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義母・亜紀子 対決編
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:近親相姦 官能小説   
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1:義母・亜紀子 対決編
投稿者: コウジ
(義家族との体験ーーー義母・亜紀子より続く)

 僕が小村の自宅を訪ねたのは、翌日の午後二時過ぎで、アポなしの訪問でした。
 小村の自宅は団地の高台のほうにあり、敷地は周囲の宅地よりも広く、それなりに庭園
らしきスペースもあり、建物も鉄筋の二階建てで、面積もそこそこに広そうな感じでした。
 玄関のチャイムボタンを押すと、小村本人が現れました。
 突然の訪問を詫び、名前を名乗って自己紹介をしている途中で、僕の顔を思い出したら
しく、少し驚いたような表情になり、
 「・・で、私にお話というのは?」
 と彼はいって訝しげな目で僕を睨んできました。
 僕はその視線に怯むことなく、単刀直入に来訪の要件を伝えると、玄関先での立ち話程
度に済まそうと、鷹揚に構えていた小村の表情が俄然に変わり、
 「ま、ここでは何だから、中へどうぞ」
 と僕を家の中に招き入れてくれました。
 広い応接間に通された時、ここで義母が襲われたのか、と妙な感慨を持ちながら、僕は
柔らかいソファに座ると、
 「小村さん、早速で申し訳ないのですが、僕の母への干渉は今後一切止めてただきます
か?」
 と早々に切り出しました。
 この家への長居と、小村との長い会話は無用だと考えていました。
 「いきなりどういうことですかな?」
 僕の前のソファに座り込んだ小村は、まだ泰然自若とした態度でしたが、
 「昨日のことですが、あなたは僕の母に暴行しようとしましたね?」
 と僕がまた単刀直入に核心に触れたことをいうと、小村の顔の表情が見る間に変貌しま
した。
 「な、何をいい出すんだ、君は」
 「母はあなたからこれまでに何度もあった、交際や結婚の申し込みを、はっきりとお断
わりしているはずです。これ以上母にはもうつきまとわないでやってください」
 「わ、私は何も・・つきまとうなんて・・町内会の仕事として、話をさせてもらってい
るだけだよ、失礼なっ」
 六十過ぎの白髪の頭の小村の顔に赤みがさし、怒りの表情が現れ出ていました。
 「僕は母から昨日のことは全部聞きました。これもあります」
 小村の怒りの顔に少し肩の竦む思いでしたが、僕は相手の視線から逃げることなくそう
いって、スーツのポケットから義母から預かった小型のボイスレコーダーを徐に取り出し、
小村の前に突きつけました。
 さすがに元大手の商社マンらしく、それがどういうもので何を意味するのかすぐにわか
ったようで、すぐに態度を豹変させ、
 「わ、私は君のお母さんには決していい加減な気持ちで話をさせてもらっているのでは
ない。し、真剣に考えている」
 「母には残念ながら、もう再婚の気持ちとかは一切ないようです。だから、これからは
もう、どうか母にはそのことでつきまとわないでやってください」
 僕は正面の小村から視線を逸らすことなく、強い口調でいって、
 「突然お邪魔してすみませんでした。どうかよろしくお願いします。これで失礼します」
 とそういってソファを立ちました。
 義母のことを小村の前で、自分が母といっていたことを、僕は何気に思い浮かべていま
した。
 呆然とソファに座り込んだままの小村に背を向け玄関を出ると、僕は深呼吸をするよう
に、息を一つ大きく吐きました。
 早くに退散したのは逃げたつもりではなく、いうだけのことをいったら一刻も早くこの
場を立ち去りたいという思いだけでしたが、小村の口からはっきりと、義母との絶縁を了
承するという言質をとっておくべきだったという後悔が僕の心にかすかに残りました。
 門のところを出ようとすると、
 「浩二っ・・」
 と聞き覚えのある声が前方でしたので見ると、派手な黄色のダウンジャケット姿の小村
武が、片手を上げてこちらに向かって歩いてきていました。
 「や、やあ・・」
 僕も驚きの表情で手を上げて彼に応えましたが、ここが小村武の家の前で、彼がここに
いることは不思議でも何でもないということに気づきました。
 「何してんだ、こんなとこで?・・俺んち来てた?」
 「あ、ああ、ちょっと君のお父さんに用あってな。・・町内会のことで」
 「ああ、そうなんだ。俺はちょっと荷物取りに来ただけなんだけどな。親父、いたか?」
 「ああ、見えたよ」
 「そうか、いたか・・。いや、最近はここにもずっと帰ってきてなくて、親父ともほとん
ど会ってないし、口も聞いてないんでな・・」
 「・・そうなのか。邪魔したな、帰るわ」
 「あ、ああ、またな。・・ところでこんなとこで何なんだけど、野村加奈子とは最近は・
・?
 「またか。・・会ってなんかいないよ」
 「そ、そうか。ならいいんだけどな」
 「いいんだけどって?・・スカウトのほううまくいったのか?」
 「あ、ああ・・ま、ボチボチな」
 「そ、そうか。じゃ・・」
 門の前でそれだけの立ち話をして、僕は小村武と別れました。
 野村加奈子の話の時には、何か二人とも歯切れが悪くなり、お互いが奥歯にものの挟まった
ような口ぶりになっていたのが、何か妙な感じがしました。
 加奈子とはあれ以来、一度も会っていなく、連絡もとっていませんでしたが、僕は小村武の
口ぶりに何か妙に濁ったようなものを感じていました。
 加奈子にはあの時、こちらから一方的に連絡も何もしないでくれといってあった手前、僕か
ら彼女に連絡することはできないことでした。
 どこに向かうともなしに走らせていた車のハンドルを握り締めながら、僕はまだ加奈子のこ
とを考えていました。
 加奈子のスカウトの話で、何かの進展というか、動きがあったかのような、小村武の顔と少
し狼狽したような表情が、僕の心の底に妙な澱みを残していましたが、加奈子への手前、こち
らからはどうすることもできないことでした。
 いい加減な性格の僕は、そこでもう加奈子のことは考えるのは止めることにして、今頃は家
に一人でぽつねんといるであろう、義母の顔を思い浮かべることにしました。
 時計を見ると三時半過ぎでした。
 義母には、今日小村の家に行くとは話してはありませんでした。
 小村に会って話をするとは、昨日の抱擁の後でいましたが、すぐに行動するとはいってはな
かったのです。
 義母の愁いを漂わせた顔を思い浮かべると、僕はもう矢も盾も堪らず、彼女に会いたくなり、
市内を行くあてもなく走らせていた車を、自宅に向けてハンドルを切っていました・・。
 

        続く
(筆者付記)
長くお待たせして申し訳ありません。この後、僕はまた性懲りもなく自宅で義母を抱き辱めるの
ですが、それはまた後日ということですみません。
 町内会長との件は一件落着かのように思いましたが、そうは簡単に済むわけはなく、加奈子の件
も含めて、驚きの展開となる予定です。
 どうかもうしばらくのご掲載をお許しください。
 いつも明快なご指摘やらご意見ありがとうございます。
 
2015/08/19 19:58:31(tmHhBkFQ)
7
投稿者: りょう ◆zEGpD4VZDY
こんにちは!是非続きを宜しくお願いします!楽しみにしています!
15/08/22 11:48 (mxadt60N)
8
投稿者: コウジ
自宅の玄関を鍵を開けて中に入ると、半分開いたダイニングのドアに身を
隠すようにして、不安そうな顔でこちらを覗き見ている義母の顔が見えまし
た。
 「ただいま、亜紀子」
 玄関口で靴を脱ぎながら、義母に明るい笑顔で声をかけると、
 「まぁ、驚いたわ。…どうしたの?こんなに早く」
 と義母は安堵したような表情でドアから全身を出し、眼鏡の奥の目と口元
を、心なしか嬉しげに弛ませて近づいてきました。
 白のブラウスにこげ茶色の丸首のセーターで、薄茶色の花柄模様のスカー
ト姿でした。
 「今日は午後から休暇をとってね…昨日の亜紀子との約束を果たしに行っ
てた」
 「えっ?…約束って?」
 と義母は色白で厭味のない気品さの漂う顔に、訝しげな表情を浮かべて、
僕の前できょとんと立ち竦みました。
 玄関口に上がり込んだ僕は手提げ鞄を床に落とし、唐突に義母に近づき彼
女の小柄で華奢な身体を抱き締めていました。
 「あっ…」
 と驚いたように小さく声を上げた義母でしたが、然したる抗いの素振りはなく、
 「ど、どうしたの?…何かあったの?」
 と僕の両腕の中に身を委ねたまま、心配そうに声をかけてきました。
 「亜紀子を抱きたくなったから…飛んできた」
 「まぁっ…」
 「それもほんとだけど…今日ね、小村の家に行ってきた」
 「まぁっ…」
 僕の顎の下あたりからまた義母の驚く声がして、僕を見上げるようにして、
 「それで…大丈夫だったの?」
 「今こうして五体満足で、亜紀子を抱いてるじゃないか」
 「何ともなかったのね。…でも、すぐに行くなんて」
 「善は急げじゃないけど、こういうことは早く動かないと駄目だ」
 「無事でよかった…そうね、だから浩二さんがここにいるのね」
 「亜紀子を誰にも渡したくないからね」
 そういって僕は義母の細い顎に指をかけ、顔を上に向けさせると、彼女のかた
ちのいい赤いルージュの唇に、唇を重ねにいきました。
 「むむっ…」
 と義母はかすかな喘ぎを見せながら、歯と歯の間をすぐに開いてきました。
 僕の舌が義母の狭い口の中で、すぐに彼女の濡れた舌を捉えました。
 義母の細い両腕が、僕の背中のほうに回ってきていました。
 まだ陽光の明るい玄関の上がり口で、僕は義母を長く抱き締め、彼女の舌を舌
で長く愛撫し堪能しました。
 「亜紀子の室へ行こう」
 長く重ねていた唇を離し、義母の耳元に囁くようにいうと、
 「暖房入れてないから寒いわよ。…それに」
 「それに、何?」
 「もう時間も…」
 「長く愛してほしいから?」
 「そんな…意地悪。居間は暖房入ってるわ」
 僕とのまるで予期していなかった時間と場所での、長い抱
擁に戸惑いながらも、義母の顔と首筋のあたりが、仄かな朱
色に染まり上気しかかっているのがわかりました。
 「今日は月曜日だよ。…一週間が長い」
 「そんな…無理をいわないで…わ、私も同じよ」
 そういって義母はまた顔を赤く染めていました。
 平日のこんな時間に、家の中で義母と二人でいることが、不
思議に新鮮に思えました。
 夕食の用意もあるからと義母がいうので、二人は結局居間へ
向かいました。
 義母の携帯が鳴ったのはその時でした。
 「あら、由美からだわ」
 義母は携帯を耳に添えながら、ダイニングに足を向けていま
した。
 あら、そう…大変だわね…お夕飯は?…そう…遅くなりそう
ね…気をつけてね。
 義母の携帯の応対で、由美の帰宅が遅くなりそうだというの
が、朧気にわかりました。
 「由美からだけど、部活の後、緊急のPTA役員の会議が八時か
らあるんですって。…また苛めの問題らしいわ」
 「そう…教師も大変だね」
 「話が紛糾しそうで、帰宅が十時くらいになりそうって」
 ほどなくして由美から僕の携帯に、同じ内容のメールが届き
ました。
 「亜紀子の室の暖房入れてくる」
 妻の帰宅が遅くなるということに乗じて、狡猾にも僕はそう
いって義母の返事を待つことなく、素早くソファから立ち上が
り居間を飛び出しました。
 五分ほどで居間に戻ると、義母はエプロン姿でダイニングの
調理台の前に立っていて、
 「お夕飯の支度だけ…しておくわ。二人だけだからもうある
ものでいい?」
 と僕に背中を向けたまま、そう声をかけてきました。
 その声はあたかもこの後、僕と二人で寝室に行くことを暗に
許諾しているような響きでした。
 「コーヒーでも淹れましょうか?」
 手早く支度を終えたのか、エプロンの裾で手を拭きながら、
義母がこちらに向かってきていました。
 「いいよ、外で飲んできたから」
 と僕は小さな嘘をついてソファを立ち上がり、義母の側に寄
りつきました。
 「あっ…あん」
 正面から義母の身体に抱きついて、徐に彼女の細い首筋に唇
を這わしてやると、彼女は気恥ずかしげに顔を横に逸らして小
さな声を上げました。
 そこでまた義母の唇を奪い、舌を強引に口の中に入れてやる
と、僕の肩におずおずとした動作で手を回してきました。
 僕の手が義母のスカートのホックを外しにかかった時、彼女
の目が驚いて大きく開くのが見えましたが、僕は構わずにその
動作を止めず、スカートは彼女の腰からするりと脱げ落ちてい
ました。
 「こ、こんなところで…」
 義母はそういって僕の腕の中で、慌てて身を捩りました。
 「昨日の亜紀子の、下半身だけ裸というのがすごく興奮した
んだ」
 と僕が耳元で囁いてやると、
 「そ、そんな…恥ずかしい」
 と彼女はまた顔を赤く染めて俯いてしまいました。
 そのまま僕は膝を折り、義母の前に腰を下ろしました。
 白いガードルと肌色のパンティストッキングが露出し、僕は
躊躇うことなく義母の腰のあたりに手を当て、昨日と同じよう
にガードルとパンティストッキングと、その中のショーツを足
元までずり下げました。
 「ああっ…は、恥ずかしいわ」
 剥き出しになった細くて白い両足を窄めるようにして、義母
はその場に立ち竦むだけでした。
 いつの時からか、僕の心の中の嗜虐性にスイッチが入ってい
ました。
 「亜紀子一人を恥ずかしい目にしない」
 と僕はそういって、自分もその場でズボンのベルトを外し、
トランクスと一緒に脱ぎ下ろしました。
 「ほら、もう…」
 僕の剥き出しになった下半身を目の当たりにしたいきなりの
羞恥に、義母は顔だけでなく耳朶のあたりから首筋までを赤く
染めていました。
 まるで金縛りにでも合ったかのように身を固くして立ち竦ん
でいる義母の両肩に僕は手を置き、ゆっくりと彼女の身体を下
に押さえつけていました。
 強張っていた義母の身体ががくんと折れ、僕の前に膝まづく
ようになりました。
 義母の顔のすぐ前に固く屹立した僕のものが真横に突き出て
いました。
 僕が義母に何を要求しているのかを彼女は察したようです。
 義母の細い指がゆっくりと動いて、僕の股間に添えられてき
ました。
 上から見下ろすと眼鏡をかけたままの小さな顔が、僕の股間
の茂みに近づき、窄まった唇が横向きに突き出た僕のものの先
端に触れてきました。
 目を閉じたままの義母の窄めていた唇が徐に開いたかと思う
と、赤黒い僕のものの先端をゆっくりと口の中に含み入れてい
きました。
 小さく咽せ返りながらも義母は小さな口の中に、僕のものを
深いところまで含み入れました。
 僕の太腿に、膝まづいた姿勢の義母の両手が、支えのように
当てられていました。
 唇を丸く窄ませた義母の小さな白い顔が、ゆっくりと前後に
動いてきていました。
 口の中で時折、すでに固く屹立した僕のものが喉に当たり、
義母は何度かえづくような声を洩らしたりするのですが、僕に
ひたすらに忠実を尽くそうとしてか、顔の前後への動きを止め
ることはありませんでした。
 いつの頃からか、義母が僕からのどんな恥ずかしい命令や指
示にも強く抗うことはなく、隷従の姿勢を見せてきているよう
な気が、何となくでしたがしていました。
 僕には嗜虐性が、義母には被虐性が、お互いにこれで生きて
きた中では、ほとんど気づくことも知ることもなかった性癖が
芽吹き出してきているようでした。
 やがて僕は自分から動き、義母から身体を離しました。
 「室に行こう」
 と短くそういって、義母の細い腕を掴み、膝まづいていた彼
女を立ち上がらせました。
 僕のものを長く咥え続けていた後のせいか、義母はぜいぜい
と苦しげな息を吐いていて、口元のあたりも自らの流し出した
唾液で夥しく濡れそぼっていました。
 下半身だけを剥き出しにした男と女が、寄り添うようにして
空気の冷えた廊下を歩くことに、何故か僕は奇妙な興奮を覚え
ていました。
 理性ある大人としてそれなりに年齢を重ね、清楚で清廉な印
象がいつも際立つ義母が、僕の卑猥な指示にも強固な拒絶を見
せることなく、しずしずとまだ陽光の明るい廊下を歩いている
のが、僕の邪淫な昂まりを大きなものにしていたのです。
 剥き出しにされた下半身の恥ずかしい部分を、それでも義母
は少しでも隠そうとしてか、内股気味の小さな歩幅で廊下を歩
き、その顔は羞恥の朱色に濃く染まりきっていました。
 僕が前もって用意していたことでしたが、義母の寝室には温
かい暖房の空気が漂っていて、室の中央には布団まで敷かれて
いました。
 室に入った時、義母は布団まで用意周到に敷かれていること
に、少し驚いたような表情を見せたのですが、自分の恥ずかし
い姿を早く隠したいという思いからか、慌てるように布団に潜
り込もうとしました。
 布団に身を倒し込もうとした義母の片腕を、僕は咄嗟に掴み
取り、
 「亜紀子、ここで一緒に服を脱ごう」
 と徐にいったのです。
 え?というような表情で僕の顔を見上げた義母の顔が、また
色濃い朱色に染まりました。
 「ここで立ったままだよ。…僕が先に脱ぐ」
 そういって僕は義母の腕から手を離し、彼女の目の前でスー
ツの上着から順に、上半身の衣服を手早く脱ぎ捨てました。
 つい今しがた下半身だけを無様に露出して、羞恥の表情を一
杯にしながら、まだ薄明るい廊下を歩く義母の痴態に、僕の内
心は自分でも驚くくらいに興奮していたのです。
 布団の中央で僕は素っ裸の身を晒しました。
 僕のそのすぐ前で、義母は唇に指を当て、慄きの少し入り混
じったような羞恥の表情のまま、茫然と立ち尽くしていました。
 「さぁ、亜紀子も脱いで」
 そういって義母を促した僕でしたが、さすがに彼女の躊躇い
は大きかったらしく、すぐには動こうとはせず、さあ、という
僕の二度目の催促の声に、おずおずとセーターの裾に手をかけ
たのでした。
 剥き出しのままの下半身をまだ少しでも隠そうとしてか、細
くて白い太腿をぴたりと密着させながら、義母は羞恥の表情を
露わにして、僕の前で焦げ茶色のセーターを首から脱ぎ、白い
ブラウスのボタンを一つ一つ外し取っていく姿は、これまでに
なかった興奮でした。
 ブラウスが義母の肩からするりと脱げ落ちました。
 黒の小さな布のスキャンティと薄紫色のブラジャーが、義母
の雪のように白い肌から浮き上がるように見えました。
 スキャンティの細い肩紐が外れ落ち、ほんの少しの躊躇の後、
義母は僕に背中を向けるようにしてブラジャーのホックを外し
取りました。
 「亜紀子、こっちを向いて」
 背中を向けたままの義母にそう声をかけると、彼女は左腕で
露わになった乳房を、右腕で下腹部を覆い隠すようにして身体
を正面に向けました。
 年齢の衰えはさすがに隠せない肌の張りでしたが、肌理の細
かさが一目瞭然にわかる艶やかな肌の光沢はそれを補って余り
ある白さで僕の目を虜にしました。
 僕のほうから義母ににじみ寄り、小さく細い肩の上から腕を
廻すようにして、改めて彼女を抱き締めました。
 義母の細い両腕も僕の行為に呼応するかのように、強い力で
背中に巻きついてきました。
 そのまま長く唇を重ね合ってから、二人の身体は深く密着し
たまま布団に倒れ込みました。
 仰向けにした義母の横に添い寝するような姿勢をとって、僕
は彼女の唇に唇を重ねて、片手で彼女の小さなお椀のような乳
房を揉みしだいていました。
 口の中で義母の舌が激しく僕の舌に絡みついてきていました。
 乳房を揉みしだいていた手を僕は徐に義母の下腹部に下げ下
ろしました。
 「うっ…うん」
 塞がれた口から義母の声にならない声が洩れました。
 下腹部に伸ばした僕の手が、義母の茂みの中の肉襞を割って
入っていました。
 「亜紀子、すごく濡れてるよ」
 肉襞を割った手の指先に感じたことをそのまま義母にいうと、
 「ああっ…は、恥ずかしい」
 「いつから濡れてた?」
 と僕が意地悪に聞きます。
 「し、知りませんっ…そんな」
 「すごく滑ってるよ」
 「い、いや…いわないで…ああ」
 「卑猥な女だ、亜紀子は」
 「ああっ…こ、浩二さん」
 義母の茂みの中の僕の手は指だけでなく、彼女の体内から湧
き出てきている滑りのある滴りに、掌全体がしとどに濡れそぼ
っていたのです。
 「もう入れてほしい?」
 「ああっ…い、いや」
 「どうなの?亜紀子」
 「し、知らないっ…」
 「入れてほしくないの?」
 「ああっ…も、もう…」
 「自分からいわないと…」
 「こ、浩二さんの意地悪。…お、お願いっ」
 「ん?…聞こえなかったよ」
 「ああっ…浩二さんっ…お願い…入れて」
 「何を?」
 「あ、あなたの…ち、ちんぼ」
 「どこに?」
 「ああ…わ、私の…おめこに」
 「益々卑猥になってるよ、亜紀子」
 「あ、あなたが…」
 そのあたりで僕は上体を起こし、義母の両足を割り、その間
に自分の下半身を入れ、そのままそそり立ったものを一気に彼
女の濡れそぼった箇所に突き刺したのでした。
 「ああっ…」
 一際高い咆哮の声を上げて、義母の小さな頤が突き上がるの
が見えました。
 飽きることのない心地のいい狭窄感が、義母の体内に沈んだ
僕のものに、何か切ないような刺激を留まることなく与え続け
てきていました。
 数分ほどの間、腰の律動を続けていた僕はあるところで、義
母と密着したまま、彼女の上体を起こし上げ、逆にそのまま自
分が布団に仰向けに倒れ込みました。
 僕の腰の上で義母が跨るように座り込むかたちになりました。
 「ああっ…い、いやっ」
 唐突に僕の身体の上に馬乗りになったような体勢にされて、
義母の顔が激しく狼狽するのが下から見えました。
 「こ、こんな…は、恥ずかしいわ」
 狼狽の上に動揺まで入り混じったような義母の表情を、僕は
下から見上げるようなかたちになっていました。
 恥ずかしげに身を捩らせたり、前に倒れ込もうとする義母を
手で制したりして、僕は突き刺したままの下腹部を下から強く
突き上げたりして、彼女の身体を弄びました。
 「ああっ…あ、当たるっ、当たるの」
 「何が…?」
 「あ、あなたの…ち、ちんぼが…」
 「どこに当たるの?」
 「ああっ…わ、私の…おめこの…奥に」
 「気持ちいいの?」
 「ああっ…き、気絶しそう」
 僕は下からの突き上げにさらに力を込めました。
 「ああっ…浩二さんっ…こ、こんなの初めてっ」
 「気持ちいいか?亜紀子っ」
 「ああっ…ほ、ほんとに…死にそうっ」
 僕の腹の上に置いた義母の手が幾度となく折れ曲がり、上体
を前に倒れ込まそうとしてくるのを、僕は何度も下から支え持
つようにして突き上げを繰り返しました。
 「ああっ…だめっ…も、もう、浩二さん…私っ」
 「亜紀子、ぼ、僕もだよ。…亜紀子のおめこ、よく締まる」
 「も、もう…ほんと…ほんとにだめっ」
 「逝くよっ、亜紀子っ」
 「ああっ…は、はいっ…こ、浩二さん」
 騎乗位の姿勢のまま僕は、義母の体内深くに夥しい迸りを余
すことなく放出し果て終えたのでした。
 僕の強烈な最後の突き上げを受けた義母は、背筋を反らせる
ように高い咆哮の声を上げて、そのまま意識を失くし、僕の胸
に倒れ込んできていました。
 しばらくの間、二人の身体は折り重なるようにして、布団の
上で繋がっていました。
 途中で布団に仰向けに寝かせた義母が意識を戻したのは、そ
れから十数分後のことでした。
 その間に僕は脱ぎ捨てたスーツのポケットから携帯を取り出
し、画面を開き見ると、二時間ほど前に会ったばかりの小村武
からの着信が三度ほど入っていました。
 義母を布団の上で仰向けにしてつらぬいている時くらいに、
僕は携帯のかすかなマナー音がしていたことに気づいていたの
です。 
 小村武の何かをいい澱んだような声が、僕の耳元にざわめく
ように思い浮かんでいました…。


       続く
 
 

 
15/08/25 01:30 (j/qj1o6N)
9
投稿者: kkk
文章を読んでいて情景が目に浮かびますね、彼女の反応も見えるようです。
亜希子さんの恥じらいのある仕草がいいですね~、体も自然と反応している様で・・・コウジさんも亜希子さんを抱きたくなるのが良く判りますよ。
騎乗位の亜希子さんの反応がいいよ、もっと辱めてみくなる・・・NPで外出して見るとか・・・どんな反応をするんだろうか?
15/08/25 05:34 (Agp0YVlv)
10
投稿者: コウジ
その夜の由美の帰宅は十時半を過ぎていました。
 十時くらいの帰宅と聞いていたので、僕はその三十分ほど前に、二階に
上がり、パソコンの前に座っていました。
 義母と特殊な関係になる前には、いつもそうしてきたことで、義母と二
人でいることが、結婚当初の頃から妙に面映い感じがあったのです。
 それはとりも直さず、僕の心に早くから美しい義母への仄かな思慕があ
ったということで、彼女と二人きりになると妙に心がドギマギしたり、変
にざわついたりするからでした。
 階下で義母との長い親子話を終え、疲れきった顔で室に入ってきた由美
に、
 「お帰り、遅かったんだね」
 と労いの言葉をかけると、彼女は徐に椅子に座っていた僕の背中に抱き
ついてきて、
 「ねぇ…私、もう教師辞めようかしら?」
 と僕の耳元で力のない声で呟いてきました。
 「どうしたの?…学校で何かあったの?」
 勤務する学校で何か困ったことに陥るとよくいう、由美の口癖のような
言葉でしたが、僕の内心には小さな波風が立っていました。
 「ううん、私には直接的に関係ないんだけどね。苛め問題の生徒たちを
担任してる先生って、PTAからも好き勝手なこといわれたりして大変だな、
って思うの」
 「由美のクラスは大丈夫なの?」
 「今のところはどうにかだけど…でも、それって伝染病みたいなものだ
から、早く芽を摘まないと学校中に蔓延するの早いから」
 「そうかもな…」
 「お母さんにもさっきね、もう辞めようかなっていったら、あなたはも
う初心忘れたの?って叱られちゃった」
 「初心…?」
 「私、母と同じ道に進むっていった時、これは私の天職みたいなものっ
て偉そうなこといっちゃったの」
 「ふうん…そうなんだ。…でも、そうかもな」
 「私が女のくせにいつもポジティブで、前しか向いていないノー天気な
性格だから?」
 「はは、当たりだ」
 「こらっ―」
 他愛のない会話が終わって由美は、
 「お風呂入ってくるわ。…あなたも何だか疲れたような顔してるから先
に休んでて」
 とそういってそそくさとまた室を出て行きました。
 由美は僕の午後からの休暇も知らなかったし、その後の義母との長く激
しい抱擁のことも当然知らないはずでしたが、僕の顔のどこかに疲労感が
出ていることを見抜いたのは、やはり妻としての成せる技かと、僕は少し
肝を冷やしました。
 パジャマの上に着ていたカーディガンを脱ぎ、僕はベッドに潜り込んだ
のですが、確かに由美の指摘通りで、義母の身体に二度も熱い体液を迸ら
せた疲労感のようなものがありましたが、その昼間のことを思い起こすと
睡魔はすぐには来ませんでした。
 由美のいない間の義母との激しい睦み見合いは、あれから日がとっぷり
と暮れるまで続きました。
 騎乗位での行為は義母は初めての体験だったようで、
 「死ぬかと思った…」
 とあの後、深い嘆息を何度もつきながら喘ぐようにいったのでした。
 「あの、青木ともなかったの?」
 と僕が意地悪に聞いてやると、
 「なかったわ…お願い、あの男のことはもういわないで」
 と哀しげな顔でいったのです。
 それから布団の中で一時間近く、僕と義母は身を寄り添わせるようにし
て、まだお互いに半ば茫然とした時間を過ごしました。
 「町内会長の件は…本当に大丈夫なの?」
 眼鏡を外し取った切れ長の目を不安そうに泳がせながら、義母は力のな
い声でいってきました。
 「ああ、こちらからいうだけのことは、はっきりといってきたからね」
 「脅迫したりとか、されたりはしてないの?」
 「言葉はしっかり選んでいったつもりだよ。向こうはさすがに少し驚い
ていたみたいだけど」
 「私のことで、あなたに重い負担がかからないか、心配なの」
 「愛する女のためなら…ね。亜紀子はもう心配しなくていいよ」
 「…でも、いつかは私たちのことは、ケジメはきちんとつけないと…」
 「どうつけるの?」
 「…いつも毎日そう思ってるの。…でも…駄目な女ね、私。…あなたと
二人になると、こうして今日も」
 「僕もだよ。男としては贅沢で身勝手なのはようくわかってるんだけど
ね、亜紀子と二人になると、申し訳ないけど由美のことが頭から消えてし
まう」
 「あの子への罪は、母親である私に一番あるの。…死んでも償いきれな
い罪だわ」
 「僕もそうだけど、あの山小屋の出来事から…何か二人の人生観が変わ
ったような気がするね。…勿論、僕は少しも後悔なんかしてないけどね。
…ほら、亜紀子、まただよ」
 そういって僕は布団の中で、義母の片方の手首を掴み、自分の下腹部に
強引に誘っていたのです。
 はしたなくも僕のそこはまた、男としてのむくりとした反応を示し出し
ていたのです。
 それまでに言葉を交わしている最中にも、僕は布団の中で義母の首筋や
ら耳朶に息を吹きかけたり、手の指先で彼女の小さな乳首を摘んだりの行
為を繰り返していたのです。
 「わ、私も…お、愚かな女だわ」
 「亜紀子は賢い女だよ。…じゃなかったら、僕は」
 「こ、こんなに歳繰ってるのに…もう、女なんかじゃないのに」
 知らぬ間に義母の吐く息が荒くなり始めているのに、僕は気づきました。
 そしてその頃には男の僕のものも、愚かにももう復活の兆しを、下半身
にあからさまに見せていたのでした。
 熱気の籠もる布団の中で、二人の身体はどちらからともなく深く寄り添
い、またしても現れ出た淫靡な官能の濁流に押し流されるように、その身
体と身体を密着させ、熱く燃え上がり果て終えたのでした。
 義母が時折自らを卑下していう通り、彼女の年齢は六十三歳で、若い女
性と較べて肉体的な衰えや肌艶の張りの衰退は、正直なところ僕の目にも
確かでしたが、それら全てを凌駕するだけの、女性としての形容し難いそ
こはかとない魅力を、僕はいつの頃からか確信的に抱いていました。
 妻の由美の母としての出会いではもしなかったら、僕はその年齢差など
問題にせず、それこそ命がけで彼女を愛したと断言できるくらいの強い思
いでした。
 そのあたりで僕の意識は途絶え、深い惰眠の中に埋没しました。
 翌日の午後、僕は昨夕くらいに連絡をくれていた小村武に携帯を入れま
した。
 「あ、ああ…小村?…僕だけど、昨日連絡くれてたみたいですまなかった。
人と長く会ってたんで。…で、用件は?」
 と何故か少し慌てたような口調でいうと、
 「あっ…ああ、いや、こっちこそ。うん、何も特にはなかったんだけどな、
お前んちの近くにいたもんだから、お茶でもって思ってな」
 小村武のほうも、昨日の午後に会った時と同じように歯切れの悪い口ぶり
でした。
 「ああ、そうか。それは悪かったな」
 「お前、今日仕事退けてからでいいんだけど、時間あるか?」
 「何だ、やっぱり何か話あるんじゃないか。…いいよ、どこかで会おうか」
 小村武の口調の鈍さが妙に気になるので、僕のほうから誘いの言葉をかけ、
この前に一度彼と会った喫茶店で会う約束をしました。
 おそらく小村武の話というのは加奈子のことだということは予測できました。
 僕も彼女のことは気になっていたのですが、こちらからそのことを小村武に
切り出すわけにはいきませんでした。
 午後六時の約束で喫茶店に五分ほど前に着くと、小村武はもう来ていてこの
前と同じ窓際の席で煙草を燻らせていました。
 お互いに妙に気まずいような感じで対面の挨拶を済ませると、小村武のほう
から身を前に乗り出すように顔を僕に近づけてきて、
 「お前さ、野村加奈子とはほんとに全然らしいな?」
 といきなり話の要点に触れてきたのです。
 「あ、ああ、彼女とは義母が入院してた病院以来だから…」
 と僕はのっけから嘘をついていうと、
 「…らしいな」
 と小村武は疑う素振りすら見せずに肯定してきました。
 「どうして?」
 「お前、ほんとに知らないのか?…彼女、病院辞めてるぜ」
 「えっ?…辞めた?」
 まるで予期していなかった驚きの言葉でした。
 「何で?…何かあったのか?彼女に…まさか、君が?」
「ま、まぁ…それで俺もな、ちょっと寝覚めの悪いとこあってな」
 「どういうことだ?…ちゃんと説明しろよ。まさか君が、例のスカウトの件
で彼女を唆したのか?」
 「僕の心の中に驚きと同時に、妙な不安のようなものが急に渦巻いてきて
いました。
 「ああ、実はそのことで…お前に前以て謝っておかなきゃとずっと思って
て」
 「謝るって何だよ?」
 「い、いや…あれからも俺とこの事務所が彼女をどうしてもスカウトして
こいとうるさくいうもんでな…」
 「それで、僕の名前を使ったとでもいうのか?」
 「すまん。悪かった」
 コーヒーの味がわからなくなるくらいに、僕の気持ちも少なからず動転し
ていました。
 しかしもっと大きな驚愕は、その後の小村の話を聞いた時でした。
 小村武は所属する芸能プロダクションの社長から、加奈子のスカウトを強
烈に命じられていたらしく、何度か彼女に会い交渉を重ねたらしいのですが、
そういう華やかな方面での活躍の意欲は欠片もないと、加奈子は強固に断わ
り続けていたらしいです。
 その過程でたまたまですが、加奈子と僕が親しい間柄であるということを
知り、小村武は自分が僕の同級生だというと、俄然に心を開いてきたので、
悪いとわかりながらついつい僕の名を使って、愚かな策を労し、彼女を転職
に追い込んだというのでした。
 そこまで聞いた時、僕の怒りはすでに沸点に達していました。
 「何なんだよっ、それはっ」
 と今にもテーブルを叩かんばかりに声を荒げて、小村武の顔を睨みつけて
いました。
 「いや、ほんとに申し訳ない。俺も事務所からやかましくいわれてたんで、
つい」
 僕の激しい剣幕に驚いて、小村武は首と肩を竦めるように窄めて、慄いた
顔を項垂れさせていました。
 小村武に対する激しい怒りは当然のことでしたが、果たして加奈子は僕と
のことを、どこまで彼に話しているのかがわからず、何か薄ら寒い疑心暗鬼
に駆られていたのも事実でした。
 「彼女に君は何をいったんだよ?」
 「いや、それでな、申し訳なかったんだが、彼女にお前が奥さんに君との
ことがばれて、家の中が大変なことになってるって、ちょっとカマをかけて
いったら、彼女、急に泣き出してきてな」
 「…………」
 「真剣な顔して、あの人とは何もないっていってきて…それで俺もそこで
引っ込みつかなくなってしまってな。…奥さんが病院まで乗り込んでくるか
も知れないから、早く病院を辞めたほうがいいんじゃないか、って」
 「馬鹿なっ、何てことをっ」
 「すまん。…そしたら三日ほどしたら彼女から、病院を辞めたって電話あ
って」
 「何て馬鹿なことを…それじゃ、まるで犯罪行為じゃないかよ」
 小村の身勝手な虚言によって、一人の純真な女性が職を失い、僕までも一
気に奈落の底へ突き落とされたような、暗澹たる思いに駆られていたのでし
た。
 僕のほうは兎も角として、しかしそれよりも加奈子のほうはもっと気の毒
で憐れに思えてなりませんでした。
 一切の連絡を途絶えさせていた間に、加奈子の身にそんな不幸で驚愕の出
来事が起きていたことを、ついぞ知らずにいた自分を、僕は心の中で激しく
恥じました。
 加奈子は、当分は連絡は一切してくるな、という僕の身勝手な保身だけか
らいった言葉を、健気にも忠実に守って、全てを自分で決めて、自分だけで
判断したようです。
 目の前で申し訳なさそうに顔を俯けているだけの小村武を、僕は腹の底か
ら殴り飛ばしてやりたい気持ちになっていました。
 二人の間にしばらく沈黙の時間が流れました。
 「…それで、彼女はどこへ行ったんだよ?」
 まだ小村武への怒りは鎮まってはいませんでしたが、聞くだけのことを聞
いて一刻も早く、この場を立ち去りたいという思いで、僕は彼に問い質しま
した。
 「あ、今うちの事務所に来てもらってるよ。あの子も生活もあるだろうし、
今、うちの事務所でタレント修行してるよ」
 「何だってっ?」
 「いや、俺もやっぱり責任感じるし…うちの事務所もな、ずっと熱望して
いただけあって、かなり有望視されているんだよ」
 「そんな馬鹿なっ…」
 僕はもう一度小村武を殴り飛ばしたい気持ちになり、同時に胸の詰まるよ
うな思いになっていました。
 小村武の虚言であったとしても、加奈子は自分のせいで、僕が困窮してい
ると聞き、自らが身を引く決断をしたのだと思うと、あの愛くるしいだけの
顔だと思っていた彼女の顔が、一人の大人の女性の顔として、やるせなく切
なげに僕の脳裏に浮かんできていました。
 「彼女は…本当にタレントになりたいっていってるのか?」
 僕の目の前にいるこの男とは、もう話すことは何もないと思いながら、僕
はわざと空々しげな口調で聞きました。
 「そ、そりゃ、うちの事務所も本腰入れて売り出すっていってるから…」
 「あまり僕も記憶はないが、確かに綺麗で可愛い感じの子だったと思うけ
ど、事務所側は何で売り出そうとしてるんだよ?…モデルか何かか?」
 「う、うん、それはまだ…方向はこれからの養成次第らしいが…な」
 僕は小村武の口ぶりに、何かまだ引っかかるようなものが多分にあったの
ですが、この男と長居はしたくないという思いが強くあったので、自分から
伝票を取って席を立ち上がりました。
 加奈子が今どこに住んでいるのかということや、本気でタレントの道を目
指しているのかということ、他にもまだ確認したいことが多くあったのです
が、相手が小村武ではそれも適わぬことでした。
 帰路の車の中でも、僕は暗鬱な気持ちに苛まされていました。
 いつかのあの日以来、僕に会うこともなく、言葉の一つも交わすこともな
く、いわば忽然と消えたようなかたちの加奈子のあのまだ女子高生のような
愛くるしい顔を思い出すと、やりきれなさとやるせなさが入り混じったよう
な気持ちになり、胸がひどく痛みました。
 七時過ぎに帰宅すると、由美のほうが今日は早く帰っていて、食事も済ま
せ入浴中でした。
 ダイニングのテーブルの前に腰を下ろすと、僕の湯飲みにお茶を注いでい
た義母が目ざとく僕の表情を見て、
 「何かあったの?」
 と小さな声で聞いてきました。
 「あっ、うん、ちょっと仕事のことでね。ちょっとドジ踏んじゃって…」
 と照れ笑いを浮かべていうと、
 「そう…」
 とだけいって、流し台のほうに踵を返していきました。
 僕の暗い表情を見て、密かながらに心配してくれている義母の気持ちが
痛いほど僕の胸を打ちましたが、さすがに僕もそれ以上の言葉を告げられ
ず一人で忸怩たる思いになっていました。
 そしてその週の日曜日、僕はまた加奈子の件で衝撃の事実を知ることに
なったのです…。


     続く
15/08/26 23:45 (vpL4zuSz)
11
投稿者: kkk
秘密が多く関わりのある人間が出てくると、いろいろな面で心配事が増えますね。
加奈子殿の件ではちょっと揉めそうなんだろうな~、彼女の事務所での扱いが目に見えそうですよAV女優だったりしてね~。
読む側としてはやはり亜希子さんだね、彼女との絡みが何時もわくわくさせてくれますよ。

前回の、
>「いつから濡れてた?」
> と僕が意地悪に聞きます。
> 「し、知りませんっ…そんな」
2人になると条件反射的に濡れてくるのかな~
でも良いね、可愛いですよ・・・こいうコメントは。

次作も楽しみにしています。
15/08/27 06:02 (0uptbZgJ)
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