隠す様に仕舞ってあった色柄物の母の下着、普段身に付けてるように思えな
いこれを、母がどの様に使用していたのか、その答えが同じ場所にありまし
た。正直それを見た時、私にとってもショッキングな事でした。
それが、下着の入れの奥に仕舞ってあるのが変に思えるものでした。
写真を現像に頼むと、必ずその袋に入れて返してくれるあの袋でした。
袋の中には、現像した写真もネガと一緒に入っているようでした。
私は強い興味を持ちました。このような場所に隠してある写真です。
震える手で、その中から写真を取り出しました。一枚一枚、ユックリ見て行
きました。最初の一枚目は、どこだかの家の、ドアの前に立つ母が写ってい
ました。笑い顔を見せています。服装は外出スタイルの様です。
次の写真は公園の様です。公園の子供用ブランコに座っている母、同じくカ
メラに向かってみせる笑顔、３枚目は私も知っているディズニーランドの様
です。そこでの写真が何枚か入っています。どれも、母一人だけが写ってい
ます。捲って行くうちに、部屋の中で、窓をバックにして立っている母の
姿、そして・・次の写真、それを見た時、私は目の前にある母の下着の正体
を知る事になりました。
その写真には、私の目の前に出ているのと同じ、淡いブルーのスリップを身
に付けた母がいました。信じられない事ですが、母は父を裏切っていたので
す。そこがどこで、誰が相手なのかは判り様もないですが、家で身に付けた
事もない下着姿で、写っている写真、それが意味するもの、それこそ一つし
か思い当たらないものでした。
母の意外な秘密を垣間見た思いでした。写真の母はまだ今よりも若い時の様
だ。まだ父が店をやっていた頃だろう。その頃に、母はその男とディズニー
ランドで遊び、帰りのその男の所で、下着姿で写真を写したと言う事なのだ
ろう、記念写真として。母にとっても捨てるに捨てられないものだったの
で、この場所に仕舞ったのだろう。
まだ袋の中に何か入っている様だ。そのまま袋をひっくり返してみた。
何かが下に落ちた。驚いた、未使用のコンドームだった。
私は複雑な気持ちになった。私が思っていた母とは違う母がそこにいたの
だ。父を裏切り、コンドームを使う父以外の男性がいたという事実に。