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1:義母・亜紀子
投稿者:
コウジ
(義家族との体験―義母・亜紀子より続く)
…青木との情欲を赤裸々に綴った義母の日記は、その 後、十日から二週間ほどの間隔をおいて生々しく書き記 されていました。 義母の日記から青木という男を想像すると、僕とはま るで異質の人物のようで、体型的にも無駄な贅肉のない 精悍さがあり、自分の強靭な身体能力と、普通人とは少 し違う事の善し悪しの判断能力を度外視したような、も っと動物的な感覚と感性で生き抜いてきているというし たたかさのようなものがあり、おそらく義母の精錬で聡 明実直な人生ではほとんど遭遇することのない、ある意 味、破天荒な人物のように思いました。 何となく決められた階段を一歩ずつ上がり、安心と安 全と安泰の道を、ただ無機的に生きてきていただけの自 分にはないものだらけのような、そんな男のような気が しました。 義母の日記から青木が発した言葉の一つ二つを抜粋し ても、彼が自分の感性と感覚だけで生き抜いてきてたと いうのが窺い知れました。 「なぁ、先生よ。その歳でも俺みたいな男に抱かれて 、あんた、いい気持ちだろ?男と女ってのはよ、理屈じゃ ねぇんだよ」 とか、 「あんた、さぞかし立派な教育を受けて、真面目一筋 に生きてきたんだろがよ、男と女の間で、これだけ本心 で気持ちよく楽しめるてこと知らねぇのも、一度きりの 人生でそれはそれで不幸なことだと思うぜ。先生は俺に 会えてよかったよ」 などという言葉で、不遜にも青木は元聖職者の義母を、 強靭な体力を活かした老獪な手練手管で、いとも短い期 間で屈服に追い込み、陥落させていたのでした。 義母が青木に初めて尻穴を犯されたのは、四度目の逢 瀬の時のようで、そのあたりの件は次の通りでした。 …青木に肩を抱かれ、いつものホテルのいつもの室に 入り、最初に私は彼の前に膝まづく。 青木のズボンとトランクスを脱がし下ろして、汗と男 の体臭の強く入り混じったものを口で愛撫するのだ。 そうしろ、という青木の命令だった。 そしていつものように丸いベッドに投げ出され、衣服 を乱暴に剥ぎ取られ、はしたない愛欲の行為に淫れ堕ち る。 あるところで、というよりも青木と二人でホテルの室 のドアを開けて入った時あたりから、私は自らの意志と 理性を失くし、愚かで淫乱な女になり下がり、はしたな くあられもない喘ぎの声を上げ、彼の背中にしがみつい ていくのだ。 女としての自分自身に、これほどに下品で卑猥な魔性 の心が潜んでいたことを、あろうことか自分を陵辱した 男によって知らされたのが悔しく哀しかった。 私はしかし、まだ決して全ての面で青木には屈してい ない、と強がりではなく心の中では思っていた。 少なくとも気持ちの中に、彼への思慕的な思いは断じ てなかった。 年甲斐もなく消え入りたいくらいに恥ずかしいことだ が、自らの意思とは関係なく、ただ動物の牝として屈し ているだけなのだ、といつも心の中で私は叫んでいた。 その夜も、私はベッドの中央で仰向けにされ、青木の 強いつらぬきを受けていた。 つらぬかれながら彼の肩にはしたなくしがみつき、ふ と目を開けると鏡張りの天井に、両足を淫らに開き、赤 黒く引き締まった肌をした男に覆い被さられている無様 な痴態を晒け出している自分がいて、愕然とした思いに なるのだった。 天井の鏡に妖しく無様に映る自分自身の痴態は、激し い羞恥と同時に、身体のどこか奥底にある熱い昂まりの 坩堝を刺激し、意思とは裏腹に青木の背中にしがみつい ていくのだった。 青木の身体が予告もなく不意に私から離れた。 昂まりくる快感に不覚ながらも酔い痴れようとしてい た私の身体を、青木はいとも容易く起こし、俯けに這わ した。 四つん這いの姿勢で、私は再びのつらぬきを受け、叫 び声のような咆哮を上げて、首を激しくうち震わせた。 と、腰の律動を続けながら青木の手の指が、私の臀部 の窄まりのあたりを不意になぞってきていた。 これまでにも一度もなかったことで、予期していなか った行為だった。 青木の固い指先が、私のその窄まりゆっくりとだが突 き刺そうとしてきているのがわかり、私は驚き慌て慄い た。 直感的に青木の魂胆がわかった。 臀部のその小さな窄まりは、排泄だけの機能と疑うこ とのなかった私だったが、最初に青木の指を感じた時、 思わず背筋に鋭く電流のようなものが走るのを感じたの だ。 「い、いやっ…」 私の慄きは頂点に達し、慌てふためくように前ずさり に青木から逃げようとした。 しかし私の逃亡は、青木の手でいとも容易く阻止され た。 「ああっ…」 青木のつらぬきを三たび受け、私は儚く声を上げて悶 えた。 もう逃れるすべはなく、私の窄まりへの指での愛撫も 続くこととなった。 唐突にひんやりとした粘液のようなものが青木の手で、 臀部の窄まりのあたりに塗り込まれるのを私は感じた。 それは乳液のような粘い感触だった。 「ああっ…だ、だめっ…いやぁっ」 青木の指の先端が私の窄まりの中に埋没してきたのが わかり、これまで以上の高い声を私は上げた。 急激に私を襲った、声を出さずにはいられないくらい の、初めての激し過ぎる体感だった。 ぬめぬめとした感触の中で青木の指が、私の窄まりを 出たり入ったりしているのがわかった。 全身を激しくうち震わせるような体感は長く続いた。 やがて青木の指が抜け、間髪をおくことなく、私の身 体をつらぬいていたものが、指の代わりに窄まりの先端 に突き当てられるのがわかった。 「ああっ…いやっ…い、いたいっ」 身体をを引き裂かれるような激痛が一瞬全身に走った。 まるで違う部分に青木のものが、強烈な圧迫感を伴っ て押し入ってきているのを私は実感させられていた。 そして私を襲った激痛は長くはなかった。 激痛のすぐ後に、生まれて初めての愉悦的な深い体感 が、私の身体をとって変わって支配していた。 恥ずかしいことだったが、堪えのようのない悦びだっ た。 「ああっ…お、犯されて…私、犯されてるっ」 あられもない言葉を私は叫んでいた。 「し、死ぬっ…死んじゃうっ…ああっ」 青木の腰の律動はまるで勝ち誇ったようにそれから長 く続き、私は意識をどこかで遠のかせていた。 そこまでを読み終えた僕の心の中に、ある思いが湧き 上がってきていました。 それは失望感に似たような感情でしたが、それはもし かして裏返していうと、青木という会ったこともない男 に対しての、僕の嫉妬心だったのかも知れません。 今朝、義母を車に乗せた時の妙に嬉しかった気分が半 減したような気持ちになり、もう続けて義母の日記を読 みたいという気持ちが何故か失せていました。 何となく白けたような嫌な気分になり、室を一度出よ うとしていた時、義母の机の上に置いていた携帯がけた たましく鳴り響きました。 着信メロディで、それが義母からだというのがすぐわ かりました。 「もしもし、浩二さん?」 僕の不埒な行いを何も知らない、朝の車の中と同じよ うな明るい義母の声でした。 「亜紀子、どうしたの?」 嫌な日記を読んだ気分のままの声で聞くと、 「雨が急に降り出してきてね、バザーが中止になった の。もう少しで片付け終わって、お昼には帰れるわ」 まるでバザー会場にいるよりは、僕と一緒にいるほう が嬉しいといわんばかりの、無邪気で浮き浮きとしたよ うな義母の声でした。 ある考えが咄嗟に僕の頭に浮かびました。 「すぐに迎えに行くよ、亜紀子。外で一緒にご飯食べ よう」 とそういって僕は、 「でも…」 と言葉を濁す義母を制して、 「親子だからいいじゃない」 といって一方的に携帯を切りました。 朝、義母を降ろした駅裏公園の駐車場で彼女を乗せる と、そのまま郊外に向けて車を走らせました。 「最近できたばかりなんだけど、美味しい讃岐うどん の店があるんだよ」 「そう…」 きっと初めてなはずの僕と二人での外食に、義母はま だ少し浮かなさそうな顔つきで、しきりに眼鏡の細いフ レームに手をやっていました。 義理とはいえ親と子ですから、誰に憚ることもないな いはずですが、やはり義母は僕との特殊な関係をどこか で意識しているようでした。 讃岐うどんを二人で食べるというのが、僕の目的では ありませんでした。 そのうどん店は郊外を少し走りきったところにありま した。 店の中は休日のせいもあってそこそこに混んでいまし たが、長く待つこともなく席に座れることができました。 釜揚げうどんを二人で食べている時、 「僕たちのこと、みんなどう見てるんだろうね」 と僕が義母に声をかけると、彼女は色白の顔を見る間 に朱色に染め、深く俯いてしまっていました。 そして帰路。 行く時に事前に目星を付けていた交差点を、僕はウイ ンカーランプを点けないまま左折しました。 幅五、六メートルほどの農面用道路のすぐ向こうに、 大きな看板の立つ建物が見えました。 その看板には、夜なら点いているネオンの細いガラス 管が縦横無尽に走るようにへばりついていました。 地中海にある都市の名がホテルの名前になっていまし た。 横目で義母の顔を見ると、驚きの表情が露わになって いて、見る間に蒼白になり強張ってきているのがわかり ました。 「どこに行くの?」 と義母の慄いているような固い声を僕は無視して、車 を目の前の建物の入口に進入しました。 「ね、何?…何するの?浩二さんっ」 大きなシャッターの中へ車をねじ込むように入れると、 薄暗い空気の中で義母は、驚きから怒りの表情に一変さ せているのがわかりました。 「亜紀子を抱きたくなってきた」 そういって僕は義母の震える肩に手を置きました。 「いやっ…いやよ、こんなところでっ」 義母は僕の手を振り切るように肩を強く揺すり、明ら かに憤怒の表情を満面に滲ませていました。 すったもんだのやり取りが薄暗い車内でしばらく続き ましたが、 「亜紀子…ここが青木との思い出の場所だからか?」 という僕の非情で冷徹な殺し文句で、義母は言葉を失 くし、哀しい表情を一杯にして車を降りました。 このことは以前に義母に青木との情交写真を見せて詰 問した時に、ホテルでの逢瀬を彼女自身の口から白状さ せていましたが、実際の場所がここだということは、僕 は知らぬふりを決め込んでいて、日記のことは億尾にも 出さずにました。 このホテルがまさしく青木との情交の場であるという ことは、従って義母しか知っていない事実になっていた のでした。 人気のないロビーで室内写真付きのボードで三階にあ る丸いベッドの室を見つけると、僕はさも何も知らぬ気 で使用開始ボタンを押しました。 義母には堪え難い僕の選択だったと思いました。 義母の日記の通りの室でした。 丸い大きなベッド、ガラス越しに丸見えの浴室、そし て見上げると天井一面が鏡張り。 車を降りてから義母はずっと蒼白な顔で、無言で沈鬱 な表情のままでした。 午前に読んだばかりの義母の日記の一文を僕は思い起 こしていました。 (…室に入ると青木の前に私は膝まづく。そうしろ、と いう青木の命令だった) 内ドアの入口付近で沈鬱に萎れて立ち竦む義母の前に 僕は進み出ました。 固く縮みきっている義母の肩を抱き、そのまま下へ押 し下げるようにしました。 義母の膝が力なく折れ床に膝まづきました。 四年前の青木のことを義母が思い出しているのかどう かは、その時の僕にはわかってはいませんでした。 僕が自分の手でズボンのベルトを外しトランクスと一 緒に脱がし下ろすと、義母の目が小さく驚くのが見えま した。 義母の側に寄り彼女の肩を抱いた時に、かすかに鼻腔 を刺激した心地よい匂いで、僕の下半身のものは一気に 勃起状態になっていました。 真横にそそり伸びた僕のものの先端の近くに、まだ蒼 白なままの義母の顔がありました。 義母のうなだれていた細い両肩が何かを諦めたように、 さらに小さく竦み、握り持っていたバッグから離れた手 が、僕の屹立したものに触れてきました。 やがて僕のものは義母の小さな口の中に埋没しました。 義母は眼鏡の奥の目を深く閉じ、何かを振り切るかの ように一心不乱に僕のものを、小さな口で長く愛撫し続 けました。 義母の熱心で丹念な愛撫に、不覚にも暴発寸前という ところまで追い込まれた僕は、途中で自分から彼女から 離れ、そのまま四年前に青木がしたように、小さな身体 を抱え上げベッドに投げ下ろしました。 義母の衣服の全てを脱がし全裸にし、鏡張りの天井が 彼女の視線に入るように、ベッドに仰向けにしました。 すぐに義母の眼鏡の奥の目に、驚愕の表情が浮かびま した。 「綺麗だよ、亜紀子」 そう優しい声でいって、僕は義母の真横に添い寝しま した。 「ひどい人…」 自然な動きで義母の片手が僕の首に巻きついてきてい ました。 「何が…?」 「知らない…」 「こういうところって、僕もあまり慣れてないけど、 女の人を殊更に綺麗に見せるね」 「………‥」 「由美と…結婚前に一度だけ入ったことある」 「由美のことはいわないで…」 「妬ける?」 「そんなじゃない…嫌なの」 「青木のこと思い出さない?」 そこで僕は初めて青木のことを口にしましたが、義母 はその言葉を遮るように、 「抱いてっ…」 といいながら両腕を僕の首に巻きつけてきました。 僕もすでに素っ裸になっていて、体験のほとんどない といっていい妖しい空間の中にいることと、義母からの かすかな女の匂いで昂まりは一気に増幅していました。 「ああっ…こ、浩二さんっ…いいっ」 僕の固い屹立が義母の身体に突き刺さった時、義母も 一気に昂まりが増幅されたのか、いつにない激しい悶え の声を上げて首に巻きつけた手に力を込めてきていまし た。 「亜紀子、素敵だ…」 「ああ…浩二さん、私も…もうどうなってもいい」 本当の恋人同士が愛し合うように、僕と義母の身体は 丸いベッドで激しく抱擁し合い、幾度となく唇を深く長 く重ね合いして、めくるめく絶頂の熱く大きな渦の中に 沈み堕ちたのでした…。 「…私がお昼前に電話入れた時から、こんなこと考え てたの?」 お互いが茫然自失とした時間の中で、義母が僕に尋ね てきました。 「えっ?…あっ…まぁ、そうだったかも」 「悪い人…」 「今日は…もう我慢の日だと思ってたから」 「…私もよ…バザーが中止と決まった時ね…すぐに、 浩二さんの顔が浮かんだ」 「それは嬉しいことだ」 「お昼から二人でいれるって…」 「抱かれたいって思ってた?」 「いや…そんな」 「なんだ、違うのか」 「…少しは…」 「僕はすぐに思ったよ。だからここに来た」 こんなところに来たいと考えた僕の本当の動機、つま りは義母の日記に触発されたとは、さすがに彼女には正 直にはいえませんでした。 「そういえば亜紀子、例の自治会長の小村さんだっけ? あの人とのこと、前に聞いた時はぐらかされたけど…何 かあるんじゃないの?」 不意に話題を変えて、以前から気になっていたことを 義母に尋ねた僕でしたが、 「な、何もないわ…」 とまたしても素っ気なく冷ややかに返答されたことで、 そのことへの僕の疑心暗鬼はいやが上にも増幅するばか りでした…。 続く
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2015/08/05 01:24:49(V6/fPNrC)
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