私の再び現れたふたり…

私の頭の中を悪夢の日々がよぎったが、意外にもふたりは社交的に私に話しかけてきた。

ふたりも大人になったから昔とは違う…

その安心感で気が緩み、結婚したことや今の勤め先などを自分からベラベラと喋ってしまった。

それから数日後、私の職場にふたりがやって来て、終わるまで待ってるから終わったら飯でも喰いに行こうと言った。

妻の友美も同じ職場で終わったらいつも一緒に帰ってるが、この日は友美に事情を話し、ひとりで先に帰ってもらった。

あのふたりと一緒に行くのに友美を誘うのには勇気がいるので、友美は誘わずに３人だけで行く事にした。

仕事が終わる頃ふたりは近くの喫茶店で待っていて、３人で近所の居酒屋に向かった。

居酒屋で形だけの乾杯をすると、まずはふたりが自分たちの事を話し出した。

ふたりの話によると、ふたりはあれから別々の少年院に収監され、かなり辛い日々を送った後、無事少年院は出所したものの、各々別件で再びパクられ、今度は少年刑務所に入れられたそうで、シンジはつい先日そこを出たばかりだと言う事だった。

今は就職活動中だが、なかなかいい仕事がなく、私にその相談に来たと言う。

とは言っても、私の会社は新卒しか入れず、今はパートの募集もしていないのでと言うと、どこか他はないかと聞いてきたので、いますぐには浮かばないがどこかないか聞いておくと応え、その場を取り繕った。

話題が私の話になり、私の月給や結婚した事などを根掘り葉掘り聞いてきた。

月給は低い目に言い、妻の話はなるべくあまりしない様にした。

しかしながらふたりは嫁さんに是非会ってみたいと言い、今から俺たちを家に呼んでくれと言って聞かなかった。

私は今夜は妻がいないと嘘をつき、また今度と言ってその場を逃げた。

ふたりは嫁さん今夜いないなら泊めてくれと言い出したので、今夜はちょっと用事で嫁の実家に行かなくちゃいけないからどうしても無理だと断ると、ふたりは仕方なく諦めたが、その代わり２万円貸してくれと言った。

私は２万円を貸し、居酒屋代も払ってふたりと別れると、妻の待つ家に帰った。

家に帰って今後の事を考えるとかなり不安になった。

その不安は的中

それからふたりは頻繁に私の元を訪れる様になった。

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