この駅に降り立った時、この旅行は、母との思い出つくりと、出来るなら私
と母との子作りを・・、そんな思惑が交差するものでした。
しかし、今この駅で列車を待つ二人の胸の中には、その時とは違う目的意識
が生まれていました。
楽しいはずの旅行は、父からの突然の電話により無残な結果となってしまい
ました。しかし、その事が私達2人により深い結びつきが生まれた事です。
もはや疑う余地も無い信頼関係と言って良いと思います。
何時でも母を連れて家を出る事は可能です。ただ・・私も母も父の事を考え
ると簡単な事ではないのです。母は父の妻です。私は父の扶養家族です。
この事実の前はどうする事も出来ません。私が父の手を離れ、母を女として
迎える事が出来るまでは、この事実を受け入れるしかないのです。
「父さんには連絡したの？」
「キップ買っている時に連絡したわ、2人でこれからアパートをで出るか
ら・・て。」
そうです。母と私は今東京にいる事になっていたのです。忘れていました。
母との事が、当たり前の事の様に思い始めていましたので、旅行に来ている
事も当たり前の出来事として捕らえていました。
「そうだね・・アパートから出かけることになってるんだね？」
「まさか・・旅行に来てるなんて言えないでしょう？　＊＊＊と」
「うん、喜美江とオマンコしに来たなんて言えない。」
私は母の耳に小声で囁きました。
「ばか・・・」
母が顔を赤くしていました。
「これで・・向こうの駅に着いたら・・母さんだね？」
母に言いました。
「ごめんね・・辛い思いさせるけど、少しの間だけ許してね。」
「判ってるよ、喜美江を愛してしまった事の罰と考えるよ。」
「又抱いて欲しくなっちゃう・・、そんな事言われたら・・」
「心配しないで、上手くやるよ、僅かな間だけなんだから・・」
列車がホームに進入してきました。
私と母は列車に乗り込みました。いよいよ、父が待つ我が家に向かうので
す。
母と親密な関係になって初めて父と対じする事になるのです。
その覚悟は出来たつもりです。
いつか・・父に堂々とこの言葉を言えるまでは・・。
「母さんは・・頂くよ！　父さん・・」


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ここでしばらく、休載させて頂きます。10月より、リクエストのありました
再掲載を考えております。その後再スタートが出来ればと思うのです
が・・。ご声援有難うございました。　　不義息子
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