「ゆうた、起きなさい！学校休みだからっていつまでも寝てないで、ほら
ぁ”

お母さんの声が聞こえ部屋のカーテンを開けられ、太陽の光が眩しくてやっ
と目を覚ました僕。

”ん・・・・・今日は休みだっけ・・・・”

今日は学校の創立記念日で休みだったんだ、お父さんもお姉ちゃんも出かけ
て家にはお母さんと僕だけ。

「ほら、朝ごはんできてるから早くおりてきなさい。お母さん今日出かける
んだから早く片付けさせて。」

そういいながら階段をおりていくお母さん、そういえば近所のおばさんたち
と出かけるって昨日言ってたような・・・・
いつもどおりに着替えて台所に行くと朝ごはんが並んでてお母さんが洗い物
をしていた。

「おはよう、お母さん」

「おはよう、早く食べてね。そうそう、今日はちゃんとお留守番してるこ
と、もし出かけるときはちゃんと戸締りして出かけなさい、わかった？」

「うん、わかったよ」

そんな会話をしながらさっさと食べてカップやお皿を流しに持っていってそ
のまま自分の部屋に戻ったんだ。とりあえずお姉ちゃんの制服をたたんでも
とのタンスにしまって・・・・・

「じゃあ行って来るね、ちゃんと約束は守ってお留守番しててね」

しばらくして下からお母さんの声が聞こえて

「わかってるよぉ、いってらっしゃい」

よく聞こえるように大きな声で返事しておいて・・・・

”えっと・・・・どうしよ・・・”

ベットの下から機械を拾い上げ机に置き今日どうしようか考えてたんだ。
やっと欲しかったゲーム買ったばかりだし、長く遊んでも怒られないから続
きをずっとしようかなって思ってたんだけど・・・・
こんな機械を手に入れたから女の子に変身して外に遊びに行ってみたい気持
ちもあるし・・・

”変身して出かけてみようかな・・・・寒いけど天気もいいし・・・”

そう思ったらすぐにお姉ちゃんの部屋に行って、雑誌を何冊か引っ張り出し
てページをめくりながらファッションやメイクとか勉強しようと。

”なんだかいろんな服とかあってよくわかんないなぁ・・・どういう感じが
いいのかな・・・・変身したらこういうこともわかってくるとか”

そう考えて服を脱いで機械を腕に巻きボタンを押して女に子に変身したん
だ。寒かったから暖房を入れて適当にお姉ちゃんの服を着て床にしゃがみこ
んで雑誌を見ていたんだ。

‘そっかぁ・・・こういう感じとかいいかもぉ・・・’

変身すると感覚もそれなりに女の子らしくなってきて、雑誌を見てると楽し
くなっていて。いろんな雑誌を見てはファッションを勉強して、ある程度僕
の好みと言うか変身した僕の感じに合う服装を思い描いてお姉ちゃんのタン
スから服を選んでみた。

‘これと・・・これ・・・・あとは・・・・’

あれこれ組み合わせてみていい感じのものを着てみて鏡で見てみたんだ。

‘ちょっと・・・やっぱり中学生っぽい感じかなぁ・・・・やっぱ高校生く
らいだともうちょっと違う感じかも・・・’

自然にそんな風に考えるようになっていた僕・・・

‘せっかくだし自分の服買ってみようかなぁ・・・お小遣いとお年玉の残り
があるし・・・・’

自分の部屋に戻ってみて机の引き出しを開け、奥に大切に隠してある貯金箱
を開け今あるお金を数えてみた。

‘あれ、もうこれだけしかないじゃん・・・もう少しあると思ったの
に・・・’

貯金箱には千円札が8枚と小銭が少し・・・・それでもまったくないよりはい
いから全財産を財布に入れて。
タンスからお姉ちゃんの冬の制服を探し出して、下着と制服を身に着けかば
んの中に財布や自分のものを押し込んで・・・・
気がついたら駅のほうに歩いていた女子高生の僕・・・・

‘さむ～ぃ・・・こんなに寒いんだ、スカートって・・・’

風が吹くとひらひらと揺れて、時々めくれあがりそうになるミニスカートを
かばんや手で押さえながらゆっくり歩いて・・・・
しばらくするといつもの知っている地元の駅に着いた僕、だけど今は女子高
生になっているんだ・・・・小学生の僕じゃない。

なんだかわくわくと言うかどきどきしながら切符を買っていたんだ。


これからどんなことが起こることも知らないで・・・・

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