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1:島に向かう船の中で。
投稿者:
タキくん
22歳です。ちょうど1年前から、ある小さな島で仕事をしています。そこは、本土から定期便が一日6往復しています。
朝一番、昼前、昼一番、そして帰りの5時の船。それ以外の2便はあまり乗客はいません。その時は、配達の荷物を運ぶのがメインみたいです。 そんな誰も乗らない便で、僕は通勤をしています。 島に行き始めた頃、この便には僕を含め5名程度が乗っていました。毎日同じ顔触れ、席もほぼ決まったところに座るので、乗客の方の顔もすぐに覚えます。 その中に2人のおばさんがいました。僕の目の前の席にいつも二人で仲良く座り、島に着くまで話し込んでいます。 いつからか、僕も輪に入って、後ろの席からお二人と会話をするようになり、それが習慣となっていきます。 ある時、いつも二人なのに、今日は一人しか現れません。『あれ?もう一人は?』と聞くと、『転勤になったのよー。』と答えられました。 やはり、残ったおばさんはどこか寂しそうです。そこで、普段後ろの席に座っていた僕が、彼女の隣にすっと座ります。これが始まりでした。 彼女の名前は『日佐子』さんと言いました。57歳で、島の郵便局(プレハブですが)で働いている方でした。細くて、肌が白い。そして、厚化粧です。 もう一人のおばさんと座っている時は、ペチャクチャと賑やかに話をしていたおばさんも、さすがに相手が僕ではそうもいきません。 それでも何日かすると、気軽に声を掛けてくれるようになっていました。片道約20分の僅かな時間が楽しみになっていきます。 最初から、おばさんに好意がありました。後ろから見る厚化粧が妙に色気があったのです。それが、僕が隣に座わることで、おばさんに伝わってしまいました。 きっと、イヤらしい目付きでおばさんの顔やお化粧、更には胸元や身体全体まで見ていたのだと思います。 おばさんは僕の好意を嫌がらず、いつの間にか彼女も『僕に興味を持っていた。』と語っていました。 最初に触れたのは、彼女が首にしているネックレスにでした。手を延ばして、『これ、高いでしょ?』と質問しました。 この時、おばさんはときめいたと言います。おもむろに、男性の手が胸元に延びて来て、そしてネックレスを掴みました。 もちろん、男性の手は彼女の首にも当たって触れます。後で分かることですが、男性はご無沙汰だったと言います。 僕も分かっていました。身体に触れた時、嫌がる素振りはなく、彼女の動揺が伝わって来たのです。『どうしたらいいんだろ?』って感覚です。 船の最前列、椅子の背もたれが頭を隠すほどの高さがあり、後ろに座る数少ない乗客から見えないことで、そこには僕達の空間がありました。 最初はネックレス、次に彼女の手、そしていつからか彼女の少し尖ったアゴを、子犬を可愛がるように触っていました。 最初はとても恥ずかしそうでした。しかし、それが毎日となると彼女も慣れ、僕の手が首に触れると、もう女の顔をしています。 船の中では、ずっと彼女の首に手をあてていました。目と目が何度も合い、二人が距離を少し縮めれば、いつでもキスが出来る状況でした。 ところが一緒になるのは行きの船の中。帰りは別の便。島に上がるとお互いに仕事。本土に戻ると、彼女はすぐに家に帰って、主婦にならないと行けません。 すれ違う二人にチャンスが訪れます。お昼前に出た、早退の命令でした。午後から風が強くなり、船が出せなくなるので、早めに本土に帰れということです。 僕は、それが初の経験です。でも他の方は、こんなことは稀にあるようで、慣れたような感じでした。 港に向かっていた僕。彼女の働いている郵便局の前に差し掛かりました。ちょうど、日佐子さんがシャッターを閉め、帰るために施錠をしていました。 僕の顔をみて、『はやくしないと、帰れんようになるよ。』と注意をしてくれます。 船は荒れ始めた海を、本土に向かって進んで行きました。ただ、その客室には、僕と日佐子さんの姿はありませんでした。 10分前にさかのぼります。 一度閉じられた郵便局のシャッターは、再び上げられました。彼女の携帯が鳴ります。港からです。その電話に『私、ちょっと残るわぁ。』と答えていました。 電話を切ると、『少ししたら、電話する。電話番号教えて。』と彼女に言われ、そこで初めて彼女と番号の交換をします。 その足で、雨に打たれながら、僕は少し離れた工事現場の小さなプレハブに逃げ込みました。行くところなんて、ここしかありません。 約1時間後、僕の携帯が鳴ります。もちろん、日佐子さんからです。『どこにいるん?』と聞き、この場所を教えました。 昼間なのに、空は薄暗くなっていました。プレハブの中から、外の様子を伺います。しばらくすると、向こうから赤い傘をさした女性の姿が見えました。 豪雨になりつつあったため、彼女の傘は役目を果たさなかったようです。全身、びっしょりでした。僕はタオルを渡し、彼女はそれで全身を拭きます。 プレハブの電気が消えました。僕がスイッチで消したのです。これで、外からは見えづらいはずです。タオルで拭いていた彼女も手が止まります。 全身雨に濡れた彼女を抱き締めていました。きっと躊躇すると思った彼女には何もさせません。すぐに激しいキスで唇を押さえつけます。 唇が離れると彼女は何かを言っていました。でも、言わせる気もなく、何度も唇を塞ぎます。 ぎこちない彼女なりに答え始めました。この数か月の二人の思いが爆発仕掛けたのです。彼女のお尻は、事務机に押し付けられて、僕のキスを受けていました。 もう何十回唇を重ねたのか分かりません。少し落ち着くと、お互いの激しさに少し笑ってしまいました。 『好きです!』と告げると、『私も…。』と答えてくれました。薄暗いので、彼女の表情は分かりませんが、きっと笑顔で答えてくれたと思います。 しばらく黙って、プレハブの中から二人で外を眺めます。目では激しい雨を見ていますが、心ではこれからの行動を考えていたのです。 『抱き合える場所ある?』、僕なりに気を使いながら、少し遠回しに聞きました。『どこかでセックスしたい!』って言ってるようなものです。 しかし、日佐子さんはその言葉にも動揺を見せませんでした。普通に頭を使って、考えてくれていました。
レスを見る(2)
2017/03/10 13:11:03(G3NgWJwo)
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