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1:母と奴等と僕
投稿者:
K.M
八月初旬の雨の降る朝、僕は予備校をサボって一人で家にいた。
二階の自分の室で何するということもなく、机の前に坐って呆然としていた。 ここ数日ずっとそうなのだが、昨夜も僕はほとんど朝方近くまで眠れずにいて、 六時前頃から二時間ほどうとうとしただけである。 八時半過ぎに、母は勤めに出かけていた。 母とは最近、会話らしい会話をほとんど交わしていない。 今朝の朝食の時も、僕はただ黙々と新聞に目を通しながらコ-ヒ-を啜り、パン を齧って、それからそそくさと二階へ上がった。 いつもはもっと気丈なはずの母のほうも、なぜか最近は息子の僕に対しても、あ まり目を合わそうとせず、妙に遠慮がちな声でしか話しかけてこないのだった。 母と子二人だけの生活の間に、気まずい雰囲気の霧のようなものがずっと漂い続 けているのだ。 はっきりとした原因があった。 その原因の証明ともいえるものを、僕は机の引出しの中から取り出して目の前に 雑然と投げ出すように置いた。 十数枚の写真の束だった。 裸にされた女が、幾通りかの卑猥な体位で男に抱かれていたり、あられもない体 形をとらされて一人で写されているのも何枚かある。 机の前に投げ置いたその卑猥な写真の束を手にまとめ、僕はそのままベッドに転 がりこんだ。 ベッドの上でズボンと下着を一緒に下へずり下ろす。 僕のものは、すでに硬く屹立していた。 自慰行為に僕は励んで、すぐに果てた。 写真に写っている女というのは、僕の母だった。 差出人不明の封書でその写真が送られてきたのは、一昨日の朝だった。 宛先人は母の名前になっていたのだが、たまたまその時僕は家にいて、郵便受け の前でそれを手にした時の感触で、写真のようだと判断できたので、そのことでは っきりと思い当たることがあった僕は、母には無断で封を開けたのだった。 十日前の、やはり今日のようにしのつくような雨の降る朝だった。 僕の家に突然、二人の男が押し入ってきた。 玄関先で二人の男はいきなり、応対に出た母にナイフのようなもの突き付けて家 の中へ上がり込んできた。 若いほうの男に母は背後から首を締め付けられるようにして、ナイフの背を頬の あたりへ突き付けられて、僕がいた居間へ連れられてきた。 驚いて慌ててソファから立ち上がろうとした僕のほうへ、少し年配の目付きの鋭 い男が素早く近づいてきて、あっという間に僕自身も拉致状態にされた。 朝の八時過ぎだった。 強盗かと僕は咄嗟に思ったが、二人の男のうち一人の顔に見覚えがあった。 若いほうの男は僕と同じ予備校に通っていた不良の高野という奴で、ある事情が あって一週間ほど前に予備校を退校処分になっていた。 もう一人の四十年配の、一見してヤクザ風のあまり身なりのよくなさそうな男に は僕は面識はなかった。 男たちが唐突に侵入してきて数分後、僕は居間の一人用のソファに長い紐で雁字 搦めに括りつけられてしまっていた。 長い紐は四十年配の男が手に持っていた紙袋の中にあった。 母のほうは二人用のソファに坐らされ、ナイフを持った若い高野にしがみつかれ れるようにして、顔面を蒼白にしている。 あまり背の高くない四十年配の男が凄みをきかせるような声で、この家への訪問 の理由を長々と喋りだした。 「俺たちァ、別にあんたら二人の命まで取りに来たんじゃねぇのよ。まして強盗 でもねぇ。俺の甥っ子であるこいつがよ、あんたら親子のせいで予備校を退校処分 になったっていうじゃねぇか。そらァ、ここの息子から金を幾らか強請り取ったこ いつも悪い。悪いがよ、何も母親までが学校までしゃしゃり出て苦情をいうことな いじゃない。いくらてめぇの息子が可愛いからって、おかげでこいつは退校処分で おまけに家からも勘当だといわれて、それでしゃあなく俺を頼ってきたということ だ。あんたらカタギさんだから落としまえをどうこういういうわけじゃないが、俺 の甥っ子のこいつ一人ばかりが罪を受けるのは、どう考えたって間尺に合わねぇ。 あんたら親子にもそれなりの罰は受けてもらわねぇとな」 男の話している内容自体に大きな間違いはなかったが、理不尽で見当違いも甚だ しい一方的な男のいい分だった。 ふとしたことがきっかけで高野という予備校でも評判の不良の目に止まってしま い、僕は長い期間、そいつから金を強請り取られ続けた。 そしてついに思い余って、僕は母に相談した。 普段から気丈な性格の母は、すぐに予備校に走り問題提起をした。 結果は四十年配の男のいう通りだった。 「お母さん、あんたのほうに少しこみいった相談があるんで、別の室へ行こうか い?」 四十年配の小柄で体型の細い男が、ゆっくりとした口調でいった。 二人の男に連れられて、母は蒼白な顔面のまま室を出て行った。 居間の奥が母の寝室になっている。 母は幾らかの金を男たちに渡すのかも知れないと思った。 そうする以外にこの場を救う手立てがないのだと僕は思った。 僕一人だけが身体の自由を奪われたまま、居間に残された。 僕の口にはしっかりとタオルのようなもので猿轡がされていた。 長い時間が経過した。 突然、母の長く叫ぶような声が訊こえてきたのは、母と二人の男たちが出て行っ て十数分くらいの時間が過ぎたころだと思う。 かすかな物音が数回した。 唐突に僕はあることに気がついた。 母はもしかして男たちに…………。 僕はある不吉なことに思い当たり愕然としたが、何をどうしてやることもできな かった。 僕の嫌な予感をはっきりと明示するような、母のくぐもった悲鳴のような余韻の 長い声が間断なく洩れ訊こえだしたのは、それから間もなくのことだった。 母は間違いなく男たちに犯されているのだった。 母の口から洩れ訊こえてきている声は、はっきりと女の声に変わっていた。 母の年令は四十八才である。 五年前に夫を、つまりは僕の父だが、不慮の交通事故で亡くしている。 母はその年代の割には背が高く、百六十七センチあった。 体重は正確には知らないが、細身だから五十キロそこそこくらいだと思う。 目鼻立ちがはっきりとしていて、子供の僕から見てもまあまあ美人の部類に入る のではないかとは思っている。 母はまだ間違いなく女の人だった。 時計の針を見ていたわけではないので正確な時間はわからないが、一時間以上は 僕は一人のまま置き去りにされ続けていた。 ドアの開く音がした。 四十年配の男が先に居間に入ってきた。 続いて高野が母の腰を抱きしめるようにして入ってきた。 母の姿を見て、僕はさらに愕然とした。 ブラジャ-一つを身に付けさせられただけの、あられもない裸身を晒け出して、 乱れた髪の下の顔を深く俯かせて、高野に引き回されるようにして母は僕の正面に 立たされていた。 「坊や、ちょっと刺激が強すぎるかも知んねぇけど、こういうわけだ。年の割に 坊やのおっかさん、なかなかいい身体してるぜ」 四十年配の男が僕の傍に近づいてきて、妙に満足げに煙草の煙りをくゆらせなが らいった。 「おい、もう一つの紐出して、そこの鴨居からぶら下げてやんなよ」 声もなく顔を深く俯け、いまにもその場に崩れそうなくらいに不安定な立ち方を している母を支えるようにして抱きすくめている高野のほうに向かって、男は命令 口調でいった。 母の両手首が紐で括られ、紐の先を居間と隣の和室の間の鴨居に通し、あっけな く母は僕の正面で両腕を高く引上げられるようにして、あられもない姿態のまま吊 るされた。 身に一つだけ許されていたブラジャ-も外され、そして母の両足の先は、敷居の 上にようやく爪先立ちくらいになっていた。 母のほうからの声は一切なかった。 あまりの屈辱感と、それとよほど奥の室でひどいいたぶりを受けた衝撃のせいも あるのだろうと、僕なりに母の気持ちの斟酌をしていた。 「坊や、俺たちが向こうの室で何をしてきたのか、いまからゆっくり話してやる からよく訊きなよ」 僕の傍のソファにどっかりと小柄な身体を沈み込ませて、四十年配の男が薄い唇 のあたりをにやつかせていってきた。 訊きたくもなかったが、僕にそれを拒むすべはなかった。 「お、お願いですっ………それだけは、や、やめてください」 深く顔を俯けたままにしていた母が、乱れた髪をさらに大きく振り乱すようにし て、喉の奥のほうから搾り出すようなか細い声で訴えていた。 「ああっ………」 その後すぐに母の顔が大きくのけ反っていた。 高野が母の背後から乳房をわし掴んできていたのだ。 母の細身の割には豊かな膨らみのある乳房を、高野はがむしゃらに荒々しく揉み しだいていた。 息子の僕の目の前でありながら、母の身悶えは相当に大きかった。 「うっ、ううん…………ああ」 母の色白の顔にほんのりとした赤い上気が発してきているのが、僕にもわかるく らいだった。 激しく首を打ち振るっている母の顔を、高野の顔が捉えた。 高野と母の唇が重なっていた。 高野の唇から逃れられるはずの母の顔はしかし動かなかった。 母は高野に呼応していた。 二人の口づけは、はからずも凝視している僕の目の前でしばらくの間続いた。 「坊や、見たかい。あんたのおっかさんは普段はよっぽどのしっかりものらしい かも知んねぇけど、あっちのほうは大変な好きものみたいだぜ。五年前かに旦那を 亡くしているんだってな。よくいままで我慢してこれたもんだ。まあ、目の前で白 黒ショ-でも見ながらゆっくり訊きなよ」 四十年配の男は何本目かの煙草に火を点けながら、とうとうと向こうの室でのや りとりを丁寧に話しだした。 母の寝室へ入るとすぐに、やはり僕が想像していた通りに母はお金での相談を男 たちに提案した。 お金で許してほしいと哀願する母の前で、四十年配の男は黙ったままズボンと下 着を脱いでみせた。 「俺のものをしゃぶってくれたら、あんたを犯しはしない」 唐突な男の行動に驚愕の表情を見せて、少しばかりの間ためらっていた母の首が 折れた。 立っている男の前に母は意を決したように、ゆっくりと進み出て跪いた。 男のものを、母は自らの意思で口に含んだという。 男のものの屹立はゆっくりだった。 母は丹念に男のものを愛撫したということだ。 四十年配の男のものに屹立が生じてきた頃、それを傍で見ていた高野が動いた。 母に自分のものを咥えさせている男の目配せだった。 母の背後に廻って高野は畳の上に腰を深く埋め、母の開いたままになっている両 脇から腕を伸ばし、ブラウスの上から乳房を強くわし掴んだ。 男のものを口に含んだまま、母は大きな呻き声を上げたという。 ブラウスの前ボタンが外されて、母の両肩から下に落ちた。 ブラジャ-のホックも外され、母は上半身を裸にされた。 母が咥えている男のものは硬く大きく屹立したままで、一向に果て終える気配は なかった。 先に昇りつめさせられたのは、母のほうだった。 背後から高野によって乳房を長く揉みしだかれ、もう一人の男の硬く大きな屹立 を目の前に見せつけられて、母は観念の昂まりの声を上げたのだった。 「入れてほしいか?」 四十年配の男が、母にそう訊いたという。 母は黙ったまま、細い首をこっくりと頷かせたということだった。 高野が押入れから布団を取り出して室の中央に敷いた。 母が布団の上に仰向けになった。 四十年配の男が仰向けになった母の顔の傍に膝を折って坐り込む。 自然な動きで母の手が男の下腹部の屹立に触れていた。 母は再び男のものを口の中に深く含み入れていた。 若い高野が母の下半身のほうでこまめに動いて、荒々しくスカ-トと下着を脱が していた。 「男は久しぶりなのか?」 四十年配の男が、母の両足を大きく割って中に入ってきた時に訊ねたという。 「はい………夫を五年前に亡くしています」 母は上気した顔で、従順に男にそう応えたらしい。 「ここが感じるみたいだな」 そういって男は母の乳房をわし掴んだ。 「ああっ………」 と母は熱い声で応えたという。 最初に四十年配の男が母をつらぬいた。 母の反応は素早く、そしてとてつもなく激しかったという。 「犯してっ………」 という卑猥な言葉の数々をくぐもった声で洩らし続けたということだった。 四十年配の男のつらぬきを受けながら、母は傍に寄っていた若い高野のものを口 に含んで、激しい身悶えを繰り返し続けたという。 四十年配の男の放出を受けてすぐに若い高野を、母の身体は貪欲に迎え入れたと のことだった。 「お母さん、あんたはもう俺たちから離れられないぜ。わかるだろ?」 四十年配の男のそういう声に、母は次のような言葉を自らいったという。 「あ、あなたがたの奴隷になります………」 若い高野が持ってきていた紙袋からカメラを取り出していた。 母に向かって高野ははしたないポ-ズの幾つかを要求した。 「ああっ………は、恥ずかしいわ」 そういいながらも母は若い高野の要求に、熱く火照った顔を悩ましげに歪ませな がら応じていた。 男との絡みの写真も何枚か撮られた。 母はとくに四十年配の男の言葉に従順だった。 若い高野にはない、その男の老練な性技に間違いなく母は深く陥落させられたよ うだった。 ふと眼前のほうを見ると、高野が母の両足を抱え上げるようにして中に入り、僕 のほうに向けてたっぷりとした尻肉を見せて、下から母の下腹部に突き上げるよう な動きを激しく繰り返しているのだった。 「ああっ………ああ」 母は息子の僕の目の前で、苦しげにしかし熱く赤く顔を上気させて悶えの声をは したなく上げ続けていた。 「今日あったことは誰にもいうな。お互いの為だ」 そういう捨て台詞を母と僕に残して男たちが帰っていったのは、それから十数分 後だった。 母のほうの紐が解かれていて、畳の上に母は全裸の身をぐったりさせてしばらく 横たわっていた。 その日は母も勤めを休み、僕も予備校へは行かなかった。 そしていま僕が手にして自慰行為に耽った写真が、その時の証拠の写真なのだっ た。 最初に母と僕の間にあるといった、気まずい雰囲気の霧のようなものが漂ってい るということだが、実際はこの霧が晴れないままでいてくれたほうが二人にとって は本当はいいことなのかも知れないと、僕はいま漠然とそう思っている。 霧が晴れたとしたら、そこにあるのは地獄だけのような気がするのだが………。 八月中旬の盆過ぎに、僕は思わぬ夏風邪をひいてしまい、急激に出た高熱のせい で自分のベッドから起き上がれないくらいになった。 暑いなつだというのにひどい悪寒に襲われ、売薬の熱冷ましを何錠か飲み、毛布 と布団を何枚も被って、うんうんと一人で唸り続けながら二日ほど寝込んだ。 さすがに母の看病は手厚かった。 あのような悲惨でおぞましい体験をしていても、そしてそのことが原因で子供の 僕との間に、気まずい霧か底のない溝のようなものができてはいても、母はやはり 母だった。 勤めを早くに切り上げてきているようだったし、食べるものでも柔らかく栄養の ありそうな手の込んだものを用意してくれた。 九度二分まで熱が上がったりした僕も、ただ母に甘えるというか、何も動けない 状態だったので世話をまかせるしかなかった。 どうにか高熱も治まり、食欲も普通に出てきて一人で階段を下りれるようになっ た三日目の朝だった。 いつもならもうとっくに勤めに出ている時間帯なのに、母が二階の僕の室に上が ってきた。 「幸ちゃん、具合はどう?」 「ああ、おかげで熱も下がったし大分楽になった」 「そう、よかったわ。………でね、もう少ししたらお客様が見えるの。お母さん の仕事の関係の人で、勤めを休んでいるといったらどうしても今日のうちに打ち合 わせしたいことがあるといって、わざわざ家まで訪ねてきてくれるの。だ、だから 幸ちゃんは、二階でおとなしく休んでいて………。午前中には打ち合わせは済むと 思うから」 母は顔を少し俯き加減にして、僕に長々とした説明をして細い両肩をすぼめるよ うにして室を出て行った。 母が嘘をついているのが、僕にはすぐにわかった。 僕は母のいう通りにしてやろうと思った。 しばらくして玄関のチャイムの音がした。 その訪問者が誰なのか、僕には大方の見当はついていた。 高野とあの男の二人に違いなかった。 二時間近く、僕は悶々とした時間を過ごした。 いきなり僕の室のドアが開いて、この前と同じように高野がナイフを手にして勢 いよく飛び込んできた。 病み上がりでまだ身体が素早く動かない僕は、あっという間に高野にこの前と同 じように長い紐で全身を雁字搦めにされ、ベッドに固定されるようにして括りつけ られてしまっていた。 母がこの前の四十年配の男に急かされるようにして、二階へ上がってきた。 母は全裸にされていた。 「よう、坊や、久しぶりだな。あんたのおっかさんの身体が妙に気に入っちゃっ てまたきてしまったよ。風邪で寝込んでたんだって?まだ若いんだから少々のこと じゃぁくたばらねぇだろ。この前は俺たちだけが楽しませてもらったんだけどよ、 今日は親子で仲良く遊ぼうと思ってな」 「お、お願いです。ど、どうかそれだけは………」 ベッドに固定されている僕のすぐ近くまで連れられてきている母が、年配の男の ほうに必死で哀願するのだが、無防備な乳房をいきなりわし掴まれるとすぐに声を 失くすのだった。 「あんた、さっき下で俺に抱かれている時に何ていった?一年くらい前だったの か?息子に病院から強力な睡眠薬を貰ってきて、それを飲ませてあんた、息子のも のを咥えたんだろ?おまけに自分の中まで入れたっていってたじゃねぇか」 「あっ、ああ、お願いです………そ、そのことは」 母の顔に大きな狼狽が走っていた。 僕のほうの驚きも大きかった。 全く僕には記憶のないことだった。 母は僕にそんなことをしていた事実があったことに、僕はただただ愕然とするの みで言葉が出なくなっていた。 「坊や、下でのさっきまでの話をゆっくり訊かせてやるからよく訊いてなよ」 年配の男が卑猥でおぞましい内容の話を長々と喋っている間、母は高野に床に組 み伏せられ、唇を吸われ、乳房を荒々しく揉みしだかれ、激しくつらぬかれている のだった。 玄関のチャイムが鳴った時、母は全裸になって二人の男を出迎えた。 電話での命令だった。 母は寝室に布団を用意していた。 「俺たちが忘れられなかったのか?」 「………え、ええ」 「どうして?何ならあのまま警察へいったってよかったのによ」 「あなたの奴隷になると誓いました」 「ほう、いい心がけだな。今日も思い切り楽しませてやるか」 最初に母は布団の上に犬のように這った。 母のその部分への愛撫をするまでもなく、母は充分すぎるくらいに激しい濡れを 見せていたという。 年配の男が母を背後からつらぬき、同時に若い高野が母の口の中に自分のものを 咥えさせた。 高野が背後に廻った時も同じような姿勢をとった。 二人の男のほとばしりを身体の中に受け終えた時、若い高野の携帯が鳴り、所用 で高野が一時間ほど家の外に出たという。 年配の男と母との寝物語の話が長く続いた。 「いいか、俺の前では何でも正直に話せよ」 「………はい」 「あんた、旦那に死なれてからは男との接触は全然なかったのかい?そうじゃね ぇだろ。俺にはわかる」 「………二、二度ほど」 「詳しく俺の前で話してみな」 「一度は夫を亡くして一周忌の夜でした。夫の実の弟に暴力で………」 「だからもっと詳しく話せってんだよ」 「一周忌の夜でした。夫の弟が深酒になってしまい私が車で家まで送ることにな って。その途中で弟が急に胸が苦しいといい出して、まだ家までは遠かったので仕 方なく近くのホテルへ入ることになったの。少し休んだらすぐによくなるからとい って………」 「弟もなかなかやるじゃねぇか。で、そこで襲われたってわけかい?」 「ええ、そうです。………喪服姿だった私に興奮したといって」 「最初の抵抗は必死でもよ、女っていうのは弱いもんだ。最後には感じてたんじ ゃねぇのかい?」 「最後には弟の背中にしがみついてしまっていました………」 「気持ちよかったのかい?」 「………え、ええ」 「で、その弟とはそれ一回きりじゃなかったんだろ?」 「それから半年ほど………。でもその弟は心臓発作で亡くなりました」 「ほう、そうかい。あんたの腹の上じゃなかってよかったよな。もう一人は誰だ い?」 「そ、それだけはいえません………」 一度だけ母は拒んだという。 拒むはずだった。 相手が実の息子の僕なのだから………。 僕の室の床の上で高野と母が果て終えてぐったりとしていた。 年配の男に母が手を掴まれて起こされた。 「そろそろ始めようかい」 それが合図の言葉だった。 「ゆ、幸ちゃん、ごめんね………」 母の小さな声が僕の耳に聴こえた。 ベッドの上で身体の自由を束縛されている僕のパジャマの下を母はゆっくりと下 に下ろしかけてきていた。 正直にいうと、もう、その時の僕のほうにも強固な抵抗の意識は失くなってしま っていた。 僕の股間が母の顔の前に晒け出された。 僕のものは恥ずかしいくらいに硬く屹立していた。 母の唇が僕のものの先端に触れてきた。 僕は目を固く閉じるしかなかった。 やがて母の口の中深くに僕のものは沈み込んだ。 生暖かい母の口の中の感触が心地よかった。 僕の我慢は長くは続かなかった。 果て終えた僕の体液を、母は全て喉の奥へ流し入れてくれていた。 年配の男が少し興奮気味な顔をして、ベッドの上に坐り込んで僕のものを飲み干 したばかりの母を背後から抱きすくめにきていた。 乳房を激しく揉まれ、母はたちまちにして大きな愉悦の声を上げて、男のほうに 向けて汗にまみれて赤く上気した顔をのけ反らせていた。 唇を母は吸われた。 僕のすぐ近くでの行為だった。 母の体勢が崩れて、両足を僕の顔のほうに向けて、大胆にも開け気味にして伸ば してきていた。 母の身体の中心の漆黒が、僕の目のすぐ前にあった。 母の漆黒は男たちの精液にまみれ、しとどに濡れそぼっているのまで見えた。 年配の男が母に何か催促していた。 息子の僕の上に跨れというのだった。 母はいわれる通りにした。 僕のものはすぐに復活していた。 僕を跨いだ姿勢で母が、僕の下腹部目がけて自らの下半身を深く埋めこんで来 た。 母と僕は繋がった。 「ああっ………」 一際大きい母の咆哮の声が上がった。 長い間、僕は母と繋がっていた。 僕の絶頂に合わせて母も昇りつめてくれたようで、二人は同時に果て終えた。 傍で、犬畜生のような親子の繋がりに圧倒されて見続けていた二人の男への意識 は、僕にはもうどうでもいいことだった。 僕の両手が自由になっているのだったら、僕は思い切り母の身体を抱きしめてや りたいのにと思った。 男たちが帰っていったその夜だった。 僕は母の室にいた。 一人で風呂から上がってくる母を待っていた。 胸のところにバスロ-ブを巻いただけの母が室に入ってきた。 布団の上いた僕のところで母は黙ったまま、膝を崩して坐った。 母の股間の奥の漆黒が見えた。 「幸ちゃん、お母さんを許してくれる?」 「え、ああ、いいんだよもう。仕方のないことだから」 「お母さんを、女として見てくれる?」 「ああ、そのつもりだよ」 「地獄へ堕ちるわよ」 「かまわないさ、母さんと一緒なら………」 僕の手が母の乳房に伸びると、 「ああっ………だ、抱いてっ」 母が僕のほうに向かって大きく身体を崩してくるのだった
2003/04/09 05:41:25(mc5R7.y.)
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