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1:体験
投稿者:
こうじ
◆vNQ2Vpl1oQ
ぼくは、52歳。妻は48歳になります。 妻はここ1~2年ほど、求めに応じなくなって、自分自身は、まだ性欲が生 じることがあります。 このギャップを埋めたいと思っていたとき、 会社の掃除のおばさんが目に留まったのです。 お掃除おばさんは、47歳で美人ではないですが、れっきとした人妻で、 性欲を満たしたいという欲望の対象としては、十分です。 おばさんと言っても、ぼくより若いのですから、そう言うのはおかしいの ですが。 彼女は大きくないぼくの職場に、水曜と金曜の週に2回掃除に来ます。朝 7時から9時までの、会社の業務が始まる前に清掃をすませて帰るのです。 会社は、9時30分からの始業になっているのですが、ぼくはたいてい9 時前に職場に来るので彼女を知っていたわけです。 「豊村さん、いつも早くからたいへんですね。」 と声をかけたり、世間話や家庭の話をしたり、すっかり顔なじみになってい たのです。 水曜と金曜の朝、絹江さんに出会うのがなにやら楽しくなって、綺麗に掃 除の作業をする、彼女を見ながら自分の仕事の準備やらをするのが、常とな っていました。その間に、世間話をしたり、家族のことを聞いたり、話した りしていました。 この前の火曜日には、映画の話題を持ちかけました。うまく映画にでも誘 おうと考えたからです。 「映画は、最近見ていないわ。」 「そうだね、なかなか映画館まで行くとなると時間がとれないからね。」 などと言いながら、新聞を見ていま気付いたように、 「○○が、今来ているんだね。おもしろそうだね。」 と水をむけると、 「ああ、この前テレビで予告のコマーシャルしてたわ。おもしろそうだわ ね。」 「そうだね、会社も忙しくて、ゆっくり映画でもみたいなぁ。」 と言うと 「そうね、ながいこと映画館に行ったことがないわねぇ。」 としみじみと言うので、 「どうだい、そのうち行ってみるかい。」と軽く誘いをかけたのです。 「そうなるとうれしいけど。お忙しいんでしょ。むりしなくても良いわ。」 と言って別の部屋の掃除に僕のそばから、移動していった。 もう少しだ。ぼくは、焦らずにゆっくりいこうと、次の清掃日を考えた。 同じ週の金曜日に、また絹江さんは清掃にやってきた。 水曜日と金曜日に、清掃会社から派遣されて、会社の始業時間の前に清掃 業務にやって来るのだ。 始業時間は9時30分で、絹江さんは朝早く来て、仕事のじゃまにならな いように、みんなが出勤してくる前に、清掃が終えるようにしているから、 いつも9時過ぎには、終わっている。 「豊村さん、いつもごくろうさま。」 そう言って声をかける。 「○○さんは、いつも早いんですね。」 絹江さんは、明るく答えてくれる。 「水曜と金曜は、豊村さんに会えるから、元気が出ていいよ。」 と言うと、 「まあ、うまいこと言って、○○さんたら、なにもでませんよ。」 と笑顔で答えながら、床を掃く手は止めず作業を続ける。 ぼくも、作業をする絹江さんを視線におきながら、自身の仕事の準備をす る。 向こう向きに、箒を使っている絹江さんの後姿が見える格好になる。 作業着に履いているズボンのヒップラインの、ミッシリとしたあたりが妙 に目がいってしまう。 50近くても、性欲を解消させるには十分魅力的だ。 「豊村さん、この前言ったけど。」 ぼくは、そう切り出した。 「え、なにのことだっけ。」 振り返りながら、笑顔で答える。 「うん、映画だよ。この前言った、映画のことだよ。」 「はぁ、ああ○○が上映されてるって言ってましたね。」 「うん、そうなんだよ。このところ忙しくて、なかなか休みもままならない んだが、明日の土曜日は休めるから、どうだい一緒につき合ってくれないか い。」 ぼくは出来るだけ明るい調子でそう言った。 「それとも、予定があるの?」 「いえ、明日の予定はないけど、私なんかといいんですか。」 と、少しとまどったような表情で、しかし嬉しそうにそう言う。 「ああ、もちろん豊村さんが、一緒に行ってくれればありがたいよ。いつも 事務所を綺麗にしてくれてお礼もしたいしね。」 「お礼だなんて、これは私の仕事ですし。」 「じゃ、つき合ってくれるんだね。ありがとう。」 ぼくはそう言って承諾を取り付けた。 映画館は、となりの街のものにした。 近くだと、誰かに知れるかもしれないと思ったからだ。 翌日の2時からの上映時間に合わせて、映画館の「後の席のあたりで」と言 って、直接映画館の席で合うことにした。 映画館の前とかで待ち合わせて、人目に付くことを避けたかったためだ。 入場券は、用意していたから 「これで入ってください。中で会おう。今から楽しみだよ。」 と言ってチケットを手渡した。 「ほんとにすみません。2時からだと、朝慌ててずにすむから、良いです わ。」 嬉しそうにそう言って、チケットを受け取った。 お互いが50歳前後でも、女性を口説き、そしてあわよくばものにしよう とする下心があると、妙にどきどきとして、興奮を憶えるものだ。 しかし、ここまでくれば、あとは大人同士だ。 明日の土曜の午後が楽しみで、その日はあっというまに仕事を終えた感じ が した。 待ちかねた土曜日。早や目にお昼をすませてから、シャワーを使ってラフ な服装で、車に乗り込む。 家内は、友達とお昼前にマリノアに出かけた。夜もすませてくると言って いたから気が楽だ。 なにか、独身の青年に戻ったような気分だ。車で20分弱で、シアターに 着いた。 前の駐車場は余裕があったが、ぼくは敢えて裏に回って、空き地に駐車し エンジンを切った。 シアターの裏は、山が迫っていて、駐車場ではないのだが、空き地になっ ていて、車を置くのに良いスペースになっている。 お客は、ほとんど前の駐車場に止めて、この秘密(?)の駐車場には気付 かない。 その裏からゆっくりとした足取りで、前の入口にまわって、はやる気持を 押さえて、中へ入っていく。 暗い館内に入ると、次週上映の予告がスクリーンに映し出されている。 目をこらして館内の後部座席を見ていると、薄ぼんやりとした中に、豊村 絹江さんが、座っているのを認めた。 清掃に来るときと違って、髪を肩まで垂らして、清楚な半袖のワンピース である。 奥様が、ちょっと買い物に来ていると言う服装だ。召かし込むと、どこに 出かけるのかと詮索される、周りに気を遣った利口な服装だと思う。 ぼくは、周りを確認して、ゆっくり側に行き、隣の席をひとつ置いて腰を 下ろした。 ぼくに気付いた絹江さんは、嬉しそうに笑顔で会釈する。 ぼくも笑顔で答えて、周りに覚られないように「ありがとう」と小声で挨 拶をする。「ありがとう」は、「来てくれてありがとう」と言う意味だと、 そしてまもなく、ぼくの欲望を満たしてくれることへの、お礼を込めたあり がとうだと言うのが、正直な気持だ。 しかし、100%そうなるかどうかは、まだわからない。 予告が終わり、映画が始まったが、ストーリーなど頭に入らないで、はや く終わらないかと思ったり、映画館を出てからの手順に、思いを巡らせたり する。 途中で席を立ってお菓子とお茶を買って、絹江さんに渡したりして、映画 を楽しんでいる装いをした。 絹江さんは、画面に目を集中していたが、ときおりぼくの方をみて、微笑 みかけてくれたりした。 ここまで来て、映画の後、「今日は楽しかったわ。ありがとう。ここで失 礼します。」と言って、去られることも想定し、それだけは回避し、次の手 順に着手しなければならない。 ストーリーも、中盤から終盤に入る頃に、買ってきたチョコレートを渡そ うとしながら、 「終わってから、少しぼくの車を見てみないかい。よく走るんだよ。」 と言ってみる。 「あら、そうなの。」 そう言って、前を見たまま画面を見続けている。 ぼくはしばらく、そのままで、目で画面を追いながら、クッキーを食べ、お 茶を飲んで、 「コーヒーの美味しい店があるんだ。」と言う。 「そうなの。」 絹江さんは、受諾とも、拒否ともとれる返事を返して、見続けている。
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2006/08/17 06:48:57(UmWV91l9)
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