2000年7月X日
あの日の事がウソのように、以前の暮らしが続いていた。隙を見せまいとしているのか郁美へのアタックは、軽くいなされつづけた。それが、父の突然の事故死によって変化した。
初七日が終わり、親戚も引き上げ、二人きりになった。郁美は父の遺影をぼんやりと見つめていた。そんな郁美を見て、僕は可愛そうになった。喪服の郁美を後ろからそっと抱きしめた。ぼんやりとしたまま振り返る郁美の唇を奪ってしまった。郁美の抵抗を予想した僕にとって意外な反応が起こった。怒られるのを覚悟していた僕の舌に郁美の舌が絡みついてきた。思わずディープキスになり、お互いに貪りあった。喪服をはだけ胸を弄りだすと、郁美は母親と息子と言う立場を忘れていた。父の遺影の前で見せつけるように女を曝け出し、息子を求める母がいた。あの日以来の郁美の痴態を
僕は楽しむ余裕も無く本能のまま攻め続けた。何回も何回も求め合い、二人が気付いた時には、夜が明けていた。