いつも薄暗く、ブラックミュージックが流れるそのバーは、カウンターしかない。今日も一人、仕事帰りに立ち寄る私。
貴方は同僚らしき人と、グラスを傾け、談笑している。
まくりあげたワイシャツの袖から見える、うっすらと筋肉ののった腕。
あの腕に触れたい。。。私は貴方の隣の席に座る。
大抵はビール、たまにカクテル。
でも今日は少し強いお酒が飲みたくて、ズブロッカを注文する。冷凍庫で冷やしても凍らず、少しだけとろみを増すウオッカ。
連れのいない私は、カウンターのバーテンと適当な世間話をする。右隣の、貴方の腕を意識しながら。
「ウオッカですか?お酒、強いんですね。」同僚らしき人が席を立ったタイミングで、貴方が私に話しかける。
うん、ズブロッカ。飲んだことある?
いえ、知りません。
試してみる?
私は、ショットグラスを貴方の前に
差し出す。貴方は私の口をつけたグラスを、そのまま口にはこぶ。
どう?
美味しい。
少年のような笑顔に、ヤられてしまう私。