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1:叔母:寿子〔京子の旦那〕
投稿者:
KEN
〔京子の旦那〕
「車の事と言い 何か何まで お2人にはお世話になりっぱなしで‥、何とお礼を言って良いか」 豊川さんの旦那さんが 深々と頭を下げた。 『それは今は良いわ』 『本題に入りましょ』 『で?、どうなさる おつもり?』 『京子ちゃんからは 大体の事は聞いてるけど』 叔母さんは 強い口調で本題に入った。 あれは8月 じきにお盆になろうかと言うある日 豊川さんが 血相を変えて訪ねてきた。 あの湯○原からは 数ヶ月が過ぎていた。 ほぼ隔週で清美さんが来て、俺と2人だけの時もあれば 女性達だけの時 ある時は清美さんが豊川さんの家に泊まって‥、そんな時もあった。 豊川さんの想像どおり 旦那さんには女がいた。 言ってみれば 上司と部下のパートのオバサン。 それが会社の知るところとなり 降格のうえ 上期一杯で戻される、それも 子会社に出向か早期退職か窓際以下の部署に落とされるか‥、と迫られているらしい。 先方は ご主人が既に弁護士さんを頼り 離婚に向けて話し合いをしていて 既に別居もしている、そして当の2人に慰謝料を請求する‥と、結構な修羅場らしい。 京子 『あのね寿子ちゃん‥』 『離婚はしないわ私達‥』 『許せないわよ‥、許せないけど その代わり これからは好きにさせて貰う‥』 『ご飯作らなくても 洗濯しなくても 何もしなくても文句言わないって言うし、私が何処で何をしてても文句言わないって』 『慰謝料は とりあえず半分払って 残りは分割にして貰って‥』 『私が慰謝料請求しない代わりに 光熱費払って貰って家にも入れて貰って 立て替えた慰謝料も返しながら‥、遊ぶ金なんか残らない様に‥』 寿子 『夫婦で決めた事なら 私がとやかく言う事じゃないけど それで良いのね?』 『一応 証人って言うか そんな立場で呼ばれた訳だからさ その辺は確認しないと、でしょ?』 京子 『‥うん』 寿子 『一緒に住むのよね?』 京子 『ええ』 『私だって 今更家賃払ってなんて出来ないし』 『子供達が帰って来た時だけは それなりに振る舞うわ‥』 『とりあえず やってみて どうしてもダメだったら出て行ってもらう この人に』 寿子 『何でも許すって言ったらさ‥』 『・・・・・』 『他所の男が迎えに来ても それも許すって事よ、それが どう言う事が分かっていながら許すって事よ、出来るの 旦那さん?』 旦那 「ええ」 「私が先にした事ですから」 寿子 『3年 5年 10年って続いても?』 『昨日の男と今日の男が違っても?』 『いい加減にしてくれ!ってならない?』 旦那 「多分 なると思います‥」 「ですが その時は いい加減にしてくれって言う前に 私から出て行きます、子供達にはキチンと話しをして」 「禊ぎ と思って我慢します」 寿子 『分かった』 『お2人が出した結論 聞かせて頂きました』 『‥良いのね?京子ちゃん?、これで』 京子 『ええ、ゴメンね寿子ちゃん、健ちゃんも‥』 俺 「じゃ、失礼しますか?叔母さん?」 寿子 『そうね』 『約束、忘れないでね旦那さん?』 『京子ちゃんもよ!、仏心なんてダメよ、絶対』 京子 『うん、ありがとう』 旦那 『ありがとうございました』 『助かったわね健ちゃん?』 『旦那さんの浮気が先に見つかって』 『逆なら 今頃どうなってたか?』 『だから京子ちゃんはヤメときなって言ったの、小林さんは諦めなさい、ね?』 帰り道 叔母さんに そう諭された。
2022/01/04 13:42:03(9D.UajLV)
投稿者:
KEN
〔京子の旦那 ②〕
あれから2週間くらい、孫を連れて帰省していた子供達も帰ったらしく、豊川さんちは2人だけの生活に戻った。 旦那さんは じっくり考えて 9月1日に結論を出して帰って来いと言われてるらしい。 『夏休み?』と豊川さんに揶揄われていた。 そんな豊川さん、今日はやけに饒舌だった。 叔母さんが握る受話器から 時折豊川さんの声が漏れ聞こえた。 『‥でも林のご飯とかあるし そんなに早い時間には行けないわよ』 『・・・・・』 『‥そう、ちょっと待って 聞いてみる』 『京子ちゃんがね 夕飯どうか?って、どうする健ちゃん?』 「構わないけど‥」 『先に行っててくれる?、叔父さんのご飯もあるしさ、ダメ?、イヤ?』 「イヤじゃないけどさ‥」 『イヤじゃないけど 何ぁに?、お願いね?』 「間が持つかなぁ?」 「ま、いいや、わかった」 一足先に 豊川さんの家を訪ねた。 『はぁい、お幾らかしらぁ?』 『?????』 『ヤダ、健ちゃん!』 『ピザ屋さんかと ばっかり ゴメンねぇ』 『上がって上がって! ビールで良いでしょ? 上がって!』 何だ? このテンション? やけに と言うより 異様な程の上機嫌、どうか してしまったのか? と疑う程の、はたまた 変な薬に手だしたか? と思う程の。 「こんばんわ、お邪魔します」 案内されたのは いつものテーブルではなく 応接間。 「いらっしゃい」 「先日は ご足労頂いて‥、本当にありがとうございました」 旦那さんは わざわざ立ち上がって 深々と頭を下げている。 「ヤメましょ、その話しは‥」 「それより どうしたんですか?、きょ、奥さん、今日はやけに‥」 「それが私にも‥」 「昼前から ずっとあの調子で‥」 「‥そうなんですね?」 「他所の奥さん捕まえてなんですけど、ちょっと おかしいですよね?」 「ええ」 「私も???だらけでして」 『何ぁに2人して‥』 『私の悪口?』 と豊川さんがビールを持って来てくれた 『はい どうぞ、ピザ そろそらだろうから』 そんな話しをしているとタイミング良くチャイムが鳴った。 『さ、食べよ食べよ』 豊川さんがピザを抱えて戻ってきた。 俺 「今日は やけにご機嫌ですね?」 「何か良い事でもあったんですか?」 京子 『ん?私?』 『それはねぇ ヒ ミ ツ、ふふ』 旦那 「昼くらいから ずっとこんな調子なんですよ」 京子 『いいから食べましょ』 『で?、寿子ちゃんは?、何時ごろ?』 「たぶん ‥」 俺が言いかけた時にチャイムがなった 『はいはい、ちょっと待っててぇ』 豊川さんが 玄関に迎えに行った 『それにしても短いスカートね』 『いいじゃない夏なんだしさ』 『それは そうだけどさ 短すぎない?』 『それに 今日は いやにテンション高くない?、どうしちゃったの?』 『ヒ ミ ツ!』 『寿子ちゃんもビールで良いい?』 そんなやりとりをしながら 2人が戻ってきた。 確かに 異様なテンションの豊川さん。 なすすべ無く オロオロしてる旦那さん。 そこに叔母さんの登場。 この先 どうなる事やら‥。
22/01/07 13:25
(DjYXP6Y/)
投稿者:
(無名)
この先はどうなるんでしょうか。
22/02/06 14:05
(nMdVCICJ)
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