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1:欲望と絶望と2
投稿者:
らふ
◆DzIZBpNO5g
俺の目の前で嘘のような夢のような光景が広がった日から数日が経った…
相変わらずの何も変わらないキャンパスライフ。平凡な日々。十川美穂も何 事もなかったかのように大学、サークルに来ている。 サークルの練習で美穂と一緒になった日、俺は目を見て話せなかった。もと もと会話もロクにできないのに、あんなシーンを見てしまった後ではなおさ らだ。 (はぁ~…どう接すりゃいいんだ…っていつも通りしかないだろう…俺は何 を考えてるんだ) 美穂はいつもよりさらに無口な俺に「どうしたの?体調悪い?」と気さくに 声をかけてくれた。その優しさがさらに俺の罪悪感を増長させた。 テニスウェア姿の美穂に見とれながら、高橋と身体を重ならせていた美穂を 想像し、俺は練習中ずっと勃起してしまっていて、それを隠すのに必死だっ た。 何度も言うようだが、美穂はとても明るく、誰にでも好かれ、かわいい。誰 かから脅され陵辱を受けているという悲壮感のようなものも全く感じさせな い。 ある日、その日の講義が終わり帰ろうとしている俺の前方に高橋が1人で歩い ていた。就職活動中なのだろう、リクルートスーツを着ている。 携帯片手にニヤついている高橋を後ろから追いかけ、少し緊張しながらも声 をかけてみる。 「お疲れ様です。就活ですか?」 高橋は一瞬ビクッとしながら振り返り足を止めた。 「おぉ…2年のえぇ~っと…工藤君だったっけ。ビックリしたよ急に後ろから 声かけてくるから。」 「あ…す、すみません。」 高橋はニコッと笑い歩きながら、就活が面倒くさい、なかなか内定がもらえ ないという何の面白みもない話をし始めた。 俺も精一杯の愛想笑いでその場の会話を無難にやり過ごす。 俺と高橋は帰る方向が同じだったので同じ電車に乗り込んだ。 車中で高橋が「面白いもん見せてやろうか?」と携帯をポケットから取り出 して俺に見せる。盛り上がらない就活の話が退屈になったのだろう。そこに 映しだされているのは女性器のアップの画像だった。 あまり使い込まれていない桃色の綺麗な女性器だ。 「何すか、これ?」 「俺の彼女のだよ。すげぇ~淫乱な女なんだ。」 イヤらしい含み笑いを浮かべながら高橋が続けて、携帯を操作する。 続けて画面に映しだされたものを見て俺は生唾飲んで絶句した。 【今日のは少し苦くて、塊があって飲みにくかったです。】 「これ、何のことかわかる?」 高橋がイヤらしい顔で俺に聞いてくる。俺はすぐにわかったが、あえて眉間 にシワを寄せて「え!?何ですか、これ。」と聞き返す。 高橋の表情が一瞬曇った。 「もういいじゃん。見たんだろ、この前。それで俺に今日声かけてきたんじ ゃねぇの?」 予想外の言葉に俺は固まってしまった。 (気づかれてたのか???どうしよう…どうしたらいいんだ…) よくよく考えれば俺が過度の罪悪感を感じる必要なんてないのかもしれな い。ただ、そのときはこの場をどう切り抜けるか、ないアタマをフル回転さ せていた。 「更衣室、練習場の近くのトイレにカメラ仕掛けて美穂の着替えとか盗撮し たんだ。それをネタに1回だけデートしてくれって条件出したんだ。アイツ、 正義感強いからすげぇ怒ってさ…警察に言いますとか、挙句の果てには俺に ちゃんとした人間になれ、みたいな説教まがいのこと言ってきやがって さ。」 喉に詰まっていたものが取れたかのように興奮気味に一気に高橋が喋りだ す。俺はただ目を丸くさせて聞いていた。 「で、こっちも引くに引けないから1回だけデートしたら全部画像は返すって 何とか約束してさ。反省してるふりして最後はちょっと涙ぐんでやったらOK しやがってさ。同情も入ってたんだろうな、あれは…我ながら良い芝居した よ。」 高橋は身振り手振りを交えて話し続けた。そんなに混んでいないとはいえ電 車の中でこんな話して大丈夫かと思うような過激な内容になっていった。 高橋はデートと称して夜景の見える郊外にドライブに連れ出して、そこで睡 眠薬をジュースに入れて、意識朦朧としている美穂を車中で犯したそうだ。 「1度では下半身がおさまらなかったから4度も犯した。」 「弱々しく抵抗されたが、全部膣内に射精してやった。」 「クスリのせいで力が入らないせいか、思ったより締まりが悪かった。」 「処女じゃなかったのが残念だった。」 得意げに高橋はベラベラ話す。きっと誰かに話したくて仕方がなかったのだ ろう。 意識が少しずつ戻った後の美穂は号泣だったそうだ。そりゃそうだろう。一 瞬でもこんな人間を信じ、同情でも行動を共にした自分を悔いただろう。 そして勿論、その行為の様子も高橋によって撮影され、さらに脅迫のネタが 増えたのだそうだ。 俺は自分が降りる駅を過ぎて、終点に着いて駅のホームのベンチで高橋の話 をずっと聞いていた。もう何がなんだかわからなかったが、とにかくもっと 聞きたいと思った。 高橋は一通り話し終えた感じで満足し、最後にこう言った。 「しかし、最初のデートのときアイツ、嘘でも彼女っぽく付き合ってくれた もんなぁ。水族館行って、メシ食って…周りから見りゃカップルだったよ、 あれは。本当バカな女だよ、お人よしもあそこまでいくとバカだぜ。」 俺はこれまでの人生で1番といっていいくらい興奮し、そしてそんな自分に失 望した。1人帰路に着く途中、駅からの帰り道で俺はなぜだか少し涙ぐんでい た。 高橋の話だと、その後何度も美穂を呼び出しいろんな行為を強要したらし い。 俺が見たような大学内でのSEXの話。 映画館で上映中にフェラさせて口に射精して、映画が終わるまで飲み込ませ ずに口に精液を含ませておいた話。 サークルが終わった後、皆で行く喫茶店の障害者用トイレで犯し、胸に精子 ぶっかけて、その上から服を着させ普通に皆の元に帰した話。 家庭教師のバイトに行く前、一発ヤって、その後マンコにローターを取り付 けたままバイトに行かせた話。 漫画喫茶のカップルシートでSEXして店員に見つかりそうになった話。 実家の母親に電話させながら、美穂の部屋で何度も嬲った話。 俺はゾクゾクしながら1つ1つの話を思い出し、今日も美穂のことを思い、 自慰行為をしてしまった。 次の日、俺の心を見透かしたかのように高橋からメールが来た。 【美穂とヤらしてやる。場所は美穂の部屋でいいか?】 俺は「何て酷いことを」と小声でつぶやいたが、高橋から【美穂に目隠しを してやるから、お前だってことはバレないよ。】というメールが送られてき て心が揺れた。 結局、俺は美穂が可哀想とかどうこうではなく、我が身がかわいいだけなん だ。そんな俺の心の中を見透かしたかのような高橋のメールだった。 俺は自分の部屋で頭を抱えて考えた。 正直、美穂を犯してみたい。あの清楚な美穂が俺の肉棒を咥えこんでいるの を想像するだけでも勃起してくる。 しかし、この誘いに乗ってしまったらもう後へは引き返せないこともよくわ かっていた。 俺の中の天使と悪魔が戦っていた。いや、最初から悪魔が勝つことはわかっ ていた。 【絶対に俺ってバレないようにお願いします。】 俺はメールの送信ボタンを押した後、ベッドに寝転び押し寄せてくる後悔と 期待にドキドキしていた。欲望と失望とが織り交ざった長い夜だった。
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2007/01/08 05:41:38(5TD.ix9V)
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