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1:親という壁
投稿者:
味噌バタコ
◆qfZ8abFFJQ
広い広い雪原
夜明け前の吹雪で雪が舞いごうごうと風が唸る まるでこの世が終わったような景色 ぼつぼつと窓ガラスを叩く粉雪 窓枠に少しずつ積もっていく 静まり返った木造の小屋 姉さんは静かにカメラをかまえ続けている 呼吸を安定させその時を待つ姿はまるで獲物を狙う狙撃主のよう 数日前・・・・ 僕は冬休みが始まりようやくホッと一息ついた 姉さんと西野さんの事はまだ心に引っ掛かってる 姉さんが体を許しかけたんだ 嫉妬しちゃうし・・・あー、情けない あれから・・・まだ体は重ねていない お互い意識しすぎてぎこちないのだ 目が合うと恥ずかしくなってしまうし 姉さんに触れたいけど ・・・・あんな気持ちいい事 理性が利かなくなる 避妊もしなきゃいけないのに 終業式が終わり学校から帰る 「ただいま」 「あ、おかえり、瑞希くん」 姉さんが荷物をまとめている え?なんで? 「姉さん?」 「あ、ちょっくら北の果てまで行ってくるね」 「北の果て?」 「ほっかいどぅー、、、」 この季節はフリーで自分の好きな写真をとりにいくらしい あー、留守番かぁ 「瑞希くんも早く支度してね」 「え?僕も?」 「手伝ってくれるって言ったではないかー、、、」 鼻先をつんつんされる あー、そっかそっか 忘れてた、姉さんの手伝いするって約束してたんだった・・・ 僕も着替えをカバンに入れて身支度した 他になに持ってこうかな 「おやつは300イェンまでねぇ、、」 「わぁ、、先生、バナナはおやつに入りますか?」 「かわいぃ、、あ!籠るから暇潰せるもの持ってくといいよ!」 籠る?・・・・籠るの? 一体なにするんだろ カバンを持って部屋を出た マンションの前に桂さんの車がとまっていた 「ジャガー桂くん、ご苦労、安全運転したまえよ」 「・・・・そのまんま言うな、了解」 ジャガー、外車だっけ 桂さんバリバリ働いてるからなぁ 東京駅まで送ってもらった 姉さんはスーツケースをトランクから取り出している 僕、東京の外に出るのは初めてかもしれない 修学旅行は母さんが行かせてくれなかったから 「・・・瑞希くん、これを」 桂さんが小さなお守り袋を二つくれた 「わぁ、ありがとうございます!」 「・・・無事を祈る、じゃあな」 桂さんはさっさと行ってしまった 姉さんはどこ行った? あれ?姉さん? あれ・・・・迷子?
2013/12/17 14:08:49(k7N8WuqB)
投稿者:
味噌ばた子
◆qfZ8abFFJQ
電話をかけてみるけど
繋がらない どーしよ・・・どこ行ったんだろ 迷子の呼び出ししてもらおうかな 駅員さんに話しかけた 「あの、迷子なんですが」 「おや?君が?」 「いえ、、姉さんが、、」 ガシッと肩をつかまれた 振り返ると姉さんが苦笑している 「ご、ごめんよ・・・見失っちゃって」 「もー、気を付けないと」 駅員さんにお礼を言って電車を待つ 椅子に座る あまり人はいない もう夕方だしな・・・ 東京駅から北海道まで行く列車といったらあれしかない・・・ あー、あんな高いのに乗れるのかなぁ 「瑞希くん、交通費は気にしない気にしない♪」 「姉さん、家計簿僕が書くよ?この前見せてもらったけどめちゃくちゃだった」 「えぇ、、瑞希くん、じゃあ君に任せるねぇ、、」 「任せられました、、あ、来た」 電車に乗って 予約した部屋に向かう 「わくわくするなぁ、、」 「あー、私もワクワク、、」 やっぱり姉弟だなぁ 部屋に入る ベットが二つある あー、なんか楽しみだなぁ 寝台車に乗るなんてはじめて ドアが閉まってすぐ 姉さんが抱きついてきた 「え?、、」 「瑞希くん、、ついてきてくれて嬉しい、、、嬉しいよ、、」 姉さん泣いてる? 僕は姉さんの頭を優しく撫でてあげた 「・・私、瑞希くんを裏切ったのに、、」 「姉さん・・」 「私、瑞希くんが好きなの、、、大好きなのっ、、」 「姉さん、大丈夫・・・姉さんは迷っただけ、裏切ったんじゃないよ」 「でもぉ、、」 口づけして 言葉を遮った 「西野さんの事、好きになりそうだったんでしょ?」 「冷静になって思い返して・・・分かんないけど、たぶん」 「姉さん、今、吐き出してよ・・・吐き出して、すっきりして楽しい旅にしよ?」 「うんっ、、」 姉さんと椅子に座って手をつないだまま 「瑞希くんがほしくて・・・でも、なんか避けられて・・・彼にすがったの」 避けていたのはそのとおり 「僕は、二人が結婚すれば平凡な幸せがつかめるかと思って・・・避けてたんだ」 「いつから知ってたの?」 「姉さんが告白されてる所から」 「う、、、」 姉さんは恥ずかしそうにうつむいた 「姉さんは普通の恋をしたんだよ、悪い事じゃない」 「瑞希くんが欲しくてもダメで、、分かんない、、もう分かんない、、」 好きな人と側にいたいのは当たり前の事だ でも、それが弟 だから西野さんを好きになろうと努力したんだろう 本気で好きだったと気づいたのは今になってからで あのまま、僕が黙っていたらこうはならなかったのかもしれない
13/12/17 14:35
(k7N8WuqB)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
どっちか選べと言われてすんなり選べるわけがない
迷うのが人間・・・ 「彼を傷つけちゃった罪悪感もある・・興奮してやらしー事したし・・私、最低」 「姉さん、今、西野さんがいたら僕と彼、どっちを選ぶ?」 姉さんは迷わずすぐ言った 「瑞希くん、、」 「なら・・、、」 「でも、今さら・・・西野くんの事もくすぶってる」 後から好きだったと気づくなんてな 「姉さん・・・僕たちは二人で生きていくには手探りで進むしかないんだ」 「ん、、、」 「この旅が終わるまでに決めてほしい・・・姉さんはまだ迷ってるんだよ、平凡な幸せか、僕と生きるかを」 「・・・、、」 「僕と歩くのは棘の道かもしれない、いくら好きでも・・・つらい道かもしれない」 姉さんは決めたつもりでもやっぱり不安だったんだろう 姉弟で愛し合って生きていくなんて非常識だから 僕はいい たくさん迷ってくれていい 僕は姉さんを幸せにしたい それがどっちの道であろうと 僕が強引に手を引いて二人で生きていく事もできるけど その道は地獄に近いかもしれない、二人で寄り添って生きても辛くて姉さんが泣いてしまうのは嫌だから 不幸にさせてしまうのは嫌だから・・・ 「姉さん、僕は姉さんに委ねる・・・」 男らしくないかもしれない けれども 僕はこうする 夜、寝る前に本を読んで 眠気がくるのを待つ 一度体を重ねたから もう後戻りはできないし 僕も戻りたくはない 姉さんと一緒に生きていきたい 明かりを消して僕は目を閉じた 姉さんが普通に生きるほうを選ぶなら 僕は身を引くと思う 「瑞希くん、、」 姉さんが布団の中に潜り込んできた 「姉さん?」 「一緒に寝よ?、、」 「うん、、」 ただ姉弟として一緒に眠る 「瑞希くん、寂しかったよね・・・ごめんね」 「姉さん・・・」 「私が守ってあげるからね、瑞希くん」 姉さんはずっと気にしてる 再会する前の僕の事 母さんにされた仕打ちを言わなければよかったのかもしれない 姉さんは僕を守れなかった事を悔いている それが姉さんをしばりつけている気がする 平凡な日常に戻るか 弟と愛を選ぶか 姉さんは決められるのだろうか 数日後 北海道についた 駅から車で5時間ほどの所、広い広い雪原が広がっている 姉さんは興奮ぎみだ なんだろう・・ 「ここに来た目的はね、アルビノの大鷲を写真に納める事なんだ」 「アルビノ?遺伝子の異常で真っ白い個体が生まれるってやつ?」 「そ!」 僕は・・この旅の終わりが怖い・・でも逃げない
13/12/17 15:04
(k7N8WuqB)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
近くの民家
といっても広大すぎてすごく距離があるけれど 目撃情報を調べてみていい撮影ポイントを見つけたようだ 明朝に必ず雪原にある大きな木に止まるそうだ 姉さんは交渉して小さな木の小屋を借りた 薪ストーブとランプ 古い家具などがある 遠慮なく使ってほしいとの事だった やはり姉さんの名を聞くと渋い顔をする人はいない 夕方 僕は薪ストーブの近くで暖をとる 暇潰しのものを持ってきたけど 薪ストーブの火を眺めていれば時間を忘れる 「瑞希くん、、あったかい?」 「うん、、あったかいよ」 姉さんが僕の背後から抱きついてくる 「姉さん・・・」 「ん?」 「やっぱり姉さんと離れたくないや・・・」 「・・・私も、、」 「どうして・・・姉弟じゃダメなのかなぁ」 離れたくなくても 僕は姉さんを辛い目にあわせたくない 報われる未来にいけるように背中を押してあげたい 僕は眠くなって寝てしまった 目が覚めたのは日が登る前 姉さんは望遠レンズのついたカメラを構えている 日の光が出てきた 姉さんは静かにシャッターを押した・・・・ 「いやはぁ、、、びゅーちふる!なんていい写真なんだろう!、、、ミーはやっぱりグレイトなカメラウーマンですにゃ、、、」 満足いくものが撮れたらしくてはしゃいでいる 姉さんは咳払いをして僕を手招きする 吹雪は止んで広い雪原に二人だけ 「瑞希くん、すとっぷ!」 「え?」 僕と姉さんの間にはまだ距離がある 姉さんはうつむいた 「・・・・悩んだ・・・たくさん」 「うん・・・」 「・・・瑞希くんも他のいい人と幸せになれる未来があるかもしれないって、私が縛っちゃいけないって」 姉さん、僕とおんなじような事考えてたんだ・・・ 「・・・私も西野くんを好きになった、平凡を夢見た」 「うん・・・」 「・・・平凡で幸せな家庭を望んだ」 胸が高鳴る どういう答えがくるのか怖い 「私はね、瑞希くん」 「うん・・・」 「私は・・・」 やだ、離れたくない でも、縛り付けちゃダメ・・・ダメだ 姉さんがゆっくりとこちらに向かってくる 僕は固まったまま動けない 姉さんは目を潤ませて僕を抱き締めた 「ごめんね・・瑞希くん」 やっぱり・・・姉さんは 「私は瑞希くんと一緒にいたい!ずっと!」 姉さんが微笑んで 押し倒してきた 新雪の上で抱き締められたまま 「迷ってごめん、、、瑞希くんより好きになれそうな子はきっといないよ、、」 「姉さん、、、好きっ!好き!」 夢ならさめませんように・・
13/12/17 15:29
(k7N8WuqB)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
僕は冬休みでも姉さんはちょこちょこ仕事の予定を組んでるわけで・・・
毎度付き添いって事でついていくわけにもいかない 朝、おきると姉さんが僕を見つめていて ドキッとしてしまう 「な、なに?」 「君のせいでブラコン悪化したよぉ、、、」 「し、知らないよ、、、ん、、、」 普通にキスしちゃう えっちは・・・まだだけど たぶんそのうち暇ができたらしちゃうと思う 僕がリードすればいつだってしちゃえるのに あー、ダメだな 男らしくならなきゃ 「ね、姉さん、乳首、、、だめ、、、」 「あー、、やっぱり瑞希くんじゃないとダメぇ、、こんなかわいい反応とる子は瑞希くん以外いないよぉ、、」 姉さんが乳首にキスして噛みついてくる 男らしくならなきゃ!早急に! いたずらされたけどなんとか脱出した 二人で生きるなら性欲に溺れちゃダメだよね 「瑞希くん、、」 「ん?なぁに?」 「愛妻弁当作って?、、」 「あいさい?べんとう?、、、」 「ダメ?、、」 姉さんがかわいく首をかしげる ダメなんて言えませんよ、姉さん 姉さんの仕事に間に合うようにお弁当を作った なかなかいい感じだ 「さて、行くかね」 「あ、姉さん、お弁当できたよ」 「あはぁ、、、忘れないで持ってきてね」 「え?」 姉さんは僕の袖をひっぱる 「付き添いして、、瑞希くんがいるだけで高ぶるの、、」 「・・・、、、その言葉使いやめなさい、、、」 付き添うって・・ 僕、なんにも仕事できないのになぁ 結構大きな写真スタジオだ わぁ、おしゃれな外層 現代建築ってやつ? 「瑞希くん、おいで♪」 「はいはい、、」 幼児を呼ぶみたいに手招きしないでほしいな あー、、、でも、、、 ・・・・言わない、、、 姉さんがある部屋のドアをトントンとノックした 「おは洋二!」 「おぅ、彩花か!」 髭の生えたダンディなおじさんだ 姉さんが思いっきりタメ口きいてるけど どう見ても目上の人っぽい おじさんが僕を見る 「こいつ誰だ?」 「あ、姉さんがお世話になってます!、、、」 「妹がいたのか!!」 妹!? 姉さんは笑って僕に抱きつく 「おとーと!境瑞希くんでーす」 おじさんは顎が外れたような顔をした 「んな!?・・・・男か、つまらんな・・・爪橋洋二だ、」 「よ、よろしくお願いします!」 姉さんなんだか嬉しそう こーゆーのは勘弁・・・ 「つまようじってあだ名なのよね、、」 「おら、さっさと用件すませろや!」 姉さんより騒がしそうな人だな・・・・ 冬休み、忙しくなりそ・・・
13/12/17 15:51
(k7N8WuqB)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
北海道に行った時に取った真っ白な大鷲の写真を見せにきたらしい
改めて見るとなんだか神秘的 綺麗・・・大きな翼を広げて飛ぼうとしてる 太陽光で雪がきらきら輝いている 爪橋さんはうむうむ頷いた 「なかなか面白い・・・・」 「まだ甘い箇所もありますが、まぁ・・・悪くないですよね?」 「ん、・・・まぁな」 ふーむ、なんか僕には分からない世界だ どれもよく撮れてると思うんだけどなぁ 仕事の話はまとまったらしい 「今日の掘り出し物は弟くんだな、モデルやってみないか?」 「え!?」 僕? 姉さんが抱きついてくる またふにゃふにゃしちゃって・・・ 「私が掘り出したのですよぅ、、」 「ブラコン過ぎだろ・・・・」 お昼ご飯は待合室で食べる事にした 姉さんがうはうはしながら蓋をあけた 「あぁ、、おいしそ、、」 「そんなうっとりしないでよ、、」 姉さんがおいしそうに食べてくれる 僕もうれしいな 普通に、一緒に育ったら こういうふうに昔からお弁当作ってあげれたのかな・・・ 「姉さん、この後どうするの?」 「ん?、、、・・・・、、、」 そっぽ向いた なんで? 車に乗った 帰宅するのかな? 姉さんはホテルに車を止めた え・・・、、、、 「ね、姉さん?」 「んと、、、」 「い、いや・・・、、」 「やぁ、、、」 二人でもじもじしてしまってどうにもぎこちない 結局家に帰ってきた 玄関のドアが閉まると同時に抱き合ってキスをした 「ねぇさん、、、」 「瑞希くぅん、、、ほしかった、ずっとずっと・・・・ずーっと、我慢してた」 玄関ではマズイよ って言ってるのに僕の服を脱がし始めた あー、主導権とりたいのに 母さんに全身感じてしまうように育てられたせいか 僕の方が分が悪い さわりっこして・・・すごく興奮してくる 「ね、ねぇさん・・・ダメ、、」 「もっと感じて、、、」 「あれ・・・姉さん?」 姉さんの・・・もうぐしょぐしょだ あ、この隙に・・・僕が主導権を・・ と思ってる間に 気づけば姉さんはもう固くなった僕のにあてがっていた 暖かくてきもちいい、中に・・・入る 姉さんががっつくように腰を振る 「んっ、、、んっ」 「姉さん、ダメ!ゴムつけてない!」 「いいっ!きもちいい!瑞希くんのすごぉぃ、、、」 理性、消えそう でも、ダメ 生でしたら・・・ 姉さんの興奮は激しくなっていく 僕は止めることができそうにない つられて腰を動かしてしまう 姉弟でえっちしちゃってる 後でくる罪悪感が怖いけど 僕はしがみついたまま、欲望のまま動いた
13/12/17 17:30
(k7N8WuqB)
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