪ねた。
鷺宮という中年の男が倶楽部を運営していて、
対応してくれた。
「当倶楽部では容姿・体力・テクニック・性器の機能とサイズ全てにおいて、
質のいい男性を揃えております。
サイトに記載されている通り、
奥様を必ず天国に導きます。
こちらの注意事項をお読みになって、
承諾いただければ、男性を手配します。
承諾いただけなければ、この話はなかった事に。」
鷺宮はそう言うと、誓約書を幸一に渡した。
内容は
寝取らせの行為は依頼人が望み、
実行させたもので、
寝取る男性と奥様には非がない事…
寝取る男性と奥様が肉体関係を持つ事は
浮気ではなく、
依頼人が依頼したもので、
寝取る男性と奥様には慰謝料の請求をしない事…
今回の行為でどのような事態になろうとも
当倶楽部では責任を負わない事…
という内容である。
妻が相手の男に惹かれ、
幸一の元を去る事になる事も
覚悟しなければならない。
セックスが嫌いな妻だから、
やっぱり痛くて気持ちよくないという事も
考えられる。
そうなる事を願っている。
他の男ではどうなのか確かめてみたかったのだ。
もちろん、天国に導かれる妻を見てみたい。
でも、他の男に抱かれるのは今回だけで、
戻って来てほしい…
その願いを込めて、
幸一は誓約書に署名と捺印をした。
　後日…
幸一は妻の由香里を連れて、
施術院を訪ねた。
人妻寝取らせ倶楽部がある建物だが、
妻にはマッサージに行こうと言ってある。
他の男に由香里を寝取らせる事は内緒だ。
今回はマッサージの資格を持つ
若者が相手をしてくれるらしい。
由香里がマッサージをしてもらう前に
幸一は妻を寝取る若者にマッサージをしてもらう。
どういう男か直接会って、
話をしてみたいと思ったのだ。
若者は25歳の男で、
話をしてみると、真面目そうな男だった。
マッサージをしてもらうと、
気持ちいいものだと思っていたのだが、
なんだか眠くてだるい感じがする。
まだ若いから、上手ではないのか？
これなら、由香里も大丈夫だろうと
幸一は思った。










　

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