取引先から大きな不当たりをくらってしまった立花は、たちまち倒産の危機にひんし、あれこれ金策に走り回りましたが、どこも相手にしてもらえず、総てを尽くした所で、仕方なく金城にお願いする事にしました。

金城は立花のゴルフ仲間で、裏でトイチ金融いわゆる闇金を営んでいて、日頃から困った時はいつでも言っておいでと立花に言っておりました。

立花が金城にお願いに行くと、貸すには貸すが奥さんに連帯保証人になってもらってくれと言うので、仕方なく妻を連帯保証人にし、金城から６００万円の融資を受けました。

立花は他にも借金をしていたので、金城への返済は利息分だけでも精一杯で、次第にその利息さえも遅れ気味になりました。

『社長、ええ加減にしなはれや、もう社長じゃ話にならんから明日奥さんを寄越して下さいな』

立花が金城に度々返済の猶予の電話を入れると、金城は激昂し、妻の佑香に直接話をしに来る様にと言いました。

３０代になったばかりの妻の佑香は、夫の事業に全く携わってなく、結婚してからずっと専業主婦でしたが、夫の危機に少しでも協力しようと恐る恐るながらもひとりで金城氏の事務所を訪れました。
かなり激昂していた金城でしたが、佑香がひとりで話に来ると一変してニコニコと話をし、これからの返済計画について親切に相談に乗ってくれました。

『私もパートでもして少しでも返済します』

という佑香に、金城は、それならばうちの事務所で事務員として働かないかと言い、ちょうど事務員が辞めて困っていた所だと言った。

佑香は夫に相談してから返事しますと言って帰宅し、帰って立花に相談すると、立花はいい返事をしなかった。

悪い予感が走り、それだけは止めてくれと言ったが、事務員として手伝っていれば、利息も少し負けてくれるかもしれないし、何より時給千円もくれる事務員の仕事は他にないという理由で、佑香はさっさと行動に移し、翌週から金城の事務所で働く様になった。
最初は９時～６時まで勤務の約束だったが、金城の仕事は夕方からが忙しく、８時９時終わりが当たり前になった。

金城は男好きのする佑香の体を最初から狙っていて、これまでの事務員も全て手を出していた。

大学時代からの付き合いで立花と結婚した佑香は、男は立花しか知らず、そういう面では無防備で金城がまさかそんな目で見てるなんて思ってもいなかった。

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