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1:姉ちゃん(完結)
投稿者:
kazu
海水浴客の大勢いる海岸を抜け、白塗りのハーバーホテルの前を通り過ぎると、
何艘も格好いい船の停泊しているハーバーの前をスピードを落として走り抜け、 結構大きなクルーザーの前で大姉ちゃんは車を停めました。そしてクラクションを鳴らすと、陽に焼けたお姉ちゃんと同年代くらいの男が、真っ赤になった鼻の上に真っ黒のサングラスを架けてキャビンから顔を出しました。 「おう、亜紀。久しぶりー」 黒い腕に、キラリと垂れ下がった数本の金色の腕輪が、とてもイヤミに見えまた。 「お前に頼まれた水着買っておいたぜ、でも夜中に電話は焦ったなあ」 「あれから、嫁はんに思い切り問いつめられたぜ・・言い訳にどう言ったと思う?」 そう言いながら、白い紙袋を突き出すと、大姉ちゃんはその男の傍により、紙袋を受け取りました。 「でも、俺を思い出してくれるとはなあ・・」 姉ちゃんのお尻を”ギュッ”っと掴んで、抱き寄せようとしました。 「良かったら、あんたの嫁さんに私の事言ってもええねんよ・・」 そう言うと、ハンドバックから、数万円を男に渡すと、一言、二言話を続け、男は何回も頷いていました。 「和樹、こっちへおいで」姉ちゃんの手招く通りに車から出ると、 「おう、こいつ弟やろ・・姉ちゃんには前々から色々お世話になってて・・」 サングラスを外した男の顔を見て僕は直ぐに、この男が昔、大姉ちゃんと山でやってた男だと分かりました。 「いらんこと言わんでええ、今日は私がこの船買い取ったんや」 「あんたは、約束通り黙って言われる通りに船動かしてたらええんや」 「和樹、あそこに小ちゃい管理棟が見えるやろ・・あそこに行って車のキー預けてきて」 「分かった? ああ、それから弘子姉ちゃんがもう来ると思うから」 「来たら、一緒にこの船まで連れてきてあげて」 「姉ちゃん、水着に着替えてるから・・ああ車のナンバー覚えて行きや」 「ええ、小ちゃい姉ちゃん来るん」 僕は、走って管理棟に行きました。 15分程冷房の効いたロビーで待っていると、玄関の前にタクシーが横付けされ、車から小ちゃいねえちゃんが降りてきました。 「弘子姉ちゃん」手を振りながら出迎える僕に、 「いやー、和樹も来てたん」 「弘子姉ちゃん、お盆やのに、家に帰ってけえへんの?」 「お父ちゃん等、待ってるで」 「うん、色々あってなあ、姉ちゃんも結構これで忙しいねん」 「ああ、大姉ちゃん、船で待ってるで。早よう行こ」 僕は、小ちゃい姉ちゃんのバックを肩に掛け、 「小ちゃい姉ちゃん・・久しぶり手をつなご・・」 「何や、和樹。えらい甘えて・・こっちおいで・・」 僕は、大姉ちゃんの車中の話を思い出し、なんだか涙が出そうになるのをこらえながら、ギュッと、姉ちゃんの手を、握りました。 「亜紀、妹さんのお出ましやで」 船の中から大姉ちゃんは、真っ白のビキニで出てきました。 それは、申し訳程度にその部分を覆っているだけの、すごい際どいものでした。 「弘子、さあこっちへおいで」 大姉ちゃんのビキニスタイルに度肝を抜かれその場に立ち竦むキザ野郎は僕に、 「姉ちゃん、確か34やろう。格好ええのう」 「おっさんは、黙って運転してたらええんや」、すかさず大姉ちゃんが、 「さあ、頼んである処へ連れていって」 「はい、はい」 船は、白い波を立てて半島の裏へと向かいました。 そこは、砂浜の海水浴場の人混みとはうって変わって、誰もいない、そして誰からも見えない入り江の岸から沖合数十メーター位のところで錨を降ろしました。 エンジンが止まると、船にぶつかる波の音だけになりました。 「ここなら、いいわねえ。静かだし・・」 大姉ちゃんが立ち上がって辺りを見まわしながらそう言いました。 「浩一、あんたは用済みだから、あの岩場にでも行って魚でも釣ってたら」 「夕方まで帰ってこなくていいからね」 「はいはい、了解しました」 「では、では、後はご兄弟でゆっくりお楽しみを・・・」 小さなゴムボートに、昼食と釣り竿を載せ男はせっせとオールを漕いで岩場に向かいました。 「本当に、口の減らない男ねえ。一生やってろバーカ」 「さあ、私達もお昼にしようか」 僕と、小ちゃい姉ちゃんは思わず吹き出し、せっせと岩場に向かう男の背中に、声を揃えて、「バーカ」と、叫びました。 男は、聞こえたのか、こちらを振り返り、手を振っていました。 大姉ちゃんの焼いてくれたステーキはとても美味しくて、久しぶりって感も手伝って、二枚たいらげました。 「和樹は、やっぱり若いねえ」 僕は、照れながらまだ、小ちゃい姉ちゃんの食べ残しをねらっていました。 結局、両方の姉ちゃんの食べ残しもたいらげ、先にデッキに出て行ったお姉ちゃん達の方へ行きました。 デッキの上には、二人が俯せに並んで寝ていました。 「おうおう、お二人さん。結構年なのに水着が格好いいですねえ」 そう言うと、二人の仲に割った入りました。 「そうそう、和樹。オイル塗って頂戴、日焼けしたら後が、大変やから・・」 「はいかしこまりました、大姉様」 僕は、オイルを片手に受けて、大姉ちゃんの身体に塗り始めました。 「弘子、ブラ外して」 小ちゃい姉ちゃんが背中のホックを外すと、大姉ちゃんの大きな胸が横から押し潰されるようにはみ出ていました。 仰向けになった大姉ちゃんの胸を両手で塗ると、そのままお腹へ、そして下半身へと手を滑らせて行きました。 白い三角形の水着からは、大姉ちゃんの陰毛が透けて見えていて割れ目もうっすらと見えていました。 「はい、手を止めない・・・」 ビックリした僕は、オイルの入ったボトルを白い水着の上にこぼしてしまいました。 オイルは一気に水着に浸みて、股間に覆っていたその部分が黒くはっきり浮き上がっていました。 「もう、どんくさい」 「次は、小ちゃい姉ちゃんよ」 顎で指図すると、 「はいはい、女王様。次はこちらのお姫様ですね・・」 「返事は一回!」 「じゃあ、お願いね」 小ちゃい姉ちゃんは、ピンクのブラを外して寝ころびました。 「はい、出来上がり」 食事の時から二人の様子がおかしいのを感じていた僕は、「眠くなった」とその場を離れ、キャビンの上に上って行きました。 そこのキャプテンシートからは、二人の様子が丸見えで、”ドカッ”っと腰を降ろした僕は、 腕を組み寝たふりをして、二人の様子を伺っていました。 暫くして、大姉ちゃんがこちらの方を伺うと、安心した様子で、そばに置いてあったシャンパンをグラスに注ぎ、小ちゃい姉ちゃんに、手渡しました。 「和樹、あの調子なら、まだ1時間くらいは寝てるわ・・大丈夫よ」 僕の耳には、マル聞こえでした。 二人は、グラスを合わせると、一気に飲み干し、何やら話し出しました。 二杯、三杯とお酒が進み、何か難しい話をしている様で、小ちゃい姉ちゃんは何回も頷いていました。 やがて大姉ちゃんが小ちゃい姉ちゃんの耳元で何やら話したかと思うと、小ちゃい姉ちゃんが”コクリ”と頷き、大姉ちゃんがグラスのシャンパンを口に含むと、小ちゃい姉ちゃんの唇に重ねました。 小ちゃい姉ちゃんが立ち上がり、念を押すかのようにこちらの方を確かめると、 ピンクの水着の下を脱ぎ捨て、蒼く透き通った海に飛び込みました。 そして、小ちゃい姉ちゃんを追うように大姉ちゃんも、同じ様に飛び込みました。 二人はまるで魚の様に海中で絡み合い、時折水面に顔を出しては楽しそうに笑っていました。 姉ちゃん達には気付かれぬように、デッキに降りた僕でしたが、二人の間に入れる様な雰囲気では無く、僕は二人の様子を眺めていました。 「はあ、はあ。和樹、起きたのー。手伝ってー」 小ちゃい姉ちゃんの腕を持って、船に引き揚げました。 「はあ、はあ、はあ。あーしんど・・あー久しぶりー・・気持ちいいー」 デッキに大の字に仰向けになった小ちゃい姉ちゃんの股間も中姉ちゃんの様にツルツルで、こんもり盛り上がっていて、そこから水滴が太陽に反射してキラリと輝きながら、割れ目の中に落ちていきました。 「和樹、おいでー・・早くー」 大姉ちゃんが、海面に顔を出して誘っています。 「よーし」 僕は、勢いよく海に飛び込みました。 「お姉ちゃん」 「和樹」 僕は、お姉ちゃんと唇を重ね抱き合いました。 二人の足が、海底に付く頃にはもうこの夜の煩わしい音など、全く聞こえませんでした。 僕達は、お互いの息が続くまで海中で抱き合いました。 その時、僕は息が止まってもいいから、このままでいたいと思いました。 ”プハー””ハア、ハア” 「あーー、苦しかったー」 二人が、海面に顔を出し、向き合うと、 「お姉ちゃん、家に・・家に帰って来てよ・・」 「うん、お姉ちゃん、家に帰る。皆で一緒に暮らそ・・」 僕は、涙で顔がグシャグシャになりそうなのを必死で我慢して、再び海中に潜りました。 ”ゴボゴボゴボ!”僕は、海中で思い切り叫びました。 僕のそんな様子に、気付いたのか僕を追いかけて、腰に手を伸ばすと海パンを脱がせ、取り上げると、遠くの方に投げ捨てました。 「ああー!? 大ねえの馬鹿・・バーカ」 僕は、海中に沈む海パンを追いかけました。 「くそー!! 大ねえー。無いやんけー」 僕は、何度も、何度も海パンを探して潜りました。 ”プハー”僕は、半ば諦めて海面に顔を上げました。 そこには大姉ちゃんの姿が無く、急に心配になり 「お姉ちゃん・・お姉ちゃん」 幾度と無く、辺りを見渡し大姉ちゃんの姿を求めました。そして船の舳先に何か黒い物がぶら下がっているのを見つけ、僕は静かに船に近づきそっと海パンを手に取ると、デッキの方から姉ちゃん達の声が、聞こえました。 「弘子も、帰っておいで。洋子も一緒にね・・皆んなで昔の様に暮らそ・・」 「うん、お姉ちゃん・・」 そう言うと、唇を重ねながら小ちゃい姉ちゃんは、大姉ちゃんに抱かれながらデッキに倒れて行きました。 僕は、今度は顔がグシャグシャになるのを我慢しませんでした。 全裸で抱き合う二人は、脚を絡ませながら激しく愛撫を続け、お互いの息はだんだん激しくなると、互いに胸、そして下半身を責め合い、大姉ちゃんが上に乗ると、僕の目の前には、二つのお♀が、縦に仲良く並んで見えました。 「アー、アー・・お楽しみのところスミマセンがー」 「お二人さんのお♀こ・・丸見えなんですけどー」 僕は、海水を姉ちゃん達に引っかけるると、慌てて岩場の方へ泳いで逃げました。 「和樹ー・・おまえー・・・覚・え・て・・」 二人の声は、笑い声に変わっていました。 岩場で釣り糸を垂れ、ふて腐れた様に眠っているその男が、僕の気配に目を覚ますと、 「ああ、もうそろそろ時間だな」 「あれ、何でおまえ、ここにいるの?」 「まあ、いいっか・・チェッ一匹もだめかよ・・坊主なんて滅多に無いのに・・」 そう言いながら、僕をボートに乗せ、ゆっくりとオールを漕ぎ船に向かいました。 その、男は案の定、くだらない話を始めて、その話が大姉ちゃんの冷たい態度への腹いせでもするように、昔の関係を持ち出しました。 「うるせえ・・俺が嫁はんに電話してもええねんぞ」 「ちぇっ、ガキのくせして・・くそ生意気な野郎・・」 僕は、その男の股間に蹴りを入れてやりました。 「痛っ! ・・・」 それからは、無言のまま、船に着きました。 「お客様、そろそろ陽が傾いて来ておりますので、港に向かった方がよろしいかと・・」 言葉遣いが一変した男に、姉ちゃん達は顔を見合わせ、”ブッ”っと吹き出しながら、 「そうね、お願いしようかしらん・・」 軽快なエンジン音を唸らせ、その小さな入り江を出て、半島に差し掛かった時、太陽は海へと呑み込まれ始めていて、空が真っ赤に染まり始めていました。 「姉ちゃん、ほら・・綺麗やなあ・・」 姉ちゃん達は、潮風に髪をなびかせ、只、沈む夕陽を見つめていました。 ハーバーに着いた頃には、辺りはすっかり暗くなっていました。 管理棟から車のキーを貰って来て大姉ちゃんに手渡すと、車は息を吹き返し、 ”ドドドド”と軽快に金属音を辺りに響かせました。 ”スー”っとドアの窓ガラスを降ろし、そこに肘を架けながら、 「弘子、どうする? このまま一緒に家に帰る?」 「うん、そうするわ・・アパートに帰ってもしゃあないもん」 「うん、それがええ。弘子姉ちゃん一緒に帰ろ・・みんな待ってるで・・」 「よっしゃ、それでええ。和樹、シート倒し・・弘子、後ろに乗り」 「おーい、おーい。二人とも水着忘れてるぞー」 「それ、あんたの奥さんにあげてー」 その男は、両方の手で水着を摘みそれらを見比べるながら困った顔をして、 「あげてって、こんな派手な水着・・うちの嫁はん・・今、腹でかいし・・」 僕は、手を握り窓の外に出すと中指を立てて、それを地面の方に指すと、 「バーカ、死ぬまでやってろ」 ”ギャーン”タイヤの悲鳴が鳴り響き、シートに身体を押さえ込まれながら すごい勢いで車は加速していき、あっという間に管理棟の横を抜けて行きました。 「イヤッホー」 僕は、右手の拳を握りしめ、大声を上げました。 勝手に流れ出す涙は拭いても拭いても止まりませんでした。 大姉ちゃんは、頬をつたう涙に唇を噛みしめ。 小ちゃい姉ちゃんは、満天に輝く星を見つめながらこぼれる涙を拭おうともせず、 「・・・」誰にも聞こえぬ小さな声で、しきりに何かを呟いていました。 でも僕にははっきり聞こえたのでした。 「ありがとう」って。 そして、僕の高一の夏休みはそのまま僕の前を走り抜け・・ 僕の、高一の夏休みはそのまま僕達の心を重ねて走り抜けて行きました。 ・・・終わり
2003/08/17 23:32:29(FAenT7vx)
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