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回想夢 - メサイア2
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:女性向け官能小説
ルール: 女性目線のエロス、恋愛要素を含むなど、女性向けの小説をご投稿下さい
  
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1:回想夢 - メサイア2
投稿者: グレッグ
東京タワーの足元で車を降りてハグをしたK子が意外な行動をしたのは嬉しい驚きだった。

「ねえヒロくん、キスしようか?」

「えっ? 今なんて言った?」

「キスして」

K子は少し背伸びして唇を突き出してきた。ほんの触れるだけのキスをした後は、お互いに見詰めあってフレンチキスをした。激しく絡み合う舌は時間を忘れ、少量ではあるが交通量があることも忘れてしまっていた。

「どうしたの急に? キス出来て嬉しいけど」

「さっきドイツのロマンティック街道が人気と言ってたでしょ? なんか東京のロマンティック街道に連れて来てくれたから」

「K子、ロマンティックじゃん」

嬉しそうにニッコリと微笑むと唇を重ねてきた。

「東京タワーを少し離れたところから見せてあげるよ。車に乗って」

「ヒロくん、時間大丈夫なの?」

「うん、もっと一緒にいたいから」

「ありがとう、嬉しい」

東京タワーの周りをぐるっと回り札の辻を抜け、芝浦からレインボーブリッジの一般道で対岸のお台場に向かうことにした。車の運転にも興味があるのか、左右の手や足の動きを真剣に見ているのに気付いたため少しだけスピードを上げて、男らしい姿を見せたくなった。

芝浦からスロープを一気に駆け上がると道路は右にループするが、K子は横Gを感じながらも楽しそうな表情を見せてくれた。

「ヒロくん、運転上手いよね。手足を自由に操ってかっこいいよ」

「恐くない? 山道を走るのが好きなんだよ」

右の大きなループを終えてレインボーブリッジを渡り終えるとお台場方面はタイミング良く右矢印の信号になった。前走車もいないから直線のスピードを保ったまま右折すると、勢いよく流れる景色にK子が『楽しい』と声をあげた。

「ドイツのアウトバーンは走ったことあるでしょ? 何キロまでスピード出した?」

「自分では運転しないから性格にはわからないけど、150
キロとか200キロなんじゃないかな」

「速度無制限なんて日本じゃ無理だもんね。オレもいつかドイツで運転してみたいよ」

スピードを落としながら海浜公園に向かいながらレインボーブリッジと東京タワーの両方が見える位置に車を止めた。K子は初めて会ったとは思えないくらい自然に接してくれていた。『タイプ』と言ってくれたことを半分にしても一緒にいて楽しかった。ガールズバーでも色々な話題に対応したことを思わる頭の良さも感じた。巨乳に目を奪われてK子に惹かれたのは間違いのない事実であるが、K子がペチャパイだとしても好きになっただろうと思った。槌

「K子、お腹減ってない?」

「ちょっとだけ、軽くなんか食べよう。ドライブ連れて来てくれたからご馳走するよ」

「いやいや、ドイツ行ったらお金も必要だから、そんな心配しなくていいよ。今日さあ、先輩にご馳走する予定がご馳走されちゃったから。それに退屈になりそうな土曜の夜を救ってくれた救世主だからね」

「それってわたしの課題曲のメサイアと掛けてるでしょ?」

東京タワーからの移動の会話はドイツに留学する理由についてだった。日本の音大の声楽科を卒業し、ドイツで更に勉強するということは、自分自身の夢の後押しもしてくれていた。アメリカ留学を目指して企業からのスカラシップを得るために英語の勉強を始めていたこともあったからだ。

お台場から有明テニスの森を抜け、少し走ると24時間営業のレストランがあることを思い出した。

「お洒落なカフェじゃないけどファミレスでいい?」

「うん、どこでも」

駐車場に車を止めて、東京タワーに到着した時と同じようにシートベルトのバックルを外すために身体をK子に向けると、K子は頬にキスをしてくれた。やはり、お礼の意味を込めハグをしたりほっぺたにキスをすることはドイツでは日常的に行われているのだと思った。でも、さっきのフレンチキスはお礼の意味だけではなく違う意味を持つものだと願った。


 
2019/01/24 20:08:36(E0LeLGWy)
2
投稿者: グレッグ
階段を登りレストランに入ると、座席の半数程度が埋まっていたが、どこでも好きなテーブルにと案内された。窓際の向かい合わせに座る広いテーブルに席を確保した。

「ヒロくん、さっき晩御飯ご馳走になったって言ってたよね?」

「気にしなくていいよ、お腹減ってればがっつり食べればいいし」

「ビール飲んでいい? 日本のビール飲み納めかな、日本食のレストランに行けば飲めるけど、高いの」

K子のためにサラダ、フレンチフライ、白身魚のグリル、グラスビールを、そして飲酒運転をする訳にはいかないためアップルタイザーとフライドチキンをオーダーした。

「ヒロくん、ごめんねわたしだけビールで」

「気にしなくていいよ、一緒に居れるだけで嬉しいから」

「わたしも今日会えて嬉しかった。ご飯食べたらホテルに来る?」

アパートを引き払い、近くのホテルでドイツへの出発まで過ごすと言っていたことを思い出した。K子と出会ったコンビニからも近くいアメリカ系のホテルは地域では異質に感じた。

「ホテルに行ったら狼になっちゃうけど」

紳士面はやめて野獣になろうと決めていたし、どのタイミングでK子に打ち明けるかを考えあぐねていた。それが思いも寄らずK子から誘ってくれたのだから断る理由は無いし、最後の一言は男から告げるべきだと紳士面を復活させることにした。

「K子のこと抱きたい。コンビニで見掛けてからずっと思ってたんだ」

「わたしもナンパされると感じてから覚悟してたよ」

飲み物が運ばれて来るとお互いのグラスを合わせ乾杯をした。

「K子との出会いとドイツでの未来に乾杯」

「ヒロくんの夢が叶うように乾杯」

「K子は何ヶ国語話せるの?」

「ドイツ語でしょ。あと英語は生活に困らないくらいは。あとイタリア語は勉強中。やっぱりオペラはイタリア語が必要なの。イタリア語をマスター出来ればフランス語もなんとかなるみたいだしね」

「凄いなぁ、英語だけでも苦労してるのに。コンプレックスは胸が大きいことだけ?」

「胸が大きいと頭悪いって思われるみたいなの。お客さんでもそう思う人がいたし」

「そうなんだ」

サラダや料理が運ばれる頃には隣のテーブルのグループが食事を終えて帰って行った。いちばん近いカップル客ともテーブルひとつ分空いているし、次に近い女性3人のグループも何を話しているかわからない程度の距離は保っていた。

「ドイツのビアグラスって見たことある?」

「白い陶器みたいなやつ?」

「ううん、そういうのはビアマグって言うの。グラスの下がブーツみたいな形してるの見たことない?」

「写真では見たことあるかな? 実物は無いなぁ」

「なんでブーツみたいな形か知ってる?」

「お洒落に見えるからじゃない?」

「確かに、それも理由かも知れないけど。本質的な理由があるみたいなの」

「どんな理由? わからないよ」

「えええ、わからない?考えてみて」

「つま先のところに空気が入って味がまろやかになるのかな?」

「そうかも知れないけど、もっと精神的と言うかメンタル的な理由を考えてみて」

K子はなんでそんなにこだわるのだろうと思った。それに精神的な理由など思い付きもしなかった。

「降参、全然思い浮かばない」

K子の表情は言おうか言うまいか迷っているように伺えた。

「教えてくれよ」

「あのね、うううん、どうしようかな、ちょっと恥ずかしい」

「大丈夫、笑わないから」

「やっぱりここじゃ恥ずかしい」

「じゃあさあ、おれも恥ずかしいこと言えば、おあいこだよね」槌

「恥ずかしいことってなぁに?」

「さっき、コンビニの駐車場で車を降りた時に目が合って、微笑んでくれたって思ってたんだよ」槌

「恥ずかしいことじゃないじゃん、だってわたし微笑んだし」

「えっ本当? やっぱりそうだったんだ。じゃあね、東京タワーでキスした時、勃起しちゃった」

「本当に? なんか想像しちゃったの?」

「うん、K子にパイズリしてもってること考えたらね」

胸が大きいことがコンプレックスのはずのK子が嬉しそうな表情を見せてくれたことで、後でパイズリをしてもらえるだろうと確信した。そして、K子はこうした会話から言いづらい願望を引き出してくれているのだと感じた。何しろ帰国子女でマルチチンガルの槌才女であるのだから。
19/01/24 23:00 (CT5Ft1zh)
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