ミッキーカーチスがロボットに入る映画があった。設定がおもしろそうだっが、最後まで視ていない。

　６５歳で妻を亡くし、二人の子供は二人とも海外勤務で一年に一度しか実家に寄りつかない。海外でなくても来ないかもしれない。
妻は病気がちで早くからセックスレスだった。
おかげでずっとオナニーばかりしていた。
６５になっても射精はするが、勃起は持ちこたえられない。金を払ってももどかしいだけ、自分のペースで自慰行為をしていたが、飽きると言うより深みにはまって、最初はラブドールだったが、次第に女装の虜になり、老いた自らの姿に幻滅して、つまりは女装した自分の姿では逝けなくなって、フィーメルマスクとシリコンの女体にたどり着いた。
まずは過酷なダイエットが待っていた。目標を定め、美しい女体となるべく努力した。
運動をしていなかったので下腹がでて、グロスのパンストも満足にはけない状態を、シリコンの美脚でやせ細った足を包み、念願のグロスストッキングを履いた。
やせた身体には不釣り合いの巨乳のシリコン乳房は重たいだけでなく、ともすると何かに当たってしまい、そのたび自分で笑ってしまう。
美脚には人工のカントがついているが、その奥で勃起しないペニスがだらだらとカウパー氏腺を垂れ流していた。
　この年になってコンタクトレンズを入れる。私はひどい近眼に乱視でその上老眼で眼鏡無しにはなにも見えない。
運動のためとか口実をたくさん考えていたが眼科もコンタクトレンズ屋も事務的で、私は調子に乗ってカラコンも購入した。
ウイッグはコスプレ用とかで安価に手に入った。
化粧品は妻のを使おうと考えていたが、私好みの派手なものはなく、結局ネットで購入することとなった。
　すべてが揃い、いざ変身。このために買った大きな鏡に理想の女が立っていた。
シリコンの中にはアナルバイブを仕掛け、光沢パンストにフレアのプリーツミニ。あしもとはルブタンのパンプス。ハイネックにノースリーブのピッタリとした光沢のあるセーターの胸は天に向かって空気を跳ね返していた。

　外にでてみたいと思ったのは、三度目の変身の後だった。射精をすると我に返って、暫くするとまたしたくなる。三度目はその波が大きすぎて自分で制御できなくなってきた。
深夜に車で少し離れた公園に行くことにした。
この姿で運転できるか不安だったが、興奮には逆らえなかった。
運転中脈が速く、血圧も相当上がっていただろう。医者に知れると薬を増やされそうだ。
公園に着き車を降りて、自販機でコーヒーを買う。これが今回のミッションだ。
自販機の前でもし車のキーを投げ捨てて、歩いて帰らなければならなかったら、どんなんだろうと、妄想して、興奮は極限に。

家に帰り別途の中で帰りの運転の感覚が全く思い出せない。命からがらみたいな引き上げ方だった。
このことを誰かに伝えたくて書きました。

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