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1:感想を頂ければ幸いですm(__)m
投稿者:
淡々タヌキの○○
◆5j8r7Z2at.
N県O市…8年前僕が住んでいた場所…。今、そこへと向かう列車の中に居る。
僕は本当にツイてない。最近付き合い出した彼女がホテルから出てくるのを見てしまった。しかも相手は俺が通う大学の学園長…手が早いので有名なタラシだ。彼女に問いただす事も出来ず、憂鬱な日々の中で受けたテストなど惨憺たる物で、大学にも行かなくなり、落第ギリギリ状態だった。 そんな僕を見兼ねて、母が用事を頼んできた。気分転換でもしてこいという事らしい。 もし今の僕を癒してくれるとしたら、従姉妹の双子の香流(かおる)と杏梨(あんり)の笑顔だけだろう。 とても可愛い娘達で、きっと美人になってるに違いない。そんな想いが頭を過ぎっていた。 最寄り駅の改札ロビーに立つ。迎えが来ているらしいけど、その気配は無い。辺りを見回しても、やたら気合の入った感のお嬢さんが二人居るだけだ。出来るだけ関わりたくない。 途方にくれて立ちすくんでいると、先程のお嬢さん達がこっちを見て何やら話している。ヤダなぁ…、あっ!こっちに来る。 僕の傍で挟み込む様に立ち止まると、クルクルと回りなからジ~っと全身を見始めた。 (金なんか無いぞ…) 二人並んで僕の正面に立つとグッと顔を近づけて来た。 (だ、誰か…助けてくれ…) ニコッ(^∇^)×2 ……? 「あ~、やっぱりチイ兄じゃん!」 『…え?』 背の低いお兄ちゃんだから、チイ兄…僕の事をそう呼ぶのはこの世に二人しか居ない…という事は…。 「俺、香流だよ。相変わらず背低いな」 「杏梨だよ、久しぶりっ」 間違いない…。その瞬間、僕の中で何かがガラガラと音を起てて崩れ落ちていった。 茶髪にバリバリの化粧とピアス、流行りのネイルと派手めな服装。昔の面影なんて全く無い。 ・・・・ 「何ボケ~っとしてんのさ、さあ行くよ」 「荷物これだけ?」 両腕を抱えられ、タクシーに押し込まれた。 しかし、助手席も有るというのに、何故3人並んで座るんだ?これじゃあ拉致られてるか、警察に突き出される痴漢にしか見えないよ。運転手も怪訝そうな顔でバックミラー越しに覗いている。 「何見てんだよ?ちゃんと運転しろよ!」 ドスッ! 香流が運転席のシートを蹴飛ばした。 夢なら覚めてくれ…出来るだけ早く。心の中でそう願った。 慌てた運転手がバランスを崩した時、僕の腕に二人の柔かな膨らみが押し付けられる。加速する鼓動…二人にバレはしないだろうか? 神社の近くで車が停まる。この先の細い道を上がっていけば叔父さんの家だ。 良く見れば提灯が並び、屋台の準備をしている人がいる。 もう秋祭りか…。そんな事を考えていると、向こう側からこれまた気合の入った方々がやって来る。 ザザッ! 「あ、お早うございます、香流さん、杏梨さん」 モーゼの十戒の様に道が開く。どうやら二人は結構【顔】らしい。人垣を抜ける間に皆が僕を品定めする様に見ている。妙に居心地が悪い、何なんだ一体? 「まさか香流さんのコレっすか?」 一人が親指を立てる。 「馬~鹿、従兄弟だよ」 そんな僕の思いを余所に二人はどんどん進んでいく。 叔父さんの家に着いた。僕が引っ越した後、少し後に建て替えたらしい。 「久しぶりね。疲れたでしょ?」 叔母さんが笑顔で迎えてくれれ、叔父さんは相変わらず無愛想だ。 客間に荷物を置いてから、改めて挨拶をする。本当はビジネスホテルにでも泊まるつもりだったが、叔父さんが家に泊まればいいと言ってくれた。土産話に花が咲くと従姉妹達の話になったが、叔父さん達は少し暗い表情を見せた。 「か…恰好良いと思いますけど。向こうにもあれだけの娘達は居ないですよ」 僕の言葉にも複雑な表情を見せるだけだった。 元々ボーイッシュだった香流と女の子らしかった杏梨、二人の変貌ぶりと、新しい家…落ち着かない。まるで見知らぬ他人の家に預けられた子犬の様だ。 居辛くて散歩に出掛けた。新しくなった物、朽ちていく物…否が応でも僕に8年の流れを突き付ける。そして此処にも…。 「チイ兄ーッ!」 祭装束に身を包んだ香流達が現れた。 「どうしたのさ、ボーっとして。さては俺達に惚れたか?それとも欲情したのか?」 『ば…誰が欲情なんて』 正直杏梨達に見とれていたのは確かだ。凄く似合っている。逆に昔のままなら違和感所の話じゃないだろう。 此処の山車はかなり大きくて、何種かある。女山車もその一つだ。聞けば今年は二人が先陣を引くらしい。 得意満面の従姉妹達。もうかなりテンションが上がっている。 「オ~イ、香流、杏梨!」 暫く話し込んでいると向こうで二人を呼ぶ声がした。手を振り走り去る二人に8年前の幻影が重なる。 ―祭当日― 様々な屋台が灯かりをつけ、祭囃しの中、大勢の人が賑わいをみせている。 「オラーッ!気合入れろー!!」 威勢良い掛け声と共に走り抜けて行く杏梨と香流。飛び散る汗…今まで見た誰よりも輝いている二人に僕は目を奪われていた。 綺麗だ…。それが素直な感想。それに引き換え、僕は……。 滝の様に伝う汗でサラシとかが透けて見える。 (うわっ…アイツ等ノーブラか?) 引き締まったお尻にうつる下着のラインが分かる。 香流ってば黒のTバックか…かなりセクシーなの履いてるなぁ…、杏梨はバックプリントか…杏梨らしい可愛らし……!?。 違う!! あんな位置に有るのはおかしい。まさか…? 考えたくない疑問を胸に二人を呼び出した。 「チイ兄、俺達の晴れ舞台見てくれた?」 『…ああ』 「恰好良いかったでしょ」 『…ああ、素敵だった』 「ヤリィッ!」 僕の言葉に凄く嬉しそうに、高く掲げた手を打ち合わせた。 『・・・』 「どうしたのさ、チイ兄?」 俯き黙ってしまった僕の顔を覗き込む。 『…なあ、一つ聞いていいか?』 「何々、愛の告白?」 いつになく真剣な表情の僕を思わず香流が茶化す。 『杏梨…その腰のモノは何なんだ?』
2010/10/23 21:43:45(J242Utdq)
投稿者:
感想
『エロ近親相姦モード』で読んでしまったのです。。。いとことのセックスって禁忌じゃないですよね。他の投稿と違ってエロ重視ではないですし、柔らかく優しい文章だったので、そこがちょっと『?』でした。
作風は大変好みなので、もし宜しければノンジャンルとかそちらに投稿したらいかがかと思います。エロなしでもよい板なので。もちろんガッツリエロが好きですが←
10/10/25 11:14
(sWP5lPpE)
投稿者:
びん
すごく良かったです。
泣けました(*^-')b
10/10/25 12:33
(5Y8Ii9O9)
投稿者:
淡々タヌキの○○
◆5j8r7Z2at.
コメントを頂きました皆様、有難うございます。
ご指摘は勉強になりますし、お褒めの言葉は励みになります!(^^)! あまりエロいのは得意では無いのでノンジャンルは有り難いですね。 エロいと思われるのは調教小説板に投下してありますので、そちらもお読み頂ければ嬉しいです。
10/10/25 13:16
(CmpalEIz)
投稿者:
河南
遅いレスになってスイマセン(久しぶりにここに来て今日読ませていただきまし
た) 心の温まる物語で良いですね! ひどい目にあった香流と杏梨が前向きに生きようとする姿がけなげです。 私としては続編が見たいです。 あつかましいお願いかと思いますが、この二人が最後は妻妾同衾・・・といいます か(一人が妻で一人が妾なら不公平かも)、主人公と事実婚で一夫多妻な家庭を作 るみたいな展開はどうでしょう? とにかく香流と杏梨には幸福になってもらいたいのです。
11/01/11 13:49
(TPoM2H.M)
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