アンダーソン少佐は部屋を出ていくと外から鍵をかけ、一人残された桔梗は
椅子に深く腰掛け、時間をかけてため息をついた。かくて、栗原桔梗は精液
便所に堕ちた。３年間は人間である事を辞めて精液便所に徹しなければなら
ないのだ。ありとあらゆる、想像に絶する屈辱にも恥辱にも苦痛にも耐え
て、ただひたすら性欲を処理するのがこれからの桔梗だった。
　しばらくするとアンダーソン少佐は手枷と長い鎖を持って戻ってきた。
「立って、背中側で手を組みなさい」
「はい…」
桔梗はただ言われるがままに椅子から立ち上がり、背中側で手を組むとアン
ダーソン少佐はその手に、いや、肘から手首まで全体を覆う形なので手枷と
呼ぶのが適当なのかそうなのか判らないが、ともかく手枷がかけられ、それ
から伸びた鎖の先端をアンダーソン少佐はしっかりと握った。
「…これから始まる君の幸薄い人生には同情する」
　途中何人もの兵士達の好奇の視線に晒されながら連れて行かれた場所は、
ＭＰ（軍隊警察）の建物内の暗い部屋だった。アンダーソン少佐はそこで一
旦手枷を外し、ほっとしたのも束の間、突如部屋の隅の暗がりから飛び出し
てきた数名の黒人兵士達が一斉に群がり、桔梗の服を乱暴に破いていった。
「いやっ！やめてっ！」
桔梗の抵抗虚しく無理矢理全裸にされ、首には犬の首輪が付けられ、そして
問答無用で産婦人科で使う内診台の上に革のベルトで固定された。