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幼なじみの母親
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:幼なじみの母親
投稿者: ナオミチ
『淑やかな女性』というのは、おばさんのような女性のことを言うのだろう。
清潔、物静か、聞き上手、三年半ぶりに会ったが、そのたたずまいは昔と全然変わってはいない。

隣のおばさんとうちの母親、そして僕の3人で向かったのは近所に住む幼なじみの家。
日曜と祝日は定休日なのに、その日は僕たちのために、お店の扉は開かれていました。
隣のおばさんが、『川田さん、おはようございます~!』と声を掛けると、家の奥から60歳を過ぎた年配の女性が現れます。それは、僕の幼なじみの川田くんのお母さん。
僕がこうして会うのは、三年半ぶりでした。

『わざわざ、ありがとうございます。』、そう言って川田のおばさんは僕たちに丁寧に頭を下げます。三年半ぶり、おばさんもどこか老けたように感じます。
彼女は僕を見て、『ナオミチちゃんもありがとうねぇ。』と、また丁寧にお辞儀をしてくれている。
久しぶりに見たおばさんの顔。太いまゆげに整った顔立ち、相変わらずの日本美人でした。

家の奥へと通され、その部屋には仏壇が置かれている。そして、その前には遺影と骨壺、写真は三年半前の川田くんだった。
三人は畳の上に腰を降ろすが、母は『お前から。』と僕に声を掛けた。隣のおばさんも、それには納得をしている。
僕が彼の一番の仲良しであったことを、二人は分かっているのです。
仏壇の前に座り、鈴を鳴らし、彼の遺影を見ます。そして、その隣には骨壺。もう、認めざる得ませんでした。

『川田くん、亡くなったって。もう10日くらい前になるらしいわ。』、それを母から聞いたのは3日前のこと。
長く闘病をしていたのを知っていた僕は、『ああ、そうか。』と返事をしていた。きっと、覚悟はしていたからだ。
しかし、心のどこかでは、『25歳の男が、そう簡単に死ぬ訳がない。』と思っていたのも事実。
しかし、この現実を見せられてしまっては、もう彼の死を認めざる得なかった。

三人が手を合わせ終わった頃、川田のおばさんがお茶を持って現れました。『みなさん、ありがとうございます。』とここでも頭を下げてくる。
そして、テーブルを囲んで、故人を偲んでの話が始まるのです。

三人は僕に期待をしていたようです。物心ついた頃から、高校生、そして、社会人となっても彼と一緒にいた僕です。
僕しか知らない思い出話は多々あると、みんなそれを待っています。話し始めたのは、子供の頃の話。町内を駆け巡っていた頃の思い出です。
それを話すと、みんなの加尾が微笑みます。一番熱心に聞こうとしていたのは、やはり川田のおばさんでした。

母親ですら知り得なかった、子供だった僕たちの世界。夏休みになれば、朝6時にラジオ体操に行き、帰って来るのはお昼ごはんの時間にもなっていました。
そんな話をすると、おばさんは笑みを浮かべながら聞いてくれるのです。そんな笑顔を見せられると、また次の話をしたくなってしまいます。
しかし、その幸せな時間は、あるスマホの呼び出し音によって終わりを告げることになるのです。

それは家にいる父からでした。急用らしく、僕だけ先に帰ることになります。名残惜しい僕ですが、仕方なく席を立ちます。
川田のおばさんも『ナオミチちゃん、わざわざありがとうねぇ。』と見送ろうとしてくれますが、『ああ、お母さん、いいです。』と言ってそれを断ります。
そして、僕だけ先に家へと向かうのです。

伊江に向かいながら、僕はこんなことを考えていました。『俺、おばさんのことを『お母さん、』って言ってたよなぁ。』。
それは三年半前にはなかったこと。それまでは、『おばさん、おばさん、』としか呼んだことはありませんでした。
それが咄嗟に、『お母さん、』と言えていたのです。僕ももう子供ではなく、社会人なのです。
 
2020/09/02 11:48:05(vnjnNg5J)
132
投稿者: ナオミチ
『ナオミチく~ん?今加代子のところ。キミ、ちょっと出て来るかぁ~?』

午後7時30分。ようやく掛かってきた、加代子さんからの電話。 しかし、その相手は男性。声からして、60歳くらいと考えられる。
彼女を『加代子』と呼び捨て、僕を『キミ』と呼んでいる。『誰なんだ、コイツ?』、そう思いながらも、僕は家を出るのです。

彼女の家が近づいて来た時、向かえにあるお店の駐車場に高級そうな乗用車を見つけます。それを見て、『いつから、ここに?』とも思ってしまいます。
お店の扉は開いていました。すぐに奥から、『ごめんなさいねぇ?』と言って、加代子さんが現れます。奥に通されると、そこには見知らぬ男性がいました。
ソファーに座り、テレビを観ています。

『おっ!キミかぁ~?…、』

僕を見つけると、彼が声を掛けて来ました。理解の出来ない僕は頭を下げ、とりあえずその場に立ち尽くします。
しかし、『座りやぁ~?いつも、そんなとこにはつっ立ってないんだろ~?』と笑顔で言われ、その場へと腰を降ろさせてもらいました。

その男性はテレビに夢中のようでした。困った僕は加代子さんを探しますが、彼女はまだキッチンのようです。
そんな彼がテレビを観ながら、『あのさぁ~?キミ、加代子と別れる気はないかぁ~?』と聞いてくるのです。
得たいの知れないこの男、そして、二人のことをどこまで知っているのか分からないこの雰囲気。もちろん、僕は答えることが出来ません。

すると、テレビを観ていたはずの顔がクルッと回り、僕の目を見ました。その眼差しはとても鋭く、さっきまでの穏やかさはありません。

『どっちや?加代子を返してくれるんかって聞いてるんだが…。』

更に鋭い目でした。初めて会ったこの男性、そして彼女を返せと言ってくる。僕の心は不安で押し潰されそうにもなります。
それでも、『どういう意味ですかぁ~?』と返しました。誠意を見せるため、きっと彼に強い眼差しを向けてしまったことでしょう。
しかし、返されたのは、

『こいつ、ええ女だろ?返してくれるか?キミさぁ、さっき、こいつに何回も電話をして来てたよねぇ?
僕もさぁ、こいつと一緒にキミの電話見てたよ?ああ、ベッドの中でなぁ~?』

目の前が真っ暗になっていく気がした。不安は顔に現れ、目は虚ろいでいく。その目で見ようとしたのは、キッチンにいる彼女の姿。
しかし、そんな僕に、『目を反らすなっ!!ちゃんとこっち見ろっ!!』と言う男の力強い言葉。

恐かった…。しかし、この男が恐いのではない、崩れ去るものが大きすぎて、失うものが多すぎて、そんな自分になっていくのが、とても恐いのです。
20/10/05 12:28 (KMpRDiek)
133
投稿者: ナオミチ
吸い込まれるような目だった。それは全てを理解していて、僕のことなど煤けてしまっているに違いない。とても敵わない、大きさを感じてしまう。
大手の重役なのか、それとも恐い世界の人なのか、その威圧は凄いものでした。

『どなたですか?…、』

なんとか聞いた僕でしたが、彼は余裕たっぷりに間を取り、『どうだろうなぁ~?キミの敵かも知れんなぁ~?』と答えてくる。
『どうしたいんですか?加代子さんと僕を別れさせたいんですか?』と聞くが、『キミ、次第かなぁ~?』と言うその眼光は鋭い。
ただ、僕にも1つだけ余裕のようなものがあった。それは、彼を呼ぶ『キミ、』と言う言葉。それがいつ、『お前、』に変わるかは分からない。
つまり、そう呼ばれている間は、彼はまだ紳士なのだ。それでも、言葉は出ない。挫けてしまいそうな自分がいます。

『かかって来ないか?僕がコイツをベッドに連れて行っても、キミは見てるだけか?』

その男の言葉にどんどん追い詰められていく自分。プライドまで捨てそうにもなってしまう。しかし、彼のの言葉が僕を救います。

『僕を誰だと思ってる?キミは今、『このおっさん、誰なんや?』って、考えてるやろ~?けど、立場は同じだよ?
僕だって、キミのことよく知らない。そんなおっさんに何を怯むことがある?自分の女、取られようとしてるだろ?なにを考えることがある~?』

その言葉に、僕は少しだけ彼を見たような気がします。『決して悪い人間ではない。僕を試しているのだ。』と。
ようやく、停まり掛けていた脳が働き始めました。人前で話すことは苦手ではない僕の頭が言葉を生み始めます。

『どなたか知りませんが、僕と加代子さんのジャマをするおつもりなら潰します。やり方はこちらで考えます。
それと、まだ僕を侮辱するおつもりなら、この拳で分からせます。彼女が掛かってることです、こちらもとことん行かせてもらいます。』

そう言い切ると、鋭かった彼の目が和らぎ始めました。顔からも険しさが消え、僕を見て微笑むのです。そんな彼が、キッチンに向かってこう言います。

『だってぇ~!加代子さぁ~ん~??アハハハ…、』

その声は弾んでいました。『加代子』と呼び捨てにしていた彼が、わざとからかうように『さぁ~ん~?』と呼んでいます。
呼ばれた彼女でしたが、それでもキッチンから出ては来ません。

彼は笑いながら、『さぁ~、この兄ちゃんの傍でいたら、何されるかわからんわぁ~。帰ろぉ~!』と席を立ちます。
『加代子~?俺、帰るぞぉ~?』と大きな声で言うと、ようやく彼女が現れました。その目は、どこか潤んでいたように感じます。
彼女は何も言わず、玄関でただ頭を下げてその男性を見送ります。きっと、二人の間ではもういろんな話がされていたのでしょう。

僕は男性に呼ばれ、駐車場に停めてある彼の車の助手席へと乗せられました。車にはエンジンが掛かり、東に向かって走り始めます。
それは行く宛もないドライブ。その車の中で、僕はその男性の正体を知り、彼女を巡っての話を持つことになるのです。
20/10/05 13:23 (KMpRDiek)
134
投稿者: ナオミチ
彼は自分の名を、『田崎』と呼びました。田崎は加代子さんの旧姓、つまり親戚にあたるのです。
そして、その年齢と佇まいから察しはつきました。彼女のお兄さんにあたる方なのです。

『あれが泣いて電話して来たわぁ…。寂しいって…。』

男性のこの言葉で全てが始まりました。助手席の僕は黙って、それを聞いています。

『一矢さん知ってるやろ?あいつの旦那なぁ~?亡くなったけど、その時も泣いて電話してきたわぁ~。バカみたいに泣いてたわのぉ…。
それで、今日もなぁ~。行ったら、元気ないだろ?すぐ分かったわぁ~。まあ、男にフラれたんやと思ったけどな。』

淡々と説明をしてくれるお兄さん。

『そしたら、キミのこと聞かされた…。年聞いて、ビックリはしたけどなぁ?そしたらあいつ、なんて言ったと思う?
味方が欲しいって。キミと一緒に居たいから、そのために僕に味方になってくれって。あいつの家には、もう誰もあいつを支えてくれるヤツいないんよ…、』

僕と居る時には、明るく振る舞っていた加代子さん。しかし、一人になると誰もいない寂しさを感じていたようです。

『仕方ないから、味方にでも何にでもなるから、あいつの傍で居てやってくれ。それで、いつも抱いていてやってくれ。
子供まで亡くして、あれも訳が分からなくなってるんや。あの泣き虫が、普通で居られる訳がないわ。頼むわぁ~。』

それは、妹を思う兄の優しさ。そのために一人芝居うって、僕を試したのだろう。

20分後。彼の車は、また駐車場へと戻っていました。降りようとした僕を彼は止め、こんなことを言って来ます。

『カギ開けとけって言ってるから、行ってやってくれ。60歳のおばさんに言うようなことではないけど、ベッドで抱いてやってくれ。
気にせんと、仲良くしたらええ。それと、今度のゴールデンウイークなぁ、僕が勝手に予定組むから。全部お金出してやるから、二人でどこか行ってこい!』

そう言うと、彼の車は去っていくのです。

握った加代子さんのお店の扉。お兄さんの言っていた通り、カギは掛けられてはいませんでした。
『ただいまぁ~!』と声を掛けると、奥からはこの家の主が出迎えてくれます。
『お帰りなさい。』と言う彼女の顔は晴れていて、きっとそれは彼女が一番望んでいることなのかも知れません。

この家は今、玄関に廊下、そして部屋にも温かい明かりが灯されています…。
20/10/05 14:07 (KMpRDiek)
135
投稿者: ナオミチ
加代子さんは、とてもおとなしかった。男二人で話して来た時ことは気になるのでしょうが、それは間違いなく自分の話。
寂しさから兄を呼び、遠回しにでも僕まで巻き込んでしまっていることを気にしているらしい。子供のような行動をした自分を悔いているのです。

『加代子ぉ~?』と呼んだ僕は、ソファーに座り、彼女を待ちます。何も言わずに近づいてくる彼女ですが、顔には表情がありません。
それでも手を取り、彼女の身体を引き寄せます。頭をを胸に抱き寄せると、彼女の手が僕の身体に回されました。
そして、その顔を何度も押し付けて来るのです。ふと止まると、その顔はぼんやりと横を見ています。彼女にはそれが気持ちいいのです。

そんな彼女に、『ねぇ~?もう、僕は加代子としか呼ばないから。だから、加代子もナオちゃんとかで呼ばないでよ~?』と言ってみました。
彼女は小さな声で、『わかったぁ~…、』と素直に答えましたが、どこかそれには気持ちが入ってはおらず、口先だけのような感じがします。
頭を左右に振り、僕の胸に擦るのが今はそれはとても気持ちがいいようです。眼が閉じると、『好き…、好き…、』と呟いてもいます。
やはり、どこか普通ではありません。それでも、お兄さんから今日の彼女のことを聞いていた僕は、今はただその身体を抱き締めることしか出来ませんでした。

ゆっくりとした時間が過ぎていきます。抱いたまま、1時間が経ち、彼女の頭が置かれてある胸のあたりには、体温でうっすらと汗を掻いているようです。
加代子さんを見ると目を閉じていて、眠っているのかも知れません。その髪に僕は手を延ばします。
何本も刺さったヘアピンが抜かれていくと、さすがに彼女も目を開きました。
普段からこの団子ヘアーを崩すことはほとんどなく、僕でさえほどかれた髪をあまり見たことはないのです。

彼女は顔を下に向け、僕の胸に隠します。そして、あるピンが外れると、真っ黒な髪がバサッと下へと垂れ下がりました。
その量は思っていたよりも多く、そしてとても長いもの。肩など遥かに隠れてしまうくらいの長さがあります。
髪を撫で、隠していた顔を上げさせると、『もぉ~…、』とようやくいつもの元気なあの声が戻りました。
しかし、降ろされた長い髪から覗くその目はどこか不気味で、とてもいつもの加代子さんとは思えません。別の女性です。

『さぁ~、一緒にお風呂入ろぉ~?』と連れ出した僕。起き上がった彼女の髪はボサボサで、正直不気味ささえ感じます。
しかし、人は面白いものです。こんなホラー映画に出てきそうな彼女でも、抱けばちゃんと燃えさせてくれるのですから。
20/10/05 15:19 (KMpRDiek)
136
投稿者: (無名)
読ませる力が群を抜いてる。この傑作をなんとか最後まで読みたいものです。終わったら、ちょっとロスになりそう。そんな作品です。
20/10/05 18:06 (IauJ4uRN)
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