拘束され、無理やり服を脱がされた挙句、全身隈なく、取りこぼし無く2人
がかりで現れた。
(死にたい)
「は～きもちぃ～」
「温泉なんて久しぶり」
　両脇を峰地斉藤にガードされていて逃げ出すこともできない。
「じゃあ、私は露天風呂いってくるね」
「いってらっしゃい」
　斉藤はそういうと露天風呂へと向かっていった。
(うーん……スレンダーっていうのかね)
　両脇をガードされていた緊張から解かれてすぐに邪な考えに行くのもなんだ
かな。
　とは言うものの峰地に腕を掴まれているので逃げられない。
　だが、10分ほど使っているがナニか起こりそうな気配はない。峰地も純粋に
温泉を……
「ねぇ、フミ。エッチするから人払いしてくれるかな？」
　このクソ女。
「……お前、頭沸いてるだろ」
「失礼な。じゃないと困るのはフミもなんだよ」
「……」
　言われたとおり、周りにいる人たちの意識を俺たちから外す。
　アヤにプログラムを組んでもらったからスイッチを押すようなものだ。
「……やったぞ」
「いい子いい子」
　峰地は口の端を吊り上げ、いやらしげに笑った。
　普段からは想像も出来ないような表情。
　オレは峰地に抱えられて向かい合う形に座らされた。
「フフ」
　うつむいたまま峰地の顔を見ることが出来ない。
　なにをされるか分からないがどうなるかは分かる。
「じゃあ、最初は」
　峰地はオレの顔を自らの顔と向かい合わせると口を合わせてきた。
「ん」
　峰地の舌が口内を蹂躙していく。
(う……)
　舌、歯の裏、歯茎、頬。味わうように執拗に舐め、唾液を送り込んでくる。
(くそ……)
　峰地の唾液を飲まないように眼をつぶり耐える。だが、峰地はそんなことと
はお構いなしに容赦なく蹂躙し続けるてくる。
　時間にして5分は経っただろうか。峰地の舌は荒々しさを増していく。そし
て、業を煮やしたのか覆いかぶさるようにオレを力強く抱きしめた。
「っ」
　不意のことに小さく喉が鳴ってしまった。
　それを良くしたのか執拗に舌を絡めてくる。
　オレはもはや抵抗できなくなっていた。峰地の唾液を与えられるがままに飲
み、全身の力が抜けていく。
　峰地はひとしきり唾液を飲ませると今度はオレの舌を吸出し、自らの口内で
味わうように吸い続けた。
　そして、オレの唾液を飲み始める。
　小さく眼を開いた。
　峰地は嬉しそうに、最高の美酒を飲むように恍惚の表情をしていた。
「ふぅ」
　満足げに口を離すと口の端から垂れるオレと峰地の唾液が混ざり合った液体
を舐め上げる。
「キス弱いね」
　前髪をなでられた。
　峰地は体制を座位へと移らせる。ちょうど、峰地の両足の間にはさまれた形
だ。
　オレの頭を谷間で固定させると峰地の手は陰茎に伸びた。
「あ……」
　陰茎はすでに勃起していた。
　ピンク色の亀頭を露出させ、オレの外見には似つかわしくない大きさ。
　優しく陰茎を握ると親指を亀頭に当てる。
　亀頭を触れるか触れないかでなで上げ、人差し指は裏筋さすっている。
　ゆっくり、何度も確かめるようにいたわるように触り続ける。
　陰茎に血が集中していく。まるで陰茎全てが亀頭になったような錯覚だ。
「みね……」
　刺激が弱すぎる。一分もしごいてくれればすぐにでも射精できそうなのに峰
地は弱い刺激だけを与え続けた。
「おねがい……みねじ」
　オレの言葉が聞こえていないようにあいている手で陰嚢に触れる。
　やることは変わらない。優しく手で包むと優しくもみ続けた。
「みねじぃ……いかせて」
　すでに体裁なんてものはなくなっていた。
　能力で他人には気づかれない。
　今すぐにイキたい。それ以外に考えられない。考えたくない。
　峰地は陰嚢に触れていた手を離し、オレのあごを持ち上げた。
「涙流して可愛そうに」
　言葉とは裏腹に表情はあの表情。むしろ先ほどよりも興奮しているのか息が
荒い。
「でも駄目なんだ」
「そんなぁ……」
「今日はフミにお願いがあるの」
「おねがい？」
　陰茎に刺激を与え続けていた手が止まる。
「それをきいてくれるならイかせてあげる」
　峰地は首を傾げてオレを覗き込む。
　熟考せずにオレは答えた。
「きく……きくから」
　早くイキたい。今すぐに。
　オレの答えに満足したのか陰茎への愛撫を続けた。
「……ユっちゃん」
　峰地は斉藤の名前を口にすると前を見る。
　半ばつられる形でオレも前を見た。
　斉藤がオレと峰地を見下ろしていた。
「いいの？」
「うん。フミがいいって」
　斉藤が俺たちを認識している。
　なぜ……。
　オレの力で気づけないはずなのに。
「私とユっちゃん、2人で気持ちよくしてあげる」
　斉藤は恥ずかしそうに目を伏せた。

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