とある公立中学校の正門付近の駐車場に車を止め、獲物を探すような目で下校する生徒を見ている男がいた。
少し時間が経った頃、体操服姿で左肩に学校指定のスクールバックをかけ、手にシューズ袋を持った長身で黒髪のセミロングに幼いながらも大人びた綺麗な顔立ちの美少女が飛び込んできた。
彼女の名は伊藤美優。
美優はここの中学校に通う２年生で陸上部に所属し、中２にしては並外れた実力で全国大会にも出場して将来の陸上界をになっていく選手として期待がされている。
またそのルックスと人懐っこい性格から学校でも人気の生徒の１人である。

男は美優を見ると不気味な笑みを浮かべ、駐車場から車を出して後を追った。
しばらくすると、美優は友達と別れて自宅の方に１人で歩いて行った。
男は美優の自宅を知っているのか先回りをして路地に車を止めた。
（今日も学校疲れたな・・・晩ご飯何だろう？）
などと、考え事をしながら歩いていると突然、横に止めてあるワゴン車から男が飛び出してきて美優を羽交い締めにして車内に連れ込もうとした。
美優は突然の事に驚き悲鳴を上げようとしたが、口を塞がれて叫ぶ事が出来ない。
（誰か、助けて・・・）
と必死にスパイクの入っているシューズ袋や教科書や制服などが入ったカバンを振り回したりして抵抗するも車内に引きずり込まれてしまった。
美優は車内に連れ込まれても抵抗していたが、男に顔面を殴られて気を失ってしまった。
美優の手と足をロープで縛ると、男は運転席に戻って急いで車を発進させ男の所有する別荘に向かった.....

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