１５年前、俺が３１歳の時、勤めていた会社に、高卒入社してきた一人が紀
子だった。配属は俺の部署ではなかったが、学生時代は陸上のインターハイ
選手だったという紀子の容姿は、他の連中とは一線を隔していた。
鼻の先がチョンと上向いたハッピーターンが妙にコケティッシュで、大人っ
ぽい顔立ちとのミスマッチも妖しい魅力を譲していた。
製服のタイトスカートから無造作に出された両下肢にはいつでもパンストは
はかれていず、大きからず小さからずのヒップの後姿は生唾物だった。
ブラウスの盛り上がりから推し量る紀子の胸は、決して巨乳ではなかった
が、それなりに形のよさと量感を想像させるに充分だった。年増だったらう
んざりする、小首をかしげてニッコリ微笑む仕草も、充分若さの象徴として
魅力的だった。
しかし紀子は他部署の女子社員、くわえて俺はこわもてタイプの課長で３１
歳、おまけに、家には女房、子供つき・・・。しょせんどうにかなるもので
もないと別に気にも留めていなかった。
ところがとんでもないチャンスは、思いがけず突然やってきた。

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