私は人に言えない秘密を持っていた。
気が狂いそうになる程、身体が疼いてしまうことだ。
疼きは周期的にやってきて私を苦しめた。
いつもの顔の下に、身体の火照りを隠していた。
そんな時にSNSで出会ったのが、彼だ。
最初から、出会い目的だと言う事が分かっていたけれど、私はついつい返事を出してしまっていた。
彼の丁寧な言葉遣いと理知的な文章を見た時に心がよろめいてしまったのだ。
自分の中に空虚さが充ちていて、それを埋めて欲しいと思った。
彼は私より三歳年上で、独身だと言っていたけれど、結婚しているのかどうかは分からない。
土日のメッセージのつながりにくさと、一人暮らしの筈なのにあまり料理について詳しく無いのが気になった。
メッセージが来ないと不安になる。彼は今どこで何をしているのだろう?
私の他にも誰かがいるのかわからない、だけど怖くて聞けなかったし、聞きたくも無かった。
自分だけの彼でいて欲しかったからだ。
メッセージを送り合い、会おうねと繰り返すけれど、私は会う事は出来なかった。
怖かったのだ。
私はお世辞にも可愛くは無いし、お腹はぽっこり出ていた。
愛していればいる程、会えない。
そんなジレンマが続いていた。
メッセージだけ。
それが精一杯。
そんな日々が続いていた。