神社に着くと神主がいた。
「あの~」
「おお、君は昨日願い事を書いてたが無事女性になったんじゃな。後は女性として自然に任せるんじゃ」
そう言うと神主は社務所に消えた。
(そうだよなあ。今のカラダでいるのが私にとって自然だわ。あっ…言葉まで女性になってきた)
陽子はそう考えながら駅に向かった。
前から高校時代の友達の健が歩いて来た。
(あっ…健だ。久しぶりだなあ。やっぱり男前だ)
そう俺が性同一性障害だって分かったのは健の存在があったからだ。俺は健に恋していた。しかし、わざと男らしく親友として付き合っていた。
(今なら、健に抱いてもらえるなあ)
しかし、俺には時間がなかった。
「あの~。すいません。健さんですよね」
「はい、そうですが」
「今度、うちの家の改装したいので来てもらえませんか?」健は高校を卒業して実家の建設会社を手伝ってたので家に誘う事にした。
「分かりました」
そう言いながら健はおれのふくよかな胸の谷間を見ていた。「じゃあまた電話しますね」
そう言って健と別れた。
そして、親父との待ち合わせの場所に着いた。
「あなた、お待たせ」
俺は親父に駆け寄り腕を組んだ。
「陽子きれいだよ」親父はそう言いながら歩いた。