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私は結婚してから妻以外の女性と愛し合うことなどないと思っていました。妻一筋というかむしろ妻が怖くて他の女性のことなど見向きも出来なかったというのが正確な表現でしょうか?それだけ妻は私のことを四六時中監視していた。長年主婦をしていた妻が働きに出たいと言いましたので、大手を振って賛成しました。仕事に夢中となった妻は帰宅時間がどんどん遅くなり、夫婦の会話の量も減っていき、妻が仕事から帰宅するとそのままご飯を食べて風呂に入って寝るといった夫婦生活が続きました。当然、肌を重ね合う時間などなくなり世間でいうセックスレスの状態になるまでそれほど時間はかかりませんでした。それでもお互いの休日になるとセックスをするのですが、お互い気持ちよさだけを追求した性急な快楽のためだけのセックスとなり、愛を深めるためのセックスとはかけ離れていました。
そんな時、妻との会話が減り無性に人が恋しくなった私でしたが、さすがに出会い系サイトに登録するのは気が引けましたので、無料で出来るチャットをすることにしました。女性が作成した部屋はすぐに男性からの訪問がありなかなか会話を楽しむことが出来ませんでしたので、ダメ元で部屋を作成することにしました。エッチをするのが目的ではなく、恋人のような会話をしたいといった希望をコメントに残しました。ですが、さすがに多くの男性が部屋を作っているため、女性からの訪問を諦めていました。 すると、部屋を作ってから数時間が経過した時、1人の女性からの訪問がありました。ただ、なかなか訪問に来てくれなかったこともあり、常時ネットを見ていたわけではないので、私が自分の作成した部屋を見たのはその方が訪問に来てくださいました1時間後ぐらいでした。私は急いでチャットして訪問して来てくれたことのお礼を書きました。さすがにこんなにも時間を待たせて滞在している女性はいないかと思っていましたが、私も10分ほどは画面を開けたまま返信が来るかもしれないといった淡い期待を持って待っていました。すると、彼女からの返事が来ました。私は初めてのチャットで部屋に訪問して来てくれたことが嬉しく思い、その感謝の気持ちを彼女に伝えました。何気ない会話からお互いの身の上話になっていき、お互いの悩みを打ち明けるような会話になっていきました。 そのうち彼女の方から、直接メールでやりとりしませんか?という話になりましたので、チャットを終了させてメールでのやり取りを開始しました。もちろん、2人きりの会話ですので、お互い結構突っ込んだ話まですることになりました。会うなんてことは全く考えておりませんでしたが、聞けばかなりご近所さんであるということが分かり、後日お会いすることとなりました。
2019/05/20 15:10:33(mK0BPSZT)
私は寺沢から聞かされた話を懐かしく思い出していた。寺沢の事務所に入ると従業員と思われる人たちが忙しそうに動き回っていた。
「おおっ、高木じゃないか?どうしたんだ?」 「あぁ、何だか懐かしいことを思い出したから、ここに立ち寄ることにした。それにしても大忙しだな。」 「どうだ?俺の先見の明は。」 「さすがというしかないな。」 私は寺沢に案内されるようにソファに座らされた。 「ところで今日は何の用だ?」 「あぁ、ちょっと色々あってな。」 「もしかしてあの美人の奥さんのことか?」 「まぁそれもあるが、ちょっと相談しにくいことなんだけどな。」 私は彼女との関係、そして彼女が抱えている悩みについて寺沢に相談した。
19/05/27 18:12
(7P/rtKXL)
「お前も結構やるじゃないか?あんな美人の奥さんと結婚しといて。」
「まぁ結婚したら女は変わるからな。」 「いやいやそれは違うぞ。変わるのは男の方だ。浮気調査の専門家がいうからそれは間違いない。女はいつだって男に話を聞いてもらいたいだけだ。ただ、男は結婚するとどうしてもいつでも奥さんの愚痴を聞かなければならないからな。それをだんだん面倒だと思うようになって適当に話を切り上げようと話を聞くのではなく、こうしたらいいとアドバイスするようになるんだ。夫婦の問題は大体この辺から生まれてくるもんだぞ。」 寺沢のいうことに反論の余地はなかった。確かに寺沢が言っていることが正しいのであろう。けれども、他人妻というのはそれほど魅力的というものでもある。それに、男も話を聞いて欲しい時もあるんだぞ。私はそんなことを思いながらも言葉にはせずに寺沢の話を聞いた。
19/05/27 18:18
(7P/rtKXL)
「事情はよくわかった。お前は彼女を何とか助けてやりたいんだな。まぁ、それぐらいなら簡単なことだ。ようは、彼女の会社の上司にセクハラをやめさせて、彼女の元カレに彼女から借りた金を返させた上に付きまとわないよつにさせるってことだよな。あとお前これも考えていた方がいいぞ。」
寺沢は含みを持たせたような言い方で続きを話していった。 「彼女の旦那さんのことだよ。過去に浮気をした女というのは他にも色々と何かをしているもんだ。その辺も旦那さんは気づいてるんじゃないか?」 私は初めて彼女の旦那さんがもしかすると彼女の浮気を疑っているんじゃないかということに意識を向けた。 「言われてみたら確かにそれもあるかもしれないな。」 「旦那さんがその気になれば、今の時代簡単に浮気調査なんて出来るんだぞ。」 「寺沢が言うんだったら、間違いなくそうなんだろうな。」 私は一つ心配事が出来た。
19/05/27 18:25
(7P/rtKXL)
「まぁその辺も任せな。お前に疑いが向かないようになんとかしてやろう。他にはないのか?お前の奥さんのこととか?」
何で寺沢は私が妻との間に悩み事があるのを知ったのか不思議だった。だが、この道のプロだけにクライアントの表情を見るだけである程度相談内容がわかるのかもなと思った。 「奥さんも浮気してるんじゃないのか?」 はっきりと寺沢の口から言われると否定したくなったが、どうやらそれは寺沢の前では通用しないようだった。 「その辺も合わせて調査してやる。友達価格だぞ。」 「えっ?お金を取るんか?」 「当たり前だろ。俺もそんなに暇じゃないんだぞ。お前も事務所の中の人の動きを見ただろ?」 「んまぁ、それは確かに。」 「じゃあ料金は前払いだ。今から外に行くぞ。」 私は寺沢に言われるがまま、寺沢の探偵事務所を後にした。
19/05/27 18:31
(7P/rtKXL)
「ここだここだ。」
寺沢について到着したのは、即日金を借りられる24時間カードローン無人契約機が3つほど並ぶところだった。 「ほれっ、行くぞ。」 私は覚悟を決めてその無人契約機の一つの中に入ろうとした時、「おいおいそっちじゃない。こっちだ。」と寺沢に言われた。 それは、私と寺沢が高校時代によく通っていたラーメン屋だった。学生時代のお金がない時にここのご主人さんが通常料金で麺を大盛りにしてくれた私たちの青春の思い出のラーメン屋だった。 「懐かしい。まだやってたんだな。」 「あぁ、ご主人はすでに亡くなられているが、そのお子さんが2代目を継いだあの味を受け継いでくれているんだ。ほらっ、入るぞ。」 店内は当時のままの配置だった。多少テーブルや椅子が新しくなっている以外にあの頃と変わった様子はなかった。 「らっしゃい。おお、寺沢じゃないか?それにそちらは…あぁ、高木じゃないのか?懐かしい。ほんまよく来てくれた。」 何と厨房で2代目として立っていたのは、寺沢と同様に幼稚園から一緒にいた吉田だった。
19/05/27 18:40
(7P/rtKXL)
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