時間がよどみ始めた。俊介は自身の罪深さにおびえながらも行く末を観て見
たい思いが頭を擡げるのを押さえる事が出来なく成っていた。どうせなら母
も自分の子供にしてやろう。自棄に成っていたのかも知れない。自身が糸引
く世界にする事が、せめてもの抵抗でもあった。母方の実家に足を向け時を
待った。祖母は三十路の姿態を晒し寝ていた。ヤッケの風防で顔を隠し忍び
込むと台所から包丁を持ち出すと頬を叩いた。驚いた祖母は声も出ないでい
た。「無事で居たいなら声を出すな」手早く縛ると手ぬぐいを口に捻じ込ん
だ。恐怖に歪む顔が俊介の欲望を掻き立てるに充分であった。「足を開け」
激しく頭を振り拒む祖母に包丁を当てた。「刺されたいか。言う事を聞く
か」観念したのか祖母の足が悲痛な叫びを上げながら開いた。男の侵入を予
期するワレメは涙で濡れ始めた。「いや~ぁ」声に成らない声を上げると仰
け反った。大量の企みを受け止めるまで時間が掛からなかった。