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1:ダンス教室 完結編
投稿者:
Ringo
◆alyD/fGstU
恵と二人で近くの公園に来ていた。
仲のよい姉妹のように、並んでベンチに座り、サンドイッチを食べている。 でも、話の内容は、初めから険悪だった。 「ねえ・・最近、安達君と会ってる?」 「ええ、時々。」 「彼の方から連絡をくれるの?」 「そうよ。急に抜きたくなった時だけ、だけど。」 「そう・・でも、それでいいの?」 「仕方がないじゃない。最初からそのつもりだったんだから。」 「・・・」 「大学生のお姉さんと付き合ってるみたいよ、彼。」 「!・・・」 「何びっくりしてるのよ。もしかして、ショックだった?」 私は必死に平静を装うとしたけど、ダメだった。 「バカねぇ~-」 「-他に若い子が手に入れば、私たちなんて相手にしてくれるわけがないじゃないの。」 恵はまだいい。 時々は会ってくれるのだし、貴史君の方は、相変わらず恵に夢中なのだから。 でも私は・・。 あれからもうすぐ1年。 高校生になった貴史君は、最近ばったりと、私に連絡してこなくなった。 私は自分でも気づかないうちに、横目で恵の顔を睨み付けていた。 でも本当は、恵もそんなに幸せじゃなかった。 真実は、それから数日して明らかになる。 その日私は、恵の後をつけていた。 家を出た恵の後を、気づかれないように距離を置いて付いて行く。 どうしても、恵と安達君の今の関係を、この目で確かめたかった。 自宅を出た恵は、最寄りの駅から電車に乗り、いくつか先の私の知らない駅で降りた。 そのまま、商店街とは逆の、マンションが立ち並ぶ住宅地区に向かって歩いてゆく。 そこからさらに15分ほど歩いて、マンションに囲まれた森のような場所に出た。 そこは大きな森林公園で、日が沈みかけた今は、人けもなくひっそりとしている。 恵が入り口を通り抜け、その中に入ってゆく。 私は足音をたてないように注意しながら、彼女の後を追いかけた。 しばらく進むと、公園の端に、木に隠れた大きなトイレが見えてきた。 よく見かける、トイレと休憩所が一緒になった施設で、近くには数台の自動販売機も並んでいる。 恵はなぜか、迷う素振りもなく男性用トイレの方に入っていく。 私は建物の裏へ回り、トイレの壁のすぐ外側で耳を澄ました。 中から男女の話し声が聞こえてくる。 「スカートを捲り上げて。」 安達君の声だ。 「嫌よ、こんな所で・・一体どういうつもり?」 「別に嫌ならいいんですよ。-」 「-貴史の親父から、恵さんの旦那さんに連絡がいくだけですから。」 「えっ?!・・あ、あなた、何を言ってるの?」 「だから・・-」 「-部下の奥さんに未成年の息子を弄ばれた上司は、きっと黙っていないだろうな、ってことです。」 「!・・なぜそんなことを言うの?、何が目的なのよ!」 「別に・・わかったら、はやく下着を脱いでくださいよ。」 「・・この事は貴史君も知ってるの?」 「知るわけないだろう。もし余計なことを言ったら・・」 「・・・」 その直後、私がトイレの裏に隠れていると、若い男5、6人がやって来て、連れだって建物の中に入っていった。 どの男もチンピラ風の見た目で、やくざの予備軍と言った感じだった。 「やってる、やってる。」 「おぉ~凄ぇ美人じゃん。持つべきものは後輩だな。」 「奥さん、歳いくつ?」 「あッ!、い、いやッ・・」 「おい、言いなりなんだろうな?」 「ええ・・」 泣き出しそうな安達君の声。 「へへへ、そうかい。それならたっぷり愉しめるな。」 「俺なんか、好きなだけ出来るって言うから、一週間禁欲だぜ。」 「ひゅー、それなら3周りぐらいは出来るよな。」 「朝まで犯りまくりかもよ。ふふふ・・」 一頻り、男たちの下卑た笑い声がトイレの中に木霊した後、建物の中は急に静かになった。 「いい女・・」 「あぁ、堪んねぇ・・もう溢れそうだ。」 「最初は俺な。」 「お願い・・許して・・」消え入りそうな恵の声。 「よし、押さえつけろ。」 (「んぅぐう・・う゛ぅ・・ん゛ーーーッ」) 「見ろよ、このウェスト。こんな細い腰、見たことがないぜ。」 「凄ぇ・・超色っぽい下着。」 「おーーッ!、興奮しすぎて千切れそう。」 「ハッ・・ハッ・・根元まで突っ込んでやる。」 「おい、まだ中には出すなよ。みんなでたっぷりと味わってからだ。」 「おら、はやく舌を出せよ。」 「おぉ~・・」「うぅ・・」 「ハァ・・ハァ・・はやく、はやく・・」 恐くなった私は、その場からすぐに逃げ出した。 それから数週間後、恵は離婚して、この町から出ていった。 私たちとも連絡をとらなくなり、誰一人消息を知る人はいなくなった。 噂では、どこか遠い町で、水商売をして働きながら、若い男と暮らしているという。 私はあの直後に、事の真相を全て貴史君に話そうかと思ったけど、よくよく考えて止めることにした。 もしかすると、恵の旦那さんが職を失うことになるかもしれないし、それよりなにより、全てのことが明らかになれば、私たち全員が捕まるかもしれない。 あれから、安達君からは連絡はない。(凄く心配したけど、幸い私には興味がなかったみたい。) でも、貴史君は私の元に戻ってきた。 今も時々、幸子と一緒に逢っている。 恐いし、いけない事だと頭ではわかっているけど、どうしても止められない。 夜、夫の隣で寝ていても、貴史君の若い身体を思い出して、濡れてしまうことがある。 高校生になった貴史君は、より強く、より逞しくなった。 二人で相手をしていても、持て余すぐらいに。 あぁ、思い出しただけで・・はやく逢いたい。
2015/01/20 10:13:35(E0jAS3tv)
投稿者:
(無名)
Ringoさんの過去投稿も読んできました、続編、又は新ストーリーがあればお願いします。
お待ちしております。
15/01/26 07:07
(5ArvXn3w)
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