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実録百穴温泉
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:実録百穴温泉
投稿者: ◆/iQ.q6ByCc

『百穴温泉春奈』
かつて埼玉県比企郡に実在した温泉兼宿泊施設である。
埼玉県唯一の混浴温泉であり、怪しい”ハプニング”の噂が飛び交う
知る人ぞ知るB級スポットであった。
これは魔性の温泉に魅せられた男の体験談である。

10年以上前の夏、SNSなどまだ無かった時代の昼下がり。
私は3か月ぶりの有給を使って埼玉県比企郡に足を運んだ。

観光か?と聞かれればYESである。
しかし、どこへ??と聞かれると答えに窮する。
私が足を踏み入れようとしているのは、田舎の射撃場でもなければ
古墳時代の遺跡でもない。口にするにも後ろめたい、
埼玉県のダークサイドだからである。

宿に入り、目に映るのは見慣れた光景だ。
古びた木製のフロントと薄汚れた水槽。
天井は黄色のような灰色のような形容しがたい色にくすみ、どことなくカビ臭い。


ただ見慣れぬ点もある。フロントに老婆がいるのだ。
いつもであれば、それなりの声量で「すみません」と声を出さなければならないのだが、
今日は珍しくフロントに佇んでいる。

「先客がいる」

私はそう確信すると、すぐさま料金の支払いと貴重品の預け入れを済ませ、
浴室に続く廊下を歩きだした。苔色のセンターラインとグレーのサイドラインのカーペットらしきものから成る廊下が、ミシミシと音を立てる。そのたびに私の期待も高まっていく。
気づけば色落ちの激しい「ゆ」と書かれた暖簾も通り過ぎ、
更衣室まで辿り着いていた。

興奮は最高潮。
私は衣服を脱ぎ捨て、ハプニングの神に「貴重な有休が無駄になりませんように」と手を合わせた後、ドアに手をかける。

いざ大浴場へ。
 
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2021/02/07 17:29:11(T5IZY8mg)
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