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1:犯罪者1
投稿者:
土雲
どんな人間も幸運と不運は絶妙なバランスで、時に人生を面白く、時に人を堕落させる。
学生時代、同級生たちが青春を謳歌している最中に私は勉学に心血を注ぎ、国立大学現役合格を果たした。 若かった私は、女性の体へ興味・期待・想像が溢れ出し、どうしようもなく湧き上がる性欲を押さえつけて、〝合格さえすれば・・。〟と、まるで容姿端麗・スタイル抜群の理想の美女が合格すれば手に入るかのように思い、勉学に励んでいた。 しかし大学に合格したところで、内向的な性格とその手の経験を何も持たない私は耳年間の頭でっかちになっており、女性から敬遠される存在になっていた。 〝一流企業に就職すれば、その肩書きだけで美女と結婚できる。〟私は私を相手にしない女どもに見切りをつけて次のステップを目指した。 時はバブル絶頂期、青田刈りで卒業前に有名企業への就職が内定した。 就職して十数年、私はうだつの上がらないまま会社の歯車にはまり、勢いある若い社員達に窓際へと追いやられ、上司達には「バブル期の入社した奴等は使えんな。」などと言われる有様。 そんな事を言われても何も感じない位、私は生きている実感を失っていた。 同じ事を繰り返すだけの毎日が続く中、私は破滅への道を歩き出す。 朝通勤ラッシュ。その日の私はどうかしていた。 すし詰め状態の車内、私は肩を狭めて電車の揺れに身を任せていた。 ある駅に停車した際、多くの人が駅員に押され無理やり車内に乗り込んで来た。 私は激しく押されながら移動し、車内が落ち着いた時にふと気づくと私の前の女子高生が人に圧迫されながら、仕方なく私と向かい合わせで体を密着させていた。 〝胸があたっているな。〟私は女子高生の体を感じながら、沸々と湧き上がる異様な欲望に激しい興奮を覚え、人の揺れに合わせて右腕を女子高生の背後に回した。 女子高生を抱き締める様な格好になった私の右手は、その女子高生のお尻に触れていき、女子高生が抵抗できない状態なのをいい事にその手はお尻を撫で回し、短いスカートをたくし上げて下着の上からお尻をなぞる様に触っていった。 その柔らかさと温かさ、激しい興奮。 まさに禁断の感触だった。 女子高生は身動きも声を出す事も出来ず、ただ我慢する事しか出来ないようで、私から見ればまだ子供のような女子高生の恥ずかしい所を強制的に触るという行為は、背徳感と陵辱感を満たし、歪んだ性的興奮を覚えさせ、堪らなく生きている実感と悦びを感じさせてくれた。 あの興奮をもう一度。今度はもっと・・。女子高生の声を出せない可愛さと、発育途中の若い肉体と、恥ずかしがって我慢する姿は最高の興奮を与えてくれ、私は痴漢常習者になった。 女子高生に痴漢をしている時だけが、生きていると実感できる時間のような、夢の中での絵空事のような気がして、「えっ!」と気づいた時に、私は鉄警の職員に座らされていた。 尋問する警察官の蔑んだ目つきと、私に痴漢行為を受けた女子高生の侮辱的な目つき、「こんなキモイ変態、牢屋に入れて死刑にしてください!」この女子高生の言葉だけが鮮明に記憶に残っている。 私は10年以上勤めた会社をクビになり、その土地に住めなくなった私は追われる様に郊外へ引越した。 社会の中で生活する事に脱力感を感じた私も、痴漢行為の興奮と掌の感触が忘れられず、欲望を満たすために駅に通った。 女子高生なら誰でもいい、体を触られる事を我慢してくれる子であればどんな子でもいい、そんな感じで無差別に痴漢行為を楽しんでいた私に衝撃的な出会いがあった。 電車待ちの駅のホームで、1人だけ際立って輝く女子高生を見つけた。 明るく染色された栗色のセミロングヘアー、最近の若い女の子らしい細く綺麗に整えられた眉に大きな瞳、気だるい感じは憂い気な表情を思わせる。 制服のスカートは既成のものよりかなり短く、すぐに下着が見えてしまいそうで、そこから伸びる細く長い脚がやけに艶っぽい。 制服はコギャルと変わらないが、普通の女子高生と比べると容姿とも数段上のハイレベルな女の子だった。 〝触りたい!〟心の底から思った私はその女子高生の後ろに並び、電車を待った。 駅に滑り込んできた電車に、女子高生の後に続いて乗り込む。 車内はすし詰め状態とは言えない、痴漢行為を働くには危険な感じだったが、私は捕まったとしてもこの極上の女子高生を触って捕まるのなら本望と女子高生の背後に位置して出発を待った。 電車が動き出し、物憂げに車外を見つめる女子高生の背後から揺れに合わせて接近して、まず手の甲を女子高生の腰の辺り当ててみた。 徐々に当たりを強くして手の平で・・、と思った瞬間、女子高生が振り向き、大きな目で私を睨み、「・・おっさん、それ以上やるとシャレになんないよ。」と静かに私を嗜めた。 大きな瞳の力強さと迫力に、私は焦って目を逸らし背中を向けた。 〝凄い!何だこの子は!〟と、その女子高生の痴漢に対する手馴れた対応と、大人っぽい落ち着いた雰囲気に私は圧倒され逃げ出してしまった。 その女子高生は何事も無かった様に再び、車外を物憂げに見つめていた。 逃げ出した私と、悠然とした態度の女子高生。 私は情けなく、だらしなく、惨めな思いにさせられた事に悔しくて、その女子高生の後をつけていった。3つ目の駅からバスに乗って15分くらい、〝青葉台入り口〟のバス停で降りた美しき女子高生は、団地の中の立派な一戸建てに入っていった。 「この家が彼女の家か。」私は表札の、青木毅・文子・理沙子と書かれた名前を見て、「毅が父親、文子が母親、その女子高生は理沙子か。」と判断しその家の明かりを見つめてしばらく動かなかった。
2003/10/08 15:30:53(eCgvdAs0)
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