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1:お隣さんから店長へ
投稿者:
摩天楼
変なキッカケで出逢った「お隣さん」その家は柵で仕切られただけで、歩いて一分も掛からなかった。
そこは小さな一軒家… 彼が玄関の扉を開け続いて私も「…お邪魔しま~すっ…!」 彼は短い廊下から扉を押し開けると「…どうぞ…!」 その部屋には台所にテーブルと二人掛けのソファーが… 彼は冷蔵庫の扉を開けると、缶ビールを手に取り「…プシュッ…!」「…ゴックッ…ゴックッ…ゴックッ…!」「…あぁ~っ…あっ…!」私の顔を見つめ「…ゴメンっ…!」「…えっ…!?」「…今までの出来事がっ…衝撃過ぎてっ…!」「…そりゃ~ぁっ…そうだよねぇ~っ…!」「…あっ…そう言えばっ…名前ってっ…!?」「…あ~っ…そうだよねっ…私はっ…玖美子…!」「…貴方はっ…!?」「…あ~っ…俺はっ…店長でっ…良いよっ…!」「…えっ…店長さんっ…ふっ…面白い人ねっ…まぁ~良いわっ…!?」「…ところでっ…君ってっ…未成年じゃぁ~っ…!?」「…ふふっ…そう見えるっ…!?」「…うぅ~んっ…!」「…こう見えてもっ…21よっ…!」「…あっ…そぉ~っ…!」 私達は並んでソファーに座った。 缶ビールを飲み干した彼は再び冷蔵庫へ… 扉を開け「…玖美子ちゃんも~っ…ナンかっ…飲む~っ…!?」「…ん~っ…え~っ…酎ハイなんてぇ~っ…!?」「…あっ…あるよっ…!」 彼はソファーに戻ってくると、「…今日はっ…色々とっ…あったけどっ…!」「…カンパ~イッ…!」 彼は自らの過去を話し始めた。 「震災でトラックを運転中に水没して死にかけた事」「スナックを経営した時ママが男を作ってしまい店が潰れた事」「死ぬつもりで田舎を離れた事」 私の過去を遙かに超える壮絶な人生を送っていた。 そんな彼はいま商店街で小さな「古本屋」を一人で営んでいるという。 「…ねぇ~っ…玖美子ちゃんっ…ウチを手伝ってくれないかなぁ~っ…!?」「…えっ…!?」再び彼からの思い掛けない言葉。 その時ここへ来た本来の目的を思い出した。「…あっ…あのぉ~っ…パッ…パンティーってっ…!?」「…あっ…あ~っ…ゴメ~ンっ…すっかりっ…!」 額に右手を当てながらベットの方へ… クローゼットを開くと、三段のボックスを指差し「…気に入るのがあるかっ…わからないけどっ…!?」 「…えっ…いいのっ…彼女さんのじゃぁ~っ…!?」「…彼女はっ…もういないっ…少し前にっ…必要な物だけ持ってっ…出て行ったよっ…!?」「…えっ…なんでっ…!?」「…好きな人が出来たみたいなっ…!?」「…「…そっかぁ~っ…難しいねっ…大人ってっ…!」「…彼女と知り合ったのはっ…全くの偶然っ…!」「…偶然ってっ…!」「…まぁ~っ…話すと長くなるからっ…!」 彼はソファーに戻ると再び缶ビールを飲み始めた。 しばらく互いの過去を語り「…それじゃぁ~っ…明日からっ…よろしく頼むねっ…!」「…はいっ…店長さんっ…!」 次の日。無事に二人での営業を終え小さな応接室へ… 「…お疲れ様っ…!」「…お疲れ様でしたっ…お茶っ…どうぞっ…!」「…玖美子ちゃんっ…そんなっ…気を遣わないでっ…!」 「…でもっ…店長さんってっ…食事はっ…!?」「…まぁ~っ…適当にっ…もともとっ…酒ばっかりでっ…!」「…今度っ…なんか作りましょうかっ…!?」「…えっ…俺なんかにっ…そんなぁ~っ…いやぁ~っ…あのぉ~っ…!?」「…えっ…!?」「…あっ…いやぁ~っ…昨日のっ…場面がぁ~っ…!」「…そっ…そうですよねぇ~っ…!」 「…君ってっ…見た目っ…以上にっ…いい子っ…なんだねっ…!」「…じゃあ~っ…またっ…明日っ…!」 店を出た私。「…えっ…もしかしてっ…私ってっ…本当にっ…店長さんにっ…惹かれてるかもっ…でもっ…年の差ってっ…何歳までっ…許されるのっ…!?」 次の日になり「…店長さんっ…休憩してて下さい…!」何故だか働く事への初めて感じる意欲… そこへ「…ごめんくださ~い…!」「…いらっしゃいまっ…!?」 私の目の前には店長の家で見た写真立ての女性。 私より遙かに年上。「…こっ…この女性がっ…店長さんのっ…!?」 「…あれぇ~っ…店長さんってぇ~っ…!?」「…いっ…いまっ…休憩中っ…でっ…ですけどっ…!」「…えっ…アナタッ…てっ…!?」「…こっ…ここのっ…てっ…店員っ…ですっ…けどっ…!」「…あぁ~らぁっ…随分とっ…お若い方っ…!」「…私もっ…以前はっ…ここでっ…!」「…しっ…知ってっ…ますっ…!」「…引っ越す前にっ…来てあげたのにっ…ねぇ~っ…!」 そこへ「店長さん」がっ… 「…ギョエッ…!」とした表情で「…ナニッ…!?」 「…あぁ~らっ…幸せを怖がってっ…臆病なっ…店長さんっ…お久しぶりっ…!」 元カノの言葉に俯きながら「…逃げ出すっ…そうだっ…俺じゃダメと決め込んでっ…年の差をっ…言い訳にっ…!」小さな声で… 「…それじゃぁ~っ…!」 元カノが店を出て行こうとした時「…店長さんっ…彼女さんをっ…!」私は無意識に…彼女さんへ「…まっ…待って下さいっ…!」 すると「店長さん」は、私の伸ばした右手を握り「…もうっ…いいんだっ…!」私を見つめ、「…玖美子ちゃんの手は温かいなっ…なんだかっ…怖いくらいだっ…!」 私は思わず「…店長さんをっ…もっとっ…知りたいですっ…!」 「…玖美子ちゃんがっ…いないっ…毎日なんてっ…もうっ…考えられないっ…逃げるなっ…俺っ…!」 私は彼の両手を握り締めた。 彼は「…こんなっ…オヤジっ…なのにっ…分かろうとして貰えるっ…俺はっ…幸せだっ…逃げてるっ…場合じゃぁ~っ…!」「…逃げないでっ…大丈夫っ…私がっ…!」 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
2022/05/05 21:31:13(7uGm7A5V)
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