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「風呂入ったの?」
頭をタオルで拭きながら居間に戻ると、テレビを観ていた夫が不意にそう言った。 「んー」 暑くてけだるかったので適当に返事をする。 「あ、そう」 自分から聞いといてその返事はなんだと思ったが、言うのもしんどいので無視しておいた。 息子の夏休みが始まり、夫も休暇を貰ったらしい今、なんだか一人の時間が減ったようで気が滅入っていた。 息子が行きたいというので亡くなった祖母が持っていた古い家に遊びにきたわけだが、クーラーはないわ テレビのチャンネルも少ないわ、おまけに夫が家にずっといるわで心が落ち着く暇がないのだ。なにより暑い。それが一番嫌だ。動いても汗をかくがじっとしていても滝のように汗をかく。 あまりにべたべたして嫌だったので、風呂に入っていたのだ。 「純は?」 相変わらずこっちを向きもせずに夫が聞く。 テレビからは高校野球の解説者が何かを熱く語っている声がする。 「純は、この辺の子と友達になったみたいでキャッチボールしに行ったって。お父さんが相手してあげたらいいのに。どうせ暇でしょ?」 そういうとやっと夫がこっちを向いた。 「あのさ、最近由里子って俺のことお父さんって呼ぶよね」 はい?……頭にはてなが浮かぶ。 「……だってお父さんじゃん」 「そうだけど………」 本当に言いたいことがあるとき、この人はいつも回りくどい。 目線をそらして寂しそうな顔をしている。 「………嫌なの?」 「下の、名前、がいいんですけど」 ぼそっとそう言われた。 二人の間に聞こえてきた蝉の声が、一瞬の沈黙を引き立てる。 「あ、そういうこと!?」 「今 純いないから……」 相変わらずもじもじしている。あまりに急だから少し可愛く思えてしまって、噴き出した。 「えーと、正彦、さん」 「……!」 なんだかちょっと嬉しそうだった。 結婚してしばらく経つけれど、昔からこの人はよく分からない。まさか名前で呼んでほしいとずっと思っていたなんて。 「………由里ちゃん」 夫も触発されてか付き合っていた頃の呼び方で私を呼び返した。 その時ふと20代の頃の正彦さんを思い出して胸がどくんとなった。 目が合うと、優しい目で私を見つめていた。 また胸が鳴る。呼吸が止まりそうになる。 正彦さんは私の濡れた髪に手をやさしく添えて引き寄せ、すごく丁寧にキスをした。 体温があがって、せっかくお風呂に入ったのに汗がじわりと滲んできた。 「……暑いな」 そう言って正彦さんは扇風機をつける。 お風呂上がりの体に風が気持ちよかった。 私は思わず俯いて、そのまま静止していた。 二人きりになったのはいつぶりだろう。 純が生まれてからはほとんどなかったはずだ。 キスどころかデートも出来てない。 それなのに。 何度も頭の中でさっきの正彦さんのキスがぐるぐると回った。 久しぶりに「男の人」の顔をした夫をみた。 それに随分緊張して、熱くなってしまう。 扇風機の風が私に当たっているはずなのに、汗が止まらない。 「由里ちゃん」 耳元で話す夫の声にびくっ!と反応する。 それは紛れもなく、「男」である夫の声だった。 だめ、やめて……! 「こういうの久しぶりだね」 正彦さんが私の腕をわざとつーっと撫でる。 「……ぁ、っ」 私の反応を楽しむみたいに耳にキスをする。 「あっ、やだ……」 「………嫌?」 目を合わせてそう聞かれると、首を横に振るしかできなかった。 「可愛い」 そういうと正彦さんは私にキスをし始める。 どちらからともなく舌を絡ませ、半ばわざと音を立てられながら、お互いの唾液を混ぜ合った。
2018/10/10 05:08:10(wn7OAprQ)
投稿者:
愛
じゅる、じゅ、じゅっ、と下品な音が響く。
「あ、……っ、んんっ……やっ……!」 「…由里ちゃんすごい声出てるね。外に聞こえないようにしなきゃ」 そう言って手元のリモコンでテレビの音量をあげる。高校野球の解説の声が一段と大きくなった。 「これでいっぱい声出せるから、いっぱい感じて」 またキスを再開される。 音量を上げたからかさっきより大胆に舌を絡められ、舌を吸われ、私も大きな声が出てしまった。 キスされながらいつのまにか乳首にも手を伸ばされ、お風呂上がりで下着をつけていない私の乳首を、洋服越しに擦られ、つままれ、弾かれた。 「あっ!!あ、あ…っ……!」 「………すごい硬くなってる、ほら」 じゅるるる! 薄いTシャツ越しに乳首を思い切り吸われ、恥ずかしいほど硬くなった乳首の形が浮き出た。 「あ、あ………やだ、はずかしい………」 そういうと正彦さんはすごく満足そうな顔をして、 「……もっと恥ずかしいとこも見せて」と私のパンツをずり下げ、大きく足を開かせた。 「………あ、いや、……嫌…っ!!!」 真昼間の居間で、あらわになる私の性器。 足を閉じたいけど押さえつけられていて閉じることができない。 恥ずかしさで泣いてしまいそうだった。 「お願い、いや……みないで、嫌だ……」 「………すっげえエロい」 まじまじと見つめられ、我慢できなくなったように、正彦さんは私の性器を舐め始めた。 じゅる、じゅぱ、じゅっ、じゅっ! さっき絡めあったあの舌の感触が私の恥ずかしいところを這っている。 暖かくて柔らかい、夫の舌が私のクリトリスを舐め、吸い、時折ナカにまで出し入れして…。 「ああっ、……!!あっ、嫌ぁ……っ!」 「すごい濡れてる………久しぶりだから興奮してるの?」 口では嫌と言っていても、正彦さんに意地悪を言われるたびにあそこが反応してしまう。 じわ、っと恥ずかしいのが溢れる感覚がする。 こんな明るい中で足を無理やり広げられて、ナカまで犯されて、私は正直とても興奮していた。 いつの間にか汗が首を伝っていたがそんなことはどうでもよかった。 ………セックスがしたい……。 はやく、正彦さんの熱いのを挿れて欲しい。 たくさん意地悪を言って、いじめて、中に出して欲しい。 正彦さんのいいなりになるから、正彦さんのものにして欲しい……。 息子が生まれてからもう何年もしてなかったけど、本当はずっと夫のことを大好きだったし、キスもデートもしたかった。 ずっと我慢して、ずっとこっそり夫の服の匂いを嗅いでオナニーしていたのだ。 やっと二人きりになれた。やっと男の顔で見つめてもらえた。 もう我慢できない……。 「正彦さん、挿れて欲しい……」 「俺もちょっともう我慢できないかも……でも、ゴム、」 「いいから!」 「………いいんだ?」 嬉しそうな目に変わったのがわかる。 ああ、その目…!そう。そういう目で見られたかったの、ずっと! 「挿れるね…」 体重をかけるようにして正彦さんの大きいモノがぬる、っと入ってくる。 「あ、あっ、ああっ………!」 体が嬉しくて震える。 ずっと欲しかった、ずっと、正彦さんので、いじめられたかった……!! 「あぁっ………すっごい、ぐちょぐちょで気持ちいい………!」 抱きしめられながら根元まで挿れられると、我慢できないようで、いきなり激しくピストンされる。 「あ!あああああっ!!!だめ、だめええぇぇ!!!」 ずっちゅ、ずちゅ、ずちゅっ! 恥ずかしい音とともに容赦なく腰を振られる。 奥をゴツゴツと突かれ、私の性器からはだらしなく愛液が溢れ出て、アナルの方まで垂れてしまった。 私のことなんて考えず、「使われる」ようにただ夫に腰を振られるこの状況に、私はとても興奮していた。 ずちゅ、ずっ!ずっ!ずっちゅっ! 腰を振られるたびに快感が子宮から押し寄せてくる。 早くも私の体は敏感に反応し始めた。 …だめ、くる、きちゃう、きちゃう!!! 「あ、あああっいく、イクぅううっ!!!」 がくがくがく、っと痙攣し、久しぶりのセックスで私はイッてしまった。 じょろ……と伝うものがあって、失禁したことに気づく。 「あ、はあっ……はあっ……!」 「もうイッたんだ…?」 がくがくと痙攣が止まらない私を見て、正彦さんが一気に性器を抜く。 「ひいんっ!」 じょろろろろ、と止まらないおしっこが畳にシミを作っていく……。 「……由里ちゃん、大丈夫?」 力の抜けた体でとうなずくと、 「じゃあ続きしよっか」 と正彦さんが嬉しそうに言う。 「えっ、い、いったばかりだから、あの」 「俺はイッてないよ?」 四つん這いにさせられ、バックで突かれる。 「あ、あああああっ………ああああ!!!」 パン、パン、パン!!!と音が鳴るほどに激しく後ろから突かれる。 「……久しぶりのチンポ調教気持ちいい?」 「んあああっ………!!!好き、好きですっ……!!!チンポ調教好きいい!!」 正彦さんにいじめられればいじめられるほどに快感が波のように襲ってくる。 突かれるたびに私は何度も絶頂に達していた。 「ほら、俺の名前呼んで……お父さんじゃなくて、名前で呼んで、正彦さんのチンポ調教気持ちいいですって言って」 「あ、あ………正彦さんの、ちん、ぽ調教気持ちいいですぅ………」 「………じゃあもっとしよっか」 そう言ってさらに激しいピストンで責められる。 「あああああっ!!!!!!もう、もうだめえええ!!!!あっ、ひ、ひいっ」 「あ、ああっ、俺、も、いきそう………!中出しくださいは、?ほらっ!!」 頭の中が真っ白になり、どうでもよくなってしまう。この人のいいなりになりたい! 中にたくさん出されたい……!!! 「なか、っ………中出しくださいぃいっ………!!!!だめぇっ!!!いくううう!!」 「あ、くっ、出る………あああでる、でるっ!」 どくっ!どくっ!!! 「ああっ!!!あっ…!あぁあ………っ」 一番奥に勢いよく正彦さんの精液が放たれるのがわかる。 嬉しくて、気持ちよくて、体が痙攣し、その場に崩れ落ちる。 出した後の性器をずるっ、と抜かれると、私はまたおしっこを漏らしてしまった。 畳にまたシミができてしまう。 「はっ、はあっ、はあっ………」 気持ちよくて頭がぼーっとする。 いつのまにか私たちは汗だくになっていた。 ……ぼーっと崩れ落ちていると、後ろで高校野球の解説がサヨナラホームランを告げた。どこかの高校が勝ったらしかった。 私たちは見つめあい、肩で息をしながら ふふ、と笑い合った。 「……正彦さん、高校野球終わっちゃったね」 「いいよそんなの」 テレビを消したら、二人で久しぶりにお風呂に入ろう。 息子が帰ってくる夕方まで、まだたっぷりと時間があった。 終わり
18/10/10 05:09
(wn7OAprQ)
投稿者:
愛
初めて官能小説を書いたので至らぬ点もあると思いますが、是非読んでください!
女性視点は難しかったかも……。 だいたいが私の妄想です、失礼しました(〃ω〃) 夏の暑い日に久々に二人きりになれて 汗だくでエッチするのが私の理想の夫婦です(〃ω〃)
18/10/10 05:16
(wn7OAprQ)
女性視点の官能小説……やっぱり素敵です。奥さんがエロ過ぎです!
真っ昼間から大声で喘いで、垂れ流しながら失神なんて♪やっぱり女性はエロスを追い求める女神なのかな……感動しました。 続けての執筆を期待して待ってます。
18/10/12 03:50
(G3vyGml.)
投稿者:
土屋
ありがとうございました。
素敵でした。
18/10/14 12:40
(uFDT47YH)
投稿者:
開
夏の暑さやセックスの快感といった情景がくどいほど伝わって来て興奮しました。
本当は女として構って欲しかった妻の気持ちや、夫から正彦さんへ呼び方が変わった瞬間が可愛らしく感じられて好きです。 使われたい、の一言に思いが凝縮されてるように感じます。笑 作者様の気持ちがストレートに伝わって来るとても良い小説だと思います。 とても楽しかったです! ありがとうございました。
18/11/03 00:22
(COtFRHBi)
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